2007年12月12日
金融業界の宿命とその対策
2007年は投資信託がブレイクした一年でした。書籍を見ても、株式投資に関するものは姿を消し、投資信託関連の本が大量に出版されています。
毎月分配型ファンドは相変わらずの人気のようですが、今年注目された商品にバランス型ファンドがあります。この商品がブレイクするきっかけになったのが、
マネックス資産設計ファンドとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドではないかと思います。
バランス型ファンドとは1つのファンドの中に、株式、債券、外貨、不動産というように複数のアセットクラス商品が配分された「お任せ運用」ができる商品です。それまでもバランス型ファンドはいくつもありましたが、
・それぞれの資産の運用がインデックスではなくアクティブ運用になっているものが多く、運用の成果が見えにくい
・信託報酬が比較的高く、運用コストの低い商品にはなっていなかった
・資産配分方法の意思決定が不透明で、アセットアロケーションの方法に不安があった
という問題があって、あまり売れていなかったわけです。
上記の2つのファンドは、
・それぞれのアセットクラスはインデックス運用
・信託報酬が1%以下、販売手数料のかからないノーロードファンド
・資産配分の方法は異なりますが、それぞれ明快
という点で個人投資家から受け入れられたのだと思います。
しかし金融商品の宿命は人気が出ればすぐに他社がマネをしてくることです。あの「グロソブ」が大人気になった時に他社が類似商品を一斉に販売し「ニセソブ」と揶揄されたように、バランス型ファンドも人気を見て他社が追随してきました。
個人投資家にとっては選択肢が増えるのは喜ばしいことですが、金融機関から見れば、商品開発はこのようにフロントランナーが報われにくいのも事実です。
ネット証券の商品・サービスを見ていると、大手であれば大きな差がなくなって来たように見えます。細かい商品の違いはありますが、手数料やプロダクトで選択する時期は終わりつつあるように見えます。では、何が差別化のポイントになるのでしょうか。
ここからは仮説ですが、1つは顔が見える会社かどうか、だと思います。ネット上で取引するからこそ、リアルな世界でのコンタクトが必要になってくるのではないでしょうか。個性が無いのっぺりとした金融機関ではなく、固有名詞で語られる人がたくさんいる方が、親しみがわき、安心して取引ができるからです。
そしてもう1つは口コミではないかと思います。口コミといってもリアルな世界ではなくネットの世界です。ブログを使って個人が発信する情報が大きな影響を与えるようになってきています。信頼される情報を発信し続けているブログ運営者の意見や行動についていくフォロアーが増えているように見えるのです。インフルエンサー(影響者)に方々にいかに評価される会社になるか、は大きな課題だと思います。
このような差別化は金融商品の宿命からは逃れることができます。誰でも簡単にマネできないことだからです。金融の世界は数字だけの無味乾燥なものに見えるかもしれませんが、実は極めて人間的なものなのです。
投稿者 shinoby : 2007年12月12日 05:27
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コメント
他人に真似できない差別化は、個人の持つ感性ではないかと思います。その感性を仕事の中でどう表現し、またお客様に感じてもらえるかが、大切な部分ではないかと感じています。
企業とお客様とで、声なき声を聴き取ろうとする関係が構築できれば、素晴らしい仕事ができるのではと思いました。
投稿者 E.T : 2007年12月12日 09:25
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