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2007年12月16日

個人投資家にメリットのある学術研究を

行動経済学会は大阪大学のイノベーションセンターで行われました。2日目は朝10時から1時間の昼食をはさんで午後5時前まで。結構スケジュールはタイトでしたが、思った以上に刺激的で面白い内容でした。講義を聴いているだけの時間はかなり苦痛なのでは?というのが当初の予想だったのですが、退屈する暇が無いほどの充実感がありました。


ほとんどの方が大学の先生。金融関係の仕事をしている人は比率としては少なかったのですが、フレンドリーな先生方が多く、気持ちよく2日間を過ごすことができました。

以前マネックスメールを執筆していただいた真壁昭夫さん、セミナー講師をご一緒させていただいた立正大学の林康史さん、今週の週刊東洋経済に登場の慶応大学の小幡績さんなど、懐かしい皆様に再会できたのも収穫でした。

また初めてお会いした一橋大学の三隅隆司さん、日興フィナンシャル・インテリジェンス常務の宮井博さん、上智大学の川西諭さん、東京大学の植田一博さん、一橋大学PHD課程の高橋秀明さん、青山学院大学の亀坂安紀子さん、統計数理研究所の川崎能典さん・・・・たくさんの方とお話することができたのも今後のアウトプットの刺激になりそうです。

2日間のセッションで感じたことは2つです。

1つは行動経済学の世界を発展させるためには、実業と経済学の関係はより深める必要があるということ。アカデミックな発表を見ていると緻密でロジカルな説明なのですが、現実と乖離している前提があったりして、結果に違和感を感じたりすることがあります。金融の実務を行っている人が、現実の世界を伝えることによって学問としての意義をより高められるように感じました。

もう1つは行動経済学には個人投資家の運用成果向上のヒントがたくさん隠れているということです。確かに理論的な話と現実の世界にはギャップはあります。しかし、行動経済学の分析を実際の資産運用に応用できる可能性は高いのではないかと思える発表がいくつかありました。例えば、ナンピンをする投資家としない投資家のリターンの差、といった実証的な研究がありましたが、個人投資家のリターン改善のヒントが得られる予感がします。

しかし実際のデータを使う際にはデリケートな問題も克服しなければなりません。半年ほど前に某ネット証券がお客様データを活用して大学との研究をはじめると発表して反発を受け、結局断念したという事件がありました。昨今の個人情報保護の流れもあり、一方的な通知に個人投資家の過剰反応があったのが原因と思われます。学術研究のためにデータを活用するだけではなく、データを提供する個人投資家にフィードバックをするなどメリットのある形で分析を行う仕組みができれば、データ提供のインセンティブにすることができるのではないかと思いました。

まだ投資のリターンの向上方法には様々な可能性があるのです。そんなヒントを現実の方法にまとめて個人投資家の皆様に提供できれば、と夢がふくらむはじめての学会でした。

投稿者 shinoby : 2007年12月16日 21:54

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