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2008年6月14日
環境問題の真実はどこにあるのか?
幻冬舎新書が好調にヒット作を次々に出しています。今回読んだのは偽善エコロジーという本です。著者はすでに同じ内容の書籍を何冊か書いていますが、今回の新書を読んで、環境問題の第一人者である学者がここまで誠実に勇気を持って持論を展開する姿勢に感動しました。
ダイオキシンは危険ではない、狂牛病は危なくない、といった発言は理論的に正しいと思っていても世論の反発やま万が一のリスクを考えれば、学者としては言えそうで言えないことです。
環境問題の根底にあるのは、政治家や官僚、業界団体などのエゴイズムであるというのが、まず本書を読んでいるとあぶりだされてきます。例えばスーパーでレジ袋をもらわないでエコになるのか、石油をやめてバイオエタノールにすると環境にやさしいのか。疑問も持たずにマイ箸を持ち、エコバッグを持ち、牛乳パックのリサイクルをしている人がいたらまずはそれが本当にどんな効果があるのか、背景を専門家に教えてもらうべきでしょう。
3章ではリサイクルが取り上げられていますが、意味があるのはアルミ缶くらいで、ペットボトルもプラスティックトレイも古紙も空きビンも意味がないと言います。さらにゴミは金属以外は分別しない方が良い、と説明されると現状の分別回収はナゼ行われているのか理由が知りたくなります。
環境問題のややこしいところは誰の言っていることが真実なのかわからないところにあります。完全な真実は誰にもわからないことでしょうが、誤った理解によって、意味のない行動を起こしてしまったり、言われなき批判を受けてしまうようなことにはなりたくありません。
誤った環境問題の知識が広がっている要因は、利権だけではなく、無知、そしてメディアバイアス、の3つにあるのではないかと思います。技術進歩によって解決されている問題を未だに過去の知識に基づいて判断している無知な人たち、環境問題をビジネスにして儲けたい企業、あるいは利権として天下りや税金の流用をもくろむ官僚や政治家、そして真実をきちんと調査もしないでわかりやすく口当たりの良い情報を大量に放出するメディア。この3つによって多くの一般人は情報に踊らされてしまっているのです。
正しい情報がどこにあるのかを見つけるのは難しいことです。もし自分が専門家ではないとすれば、誰の言っていることを信じるかを決めるのは、専門知識を持っている人なのか、ということと、利害関係無く発言しているかどうか、の2つしか無いと思うのです。
そのような意味では本書が環境問題を考えるきっかけになる価値のある一冊だと思います。著者の武田邦彦氏の言っていることがすべて真実なのかはわかりませんが、彼は専門的な知識を持つ資源材料工学の学者であり、私利私欲を抜きに本書を書いているように私には思えるからです。
「偽善エコロジー」(幻冬舎新書)
<関連書籍>
「環境問題はナゼうそがまかり通るのか」(武田邦彦、洋泉社)
「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」(松永和紀、光文社新書)
投稿者 shinoby : 2008年6月14日 10:21
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コメント
しかし,この本に書いてある事も本当に科学的に妥当な事なのか,という問題があります.単に著者だけが主張している事(もしくは大勢の科学者に認められていない事)かもしれませんから.
そういう意味では,国がもっと多くの意見,見解の中から「科学的」「合理的」という観点で政策を決めるべきです.ただ,政治家って文系の人が多いイメージがあって,科学的な事柄や論理的な思考に極端に弱い感じがするんですよねぇ.
投稿者 ガウス : 2008年6月15日 01:24
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