神はディテールに宿る
20年以上前の本で絶版になっている「空間の神はディテールに宿る」という作品がありました(最近絶版本の紹介ばかりですいません)。私と同じ世代の人なら覚えているかもしれません。
1980年代のバブル期に店舗プロデュースを行う空間デザイナーとして一世を風靡した松井雅美氏が書いた本です。ファッショナブルなお店を成功させるには細かいところ(Detail)に気を配ることが大切、といった内容だったと思います。表面的な華やかさの裏に、細かい積み重ねがあることを知り、感動したのを覚えています。
彼がプロデュースしたカフェバー(←今や死語ですね)はもうありませんが、「神はディテールに宿る」というのは、どの仕事でも当てはまるように思います。
例えば、書籍、あるいは雑誌の取材記事では、同じテーマであっても記事の出来に大きな差ができることがあります。ほとんどの人には見えない差なのかもしれませんが、作り手の側に立ってみると愕然とするようなクオリティの格差があったりするのです。
その差はディテールに見ることができます。一般的な傾向ですが、写真がきれいに写っていない書籍の装丁や取材記事は、中身もそれなりの内容になっていることが多い。また、誤字・脱字が多かったり、図表が大雑把なものも、そんな作りが中身のクオリティにも連動しているケースが多いのです。
例えば、デジカメで取った写真を掲載する取材と、カメラマンがしっかり撮影してくれる取材。どちらが読み応えのある記事に仕上がっているでしょうか?結論は言うまでもありません。
「神はディテールに宿る」とは、丁寧にこだわったクオリティの高い仕事をすると、結果的に細かいところまで気配りがなされるということだと思います。逆に慌ててやった雑な仕事というのは、どうしても細部にまでこだわっている時間が無くなってしまい、詰めの甘い部分がつい出てしまうということです。
仕事には時間的な制約があるのは仕方の無いことですが、その制約の中で可能な限り丁寧な仕事をしようとする方がいます。そんな人と出会うことができると気持ちよく仕事に没入できます。その逆のケースだと・・・。
というわけで、これからもディテールにこだわる方とのお仕事を大切に育んでいきたいと思います。
空間プロデューサーと言えば、読み応えがあった本に以前ご紹介した
成功請負人(シー・ユー・チェン著)があります。こちらはディテールの話ではありませんが、「価値>価格」の本だと思いました。
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