コース料理のないフランス料理店
インデックス投資ナイトに関して頂いたコメントや参加者の方のブログを拝見していると、どうやら皆さんが一番興味を持たれたのはバランス型ファンドに関するパネラーの意見の違いだったようです。考え方を整理しておこうと思います。
バランス型ファンドとは株式や債券、外貨、さらには不動産など様々な資産の種類が1つにパッケージされた、お任せコースのような商品です。1万円で投資をすれば、その中に日本株が3千円、外国株が2千円・・・というように一定の比率で組み入れられている投資信託です。
これはフレンチレストランで言えば、コース料理のようなものだと言えます。前菜、メイン、デザートといった料理を組み合わせて、単品で選ぶのが苦手という人にセットで提供しているわけです。初めて行くフレンチレストランでは、そんなコース料理があると便利です。何回か通って、メニューがわかってきたら自分で単品を選んでコースを作るようにすればよいのです。
投資に関しても同じことが言えるのではないかと思っています。最初からアセットアロケーションを自分でできる人は自分で組み立てれば良いのですが、それができない人にとってバランス型ファンドは小額で投資を始めるきっかけにできる商品です。
現存のバランス型ファンドに関する問題点としては
・コストが高い
・バランス型と言いながら、資産が偏っているファンドがある
があると思います。
信託報酬が0.5%のファンドを3本均等に投資するバランスファンドの信託報酬が0.6%になっているとしたら、組み合わせるだけのコストが0.1%ですから、割高なファンドと言えます。単純に切りの良い割合で配分しているだけでコストを取っているからです(アセットアロケーションに付加価値をつけているファンドは別ですが)。
またバランス型と言いながら、入っているのが外国株と外国債券と日本株だけ、といったファンドもあり、中身を見ないとバランスしていない場合もあるので要注意です。
バランス型ファンドが必要か、必要でないか、という議論で言えば、私は必要なものだと思っています。投資を始める方法がわからない人にとって、エントリー商品としての価値があると思うからです。問題は、バランス型ファンドにあるのではなく、どういうバランス型ファンドを設定するか(コストと配分比率)、にあるのです。コース料理が悪いのではなく、割安で質の良いコース料理が提供されなければならない、ということです。
自分でアセットアロケーションできないなら投資なんかしなければ良い、と切り捨ててしまう考え方もありますが、私はそんな人にも使えるベターな商品を提供して、投資を早く始めるきっかけにしてもらうことが重要だと思うのです。そういう意味で、選択肢としての存在価値はあると思っています。
とは言え、以前マネー誌でも書いたように、バランス型ファンドとは、いつかは卒業していくべき商品だと思っています。バランス型ファンドで運用しているとそのうちに次のステップ、つまり自分でアセットアロケーションするようになるのが理想だと思うのです。これはフレンチを何回も食べていてもいつもコース料理では物足りなくなってくるのと同じです(そうならない人もいるでしょうが・・・)。
バランス型ファンドと言えば、ネット証券がそれぞれ立ち上げている専用ファンド、それにセゾン投信の直販ファンドがメジャーなところですが、新たに競争力のあるバランス型ファンドを設定する投信会社もあるようです。志のある運用会社の健全な競争によって、個人投資家にとってメリットのある選択肢が提供されるようになって欲しいと思っています。
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