直感、元データ、「なぜなぜ5回」で新聞記事の理解度を高めよう
<業務連絡>
NightWalkerさんに日経マネーのご紹介をいただきました。ありがとうございます。
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毎週金曜日はマネックスメールにコラムを掲載しています。先週取りあげたのが、投資信託の手数料についてです(先週のメールは翌週月曜日の午前中に更新されます)。
実は、6月17日の日経新聞には投資信託の手数料が6年連続上昇と書いてありました。
どうもその見出しに違和感があるので、元ネタを調べてみると、数字は間違えでは無いのですが、そこには数字のトリックがあったのです。
一言で言うとこういうことです。
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日本の投資信託の信託報酬は本当に上昇しているのでしょうか?単純平均で
は確かに上昇しています。しかし、残高を加味した加重平均では、逆に2001年
から信託報酬は低下傾向です。(マネックスメール「資産設計への道」より)
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モーニングスターのデータではこうなっています。
(左の数字が単純平均(%)、右の数字が加重平均(%))
1998年 1.11 0.98
1999年 1.12 1.11
2000年 1.21 1.34
2001年 1.28 1.45
2002年 1.30 1.41
2003年 1.32 1.36
2004年 1.30 1.36
2005年 1.30 1.35
2006年 1.31 1.32
2007年 1.30 1.29
2008年 1.32 1.25
単純平均と加重平均が逆の動きになっています。そして、個人投資家全体の手数料負担という観点で見るのであれば加重平均がより事実に近い数字だというのは、誰でもわかることだと思います。つまり「投資信託の手数料が6年連続上昇」というのは、間違えではありませんが、事実を正確に伝えているとも言えないのです。
さらにインデックスファンドだけを取り出すと、手数料の低下傾向は一層強まるのではないでしょうか。ナゼなら加重平均で信託報酬が低下している理由は、高コストのインデックスファンドから低コストのインデックスファンドに世代交代が進んでいることが理由の1つとされているからです。
このようにメディアの情報というのは元のデータが記者さんのフィルターを通して解説されています。常に事実の要約とは限らないのです。
では、どうしたら事実を見る目を持てるのでしょうか。
1つは直感を大切にすることです。感覚的におかしいな、と思うことは何となくそのままにするのではなく、突き詰めてみることです。「どうして?」「ナゼ?」という感覚が無くなったとき思考停止になってしまい事実が見えなくなってしまいます。
そしてもう1つは、おかしいと思ったら、できるだけ元データに当たることです。都合の良い分析データを鵜呑みにするのではなく、元の数字を見ることによってその裏に隠された事実が見えてくるのです。
時間の無い忙しい人であればあるほど、結論だけを求めて、考えることをやめてしまいがちです。某自動車メーカーでは、「なぜなぜ5回」という方法で業務改善を行っている、と聞きました。問題が発生すると、その原因をとことん追究するのに「なぜだ?なぜだ?なぜだ?なぜだ?なぜだ?」と5回繰り返して問題の核心をみつけようとする方法です。
業務改善に限らず、すべてのことに「なぜなぜ5回」を忘れてはならない。自戒を込めてそう思いました。
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