ホワイトカラーの仕事が機械化される時代がやってくる
少し古いデータですが、2002年の調査によれば、大卒の人は高卒の人に比べ生涯賃金が75%多いという結果が出ています。それ以降も、この格差はさらに広がっているようです。しかし、これからも高学歴が高収入を保証するかと言えば、構造的な変化が起こり始めていることに気をつけなければなりません。
イギリスの経済誌「The Economist」のこの記事はホワイトカラーの仕事が、破壊されていく恐怖を教えてくれます。
その理由の1つは大卒の人が世界的に増加して供給過剰になっていることです。特に中国のような新興国が大量の学生を輩出し、彼らが先進国の大卒労働者と競争するようになっているのです。
そしてもう1つが、テクノロジーです。農業が19世紀に経験したような、あるいは工場労働者が20世紀に経験したようなことと同じ事態が知識労働者層にも起ころうとしているのです。
今まではスキルのある人にしかできないと思われていた仕事が、細分化され機械やソフトウェアに代替されることで、誰にでもできるルーティンな仕事に変化していく。そして高度なスキルが必要な仕事のニーズは減っていくのです。
さらに規制緩和も影響します。医者に独占されていた治療や診断の業務が開放されれば、医療のコストは下がりますが、同時に医者の仕事も独占できなくなり収入は低下することになります。
では、このような変化に巻き込まれないようにするには、どうしたらよいのでしょうか?
もし機械がホワイトカラーの仕事に代替していくのだとしたら、機械に代替されない仕事をするようにする必要があります。
例えば、ITの仕事が細分化されて、海外の低コストの開発者に仕事がシフトしていくとしても、システム開発全体を統括する仕事は機械ではできません。また、日本でシステムを開発するのであれば、日本語で対応して日本にいるプロジェクトマネージャーは絶対に必要です。
あるいは、ネット証券の広がりによって、店頭で営業をする証券会社の社員は仕事を失っていくかもしれません。しかし、コンサルティングをしっかりとできるスキルを持った人は、機械に代替されることなく引き続き顧客からの相談にのるという仕事を続けることができます。
仕事で大切なことは、人にはできない価値を提供すること、だと思っていましたが、正確には「人にも機械にも提供できない価値を提供すること」ということのようです。
今は安定した仕事に満足しているという人も、こう自問してみましょう。
「自分の仕事は他の人に出来る仕事ではないか?あるいは、機械化されてしまう可能性は無いのか?」と。
そう考えてみると、仕事を失う恐怖というのはほとんどすべての人に潜在的に存在するものだと言えます。その恐怖感はこれから益々広がっていく。これは、生産性の向上につながり、消費者としては恩恵を受けるのかもしれません。しかし、労働者としては、何とも居心地の悪い時代になったものです。
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イノベーションを起こすアントレプレナーシップの精神を、起業家だけでなく、ホワイトカラーの人達も求められているということではないでしょうか。それが資本主義の本質だと思います。大学で学んだ専門性で一生飯が食える時代などめったにないのですが、それがたまたま20年くらい前まであったということだと思います。