なぜ投資家は同じ過ちを繰り返してしまうのか?
今週のThe Economistに掲載されているこの記事は、ヘッジファンドに対する投資家の過剰な期待を戒める内容です。
「The Hedge Fund Mirage」という本をベースに説明しているのですが、アセットクラスのリターン計測の難しさ、そして投資家の陥りやすい間違えを教えてくれます。
ヘッジファンド業界の2000年前後の頃の平均リターンは、1999年には27%、2002年でも5%ありました。ただ当時はまだ業界全体の規模も小さく、投資対象として注目している人も少なかったのです。その後、年金基金などが運用難からヘッジファンドに資金を投じるようになり業界全体の規模が拡大しました。
ヘッジファンドのリターンの源泉は市場の歪みから得られるアクティブ運用による超過リターンです。規模が大きくなると共に収益機会を見つけるのが困難になります。2008年には、リーマンショックもあって平均のリターンがマイナス23%になりました。損失額で計算すると、それまで10年間にヘッジファンド業界が稼いだリターンを相殺してしまったとされています。
リターンだけで投資判断をすると別の問題もあります。有名なのは「サバイバーシップ・バイアス」。これは生き残っているファンドのリターンだけが計算され、撤退したパフォーマンスの悪いファンドの数字が含まれないことによるバイアスです。
そしてもう1つ指摘されているのが「バックフィル・バイアス」。これは成功したファンドだけが数字の公表を始めることによって生じるバイアスです。
ヘッジファンドに限らず、リターンが良くなるとその資産に資金が集まり、資産規模が大きくなった時にリターンが悪化するという傾向がどの資産でも起こりがちです。このような投資では、平均のリターンはプラスになったとしても、資産は殖えないという結果になってしまいます。
儲かっているものに後追いで資金を投じる方法で過ちを繰り返してしまう投資家。この過ちは、残念ながらこれからも繰り返される可能性が高いのです。
今年一冊目の洋書として「The Hedge Fund Mirage」を読んでみようと思います。
<参考図書>
「The Hedge Fund Mirage」 Simon Lack
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