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タイの首都バンコクから、車で2時間のシラチャに行ってきました。日本の製造業拠点が密集した工業団地があり、日本人駐在員が急増しているエリアです。シラチャでは不動産マーケットに大きな「歪み」が生じています。

写真は、最近完成して入居開始しているシラチャ中心部にあるコンドミニアムの賃料です。ワンベッドと呼ばれる30平方メートルほどの単身者向けの物件の賃料が30000バーツ(100,000円)という高値です。日本人の入居者がほとんどで、ほぼ満室。1つだけ空いているという部屋を見学しましたが、高級コンドミニアムというより、東京の公営住宅のような平均的な造りです。

タイの片田舎にあるこのような物件に高賃料にも関わらず賃貸希望者が殺到しているのは、需給の極端な「歪み」が存在するからです。現時点では、工業団地に大量の日系企業が進出し、駐在員が住むためのシラチャのコンドミニアムの絶対数が不足しています。需給バランスが完全に崩れてしまったのです。今後、工場移転がさらに進めば、この傾向にさらに拍車がかかります。

もちろん、新しい物件の建設も始まっていますから、供給サイドの改善が少しずつ進む可能性もあります。しかし、現在建設されている主要な大型物件は、2016年末に完成する2物件のみ。日本人駐在員の求めるようなグレードの物件は、なかなか増えない状態です。

ちなみに、2016年に完成する新築物件の同じ広さで近隣に建設中のワンベッドルームの販売価格は、日本円で諸経費込みで1200万円弱。今貸し出されている30平方メートルの物件の賃料をそのまま使って計算しても、表面利回りは10%以上になります。将来の需給によって利回りは下がる可能性がありますが、新興国の新築物件ではあまり見かけない高い水準です。

シラチャのJパークという商業施設には、不思議な雰囲気の大きなちょうちんがぶら下がり、リトル東京のような日本人のたまり場になっていました。日本人学校の建設や、バンコクからの高速鉄道の建設計画も予定されており、のんびりとしたこの街の3年後5年後の変貌は、想像を超えたものになる可能性があります。

シラチャの投資魅力については、11月16日の「4ヵ国セミナー」でも、たっぷりご案内する予定です。

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