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東京の都心のマンション価格が上昇し、人気に拍車がかかっています。目黒駅前のタワーマンションは坪単価600万円という高価格にも関わらず、最高倍率43倍で、即日完売。割高な価格に「バブル再来」を警告する人も出てきました。

しかし、グローバルに見ると風景は随分違って見えてきます。グラフは当社が運営するサイト「世界の資産運用ガイド」でも紹介している調査機関の作成したデータですが、東京の高級レジデンスの価格は、先進国の主要都市に比べるとまだ安いことがわかります。

不動産の割高、割安を判断する材料は様々ですが、最も重視すべきなのは収益性だと思います。特にレジデンス物件に関しては、賃貸利回りを比較することで価格の妥当性を検証することができるのです。

東京都心の物件に関して言えば、一部の新築物件は既に利回りが3%程度まで低下しており、投資物件としての魅力は、値上りしなければ正当化できない水準になってきました。一方で、中古市場を探せば、まだ収益性から見ても魅力的な物件を見つけることが可能です。

また、都心中古ワンルームマンションのように、不動産の中では流動性が極めて高く、賃貸付けが容易で空室リスクの低い物件については、投資用に購入するサラリーマン投資家だけではなく、相続対策での購入をするシニア層が市場に流れ込むと予想しています。

このグラフを見ると、新興国の不動産価格に関しては、ホーチミンが東京の8分の1程度、クアラルンプールが3分の1程度と、まだ相対的な割安感があることがわかります。名目価格を為替レートで換算した単純比較なので、他の指標も合わせて確認していくことが必要ですが、どこに投資すべきかのヒントが見えてきます。

資産運用は広く視点を持ち、出来る限り客観的な数値から冷静に判断していくことが成功の確率を高めます。国内の新築マンションの販売に関する報道だけから「バブル再来」と騒いでいる人と、世界を俯瞰(ふかん)して投資対象を吟味する人。どちらを参考にすべきかは明らかです。

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