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マネックス証券の投資信託のサイトを見ていたら「たわらノーロード」という奇妙な名前のファンドを見つけました。新しいインデックスファンドシリーズのブランド名のようです。

年金資金などの機関投資家向けの運用に実績のあるDIAMアセットマネジメントが、インデックスファンドとして、日本と先進国の株式、債券、REITの6本をシリーズとして設定・運用開始しました。ただしこちらはネット証券専用ファンドということで、マネックス証券をはじめとする大手ネット証券3社でしか購入できません。

9月に、このブログに書いたように、資産運用業界でも、かつて吉野家・松屋・すき家の3社が激烈な競争を繰り広げた「牛丼戦争」のようなことが、インデックスファンドマーケットで始まりました。

インデックスファンドシリーズは、先行する老舗、三井住友トラストアセットマネジメントと三菱UFJ国際投信の2社を野村アセット、ニッセイアセット、三井住友アセットといった会社が追いかける展開になっています。そこに、今回「たわらノーロード」シリーズで、DIAMが本格参入したということです。

今後の資産運用業界は、規模を追求して低コストのインデックス運用を主体にする会社と、小規模で適正な資産規模でインデックスを上回るリターンを追求するブティック型の運用会社に2極化していくと予想しています。前者の運用会社として生き残るためには、規模の経済が重要ですから、個人の投資信託の資金だけではなく、機関投資家のインデックス運用業務も手掛けていることが必須になります。

図はDIAMの商品紹介ページから引用した、信託報酬の業界平均と「たわらノーロード」との比較です。このシリーズに限らず、各社のインデックスファンドシリーズのコストは格段に低くなり、運用成果を高めるのに有効であることがわかります。

今回のDIAMのインデックスファンドシリーズへの参入は、野心的な試みだと思いますが、1つだけ理解できないのが「富をコツコツ蓄えるイメージ」から名付けたという「たわらノーロード」という古風な名称です。「自由演技」「毎月サンバ」「ボーン イン ザ USA」などユニークな愛称を生み出してきた同社ですから、深いネーミング戦略が隠されているに違いありません。

信託報酬だけではなく、「隠れコスト」もチェックしながら、この古風で新しい投資信託をウォッチしていきたいと思います。

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