160627seminar

イギリスのEU離脱という国民投票の結果によって、マーケットには当面の間、不安と混沌が広がり続けると予想しています。先週末の日曜日、そして昨日と、2日続けて個人投資家の方にセミナーでお会いする機会がありましたが、これからの資産運用に対する考え方に、今までとは違った微妙な変化を感じました(写真は週末の4か国不動産投資セミナーより)。

まず、個人投資家の日本株に対する関心は、今まで以上に薄れてきています。以前より個別銘柄投資ではなく、インデックスファンドによる低コスト運用を推奨してきました。それでもお会いする人の中には一定数の個別銘柄投資派がいたのですが、そのような方をほとんど見かけなくなりました。日本株投資に対する個人投資家の注目度の低下が、1つ目の変化です。

国内の不動産に対しては、ワンルームマンション投資を始めようと、ようやく動き出した人が増えているように感じる一方で、そろそろ売却のタイミングだと思っている人もいるようです。ここ数年で国内不動産価格が上昇し、割高感を感じている投資家も多いのです。また、円高は海外からの投資が減速するという点でマイナスです。

しかし、金融マーケットが不安定になればなるほど、国内の中古ワンルームのような安定したキャッシュフロー資産の魅力が相対的に高まるのも事実です。また、国内の低金利の継続によって、金融機関は不動産融資に対して積極的で、ファイナンス環境の改善が国内不動産投資を後押ししています。

国内の他の投資に比べて、不動産投資の優位性を感じている投資家は、今も増え続けている印象があります。国内の不動産だけではなく、太陽光発電投資事業のようなインカム型の投資に高い関心があるようです。

海外の不動産に関しては、円高によって円ベースの価格が下がったことで、新たに投資を始めようという人が増えてきています。3年前にも海外不動産投資ブームがあり、マレーシアなどが投資対象として人気でしたが、それに似た状況になってきていると感じます。

フィリピン、ベトナム、イギリス、スリランカなど先進国・新興国問わず、相談や問い合わせが増えています。

このような状況は、私がコンタクトしている100名足らずの個人投資家の方々との、最近のコミュニケーションから感じたことですから、バイアスがかかっている可能性は否定できません。また、私自身の見方にも、先入観が入っていると思います。

とは言え、2016年後半のマーケットに対する投資家の認識は、先週の大きなイベントをきっかけに、年前半とは少し変わっていく可能性があることは、心に留めておくべきだと思いました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。