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4月11日の日本経済新聞朝刊一面トップは、日本の人口減少の記事です(図表も同紙から)。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表した「将来推計人口」によれば、1人の女性が生む子供の数が今と変わらない場合、人口は2053年に1億人を割るという推計結果となりました。

出生率が1.35から1.44に改善したことから、5年前の試算時と比べ、人口が1億人を切る時期は5年遅くなったそうです。それでも、人口減の流れは変わらず、今後数年で出生率が急上昇し、2065年まで1.8を維持しなければ人口は1億人を維持できないという試算ですが、これは現実的には難しいと思います。人口減がこれからも続くことを前提とした社会を受け入れなければなりません。

人口減少自体は大きな問題ではありません。もし人口が減っても、1人あたりのGDPが増えていけば、日本人の生活水準は向上します。国としての規模は小さくても、経済的には豊かな国民になれるのです。

深刻なのは、人口減よりも、並行して進む急速な高齢化です。50年後には日本の人口全体は約3割減の8808万人ですが、15歳から64歳の生産年齢人口は、7728万人から4529万人へと4割減ると予想されています。逆に、65歳以上の高齢者の人口は3387万人から3381万人とほぼ横ばいの予想。その結果として全人口に占める高齢者の割合は26.6%から38.4%に高まるのです。

今の1人あたりの生産性が変わらず生産年齢人口が減れば、日本の1人あたりGDPは低下し、日本人は今より貧しくなっていきます。

そして、多くの人は今よりも長生きするようになります。医療技術の進歩や健康管理によって日本人の平均余命はこれからも長くなっていくと思われます。100歳まで生きることさえ、それほど珍しいことではなくなっていくのです。50歳の人は、残りの人生30年ではなく、50年だと覚悟して人生の後半戦のライフプランを考えていく必要があります。

私が社会人になった30年前は、20代前半で社会人になって60歳で引退。老後は20年程度というのが典型的なパターンでした。しかし、これからは、70歳、80歳まで働くのが常識になっていきます。収入のために引退できず、ずっと会社に行って自分で仕事をしなければならない。年金では十分な収入が得られないなら仕方ありませんが、肉体が衰える中でこれは辛いことです。

このような、いつまでも自分が働き続けて、収入を得るという「一本足打法」でライフスタイルを維持しようというのは、あまりに脆弱なプランです。自分だけではなく、お金に稼いでもらう「仕組み」を自分が元気なうちにしっかり整えておくことが充実したシニアライフには必須になります。

日本の人口減の裏にある超高齢化こそ、個人が考えなければいけない最も深刻な将来問題です。人口減少は多くの日本人にとって他人事ではありません。マクロの数字を眺めている時間があれば、自分は何をすべきか考えて、早く行動すべきでしょう。

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