180831AI

本日の日本経済新聞朝刊記事によれば、日本国内のAI(人工知能)投信のパフォーマンスがインデックスに比べて大きく劣後しているそうです(図表も同紙から)。

専門家は「AI運用とは過去のデータを自ら学習し、人間には発見できない過去の相場つきの特徴や傾向に沿って銘柄を選別する。それが苦戦しているということは、日本株の動き方が過去の経験則通りに動いていないということを示唆している。」と分析しています。

逆に言えば、AIを使った運用は、過去のパターンの分析を人間よりも精緻に行い、そこから人間が気が付かない法則を見出すことができれば、高いパフォーマンスを実現できるということになります。

しかし、いつまでが過去の延長線上の相場で、いつからは過去とは異なる特殊な相場に変わったかは、事後的にしかわかりません。AI投信の運用成績がインデックスを下回ってから、過去の相場とは異なることを知っても、手遅れなのです。

市場での運用はこのように予想できないものを対象にパフォーマンスを競うものです。AIが分析しても、人間(ファンドマネージャー)が分析しても、それは変わりません。

つまり、これと同じことが人間(ファンドマネージャー)が投資判断するファンドでも起こっているということです。

アクティブ運用ですから、インデックスに勝つファンドもあれば負けるファンドもあります。しかし、確率としては負ける可能性の方が高いというのが、過去の実績からの「不都合な真実」です。

AI投信の苦戦は、AI運用の限界を示しているのではありません。アクティブファンドの選択の難しさを浮き彫りにする1つの例に過ぎないのです。

だから、やっぱりアクティブ運用で「消耗」するのは早く止めた方が良い。金融商品との付き合い方には、今までもこれからも変わらないルールがあるのです。

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