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企業が加入者に支払う年金の金額を約束している確定給付型(DB)年金と呼ばれる基金があります。日本経済新聞の報道によれば、格付投資情報センター(R&I)が100の基金のデータを集計したところ、国内株式の比率は9.7%と10年間でほぼ半分に減ったことがわかりました(図表も同紙から)。

別の調査によれば、2018年度の年金基金の平均運用利回り(実績)は1.4%だったというデータもあります。リスクの高い国内株式投資の比率を下げると、今度はリターンが下がってしまう。資産運用のジレンマに陥っていることがわかります。

そこで、株式に代わって長期的に安定した、高利回りを狙うために注目されているのが「代替(オルタナティブ)投資」です。

伝統的な資産運用対象が国内株式・外国株式・国内債券・外国債券という国内外の株式と債券としたとき、その代替として投資される資産という位置づけです。プライベートエクイティ(未上場株)や不動産などが主な投資対象ですが、国内株式よりも比率が高くなってきており、もはや「代替」とは言えないレベルになってきています。

今後も代替投資を増やしたいと考える年金基金は6割に達しているという調査結果もあり、これから年金基金が本格的に資産シフトを始める可能性が高いと考えています。

そんな機関投資家の投資行動の変化に先手を打てるのが個人投資家です。組織の意思決定のように稟議に時間がかかることもなく、自分さえやると決めれば、家族も説得してとっとと始めることができるからです。

米中貿易摩擦によってグローバル経済に暗雲がたちこめると、株式市場は低迷し、債券に資金が流れ一段と金利が下がっていくことになります。そうなれば、代替投資へのニーズはさらに高まり、不動産マーケットなどに資金が流入することでしょう。

国内不動産の賃貸利回りは、都心中古ワンルームでも未だに表面利回りで4%台です。空室リスクが極めて低く、家賃の下落リスクも小さいことを考えれば、運用難の資金にとってはまだまだ魅力的な投資対象だと考えています。

という訳で、私自身も今月もまた国内に不動産物件を購入する予定です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。