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かつては東大を始めとする「一流大学」を卒業し、高学歴な人として仕事をするのが、日本の社会における成功パターンでした。ところが、最近はむしろそんな高学歴な人の方が成功しにくくなってきています。その理由は、世の中にいくつかの変化が起こっているからだと思います。

変化1.産業構造が変わった
経済環境が激しく変わるようになり、企業の寿命が短くなってきています。数年前まで一流企業と言われていた会社が短期間で没落していくことも珍しくありません。企業よりも、そこで働く人たちの寿命の方が長くなっているのです。

その結果、せっかくの高学歴を使って人気企業に入っても、その価値が続かず、むしろ仇になってしまうことすらあり得ます。

例えば、私の知り合いは、東京農大卒という学歴のせいで、銀行や証券会社などの大手金融機関には相手にされず、不動産会社に就職しました。しかし、銀行や証券会社は斜陽産業。一方、彼が就職した会社は破竹の勢いで成長し、彼の年収も金融機関では考えられないレベルになっています。高学歴で一流企業に入っていたら、今頃後悔していたかもしれません。

変化2. ゲームのルールが変わった
変化のスピードが速くなると、過去の経験が役に立たなくなります。また、時間をかけて完璧を目指すよりも、不完全でも良いから取り敢えず始める「走りながら考える」スタイルが優位になります。

ところが高学歴な人たちは、失敗を恐れ、リスクを取りたがらない傾向があります。また、なまじ勉強して知識があるので、過去のパターンから未来を判断してしまうのです。

鉄砲で戦をする時代になったのに、相変わらず槍と刀で勝負しようとしても勝ち目はありません。

変化3. 「成功」の定義が変わった
そもそも「成功」とは何でしょうか。お金が全てとは言いませんが、ビジネスの成功は、収入で数値化するのが、最も客観的です。

東京商工リサーチの調査によると、2018年決算で1億円以上の役員報酬を開示したのは360社で人数は731人だそうです。上場企業でも年収1億円以上は1社に2人くらいしかいないことになります。

実際、私も会社員で年収1億円以上という人に出会ったことは、生命保険の営業をやっている人以外ありません。しかも、彼らは厳密には、いわゆるサラリーをもらう会社員とは言えない実質的な自営業者です。

一方で、企業経営者で年収1億円以上という人は、それほど珍しくありません。そしてそんな起業している人たちの学歴と年収の相関関係は、ほとんどありません。

さらに、仕事ではなく資産運用で数億円単位の収入をコンスタントに得ている人もいます。そうなると、仕事をして自分で稼ぐより、お金が稼いでくれますから、お金だけではなく時間の自由も手に入れられます。その方が同じ収入でも、さらに価値が高いと感じます。

「成功」とは会社で出世することではなく、起業や投資で結果を出すことに変わっているのです。

上記の3つの変化は、これから更に強まると予想します。その変化の中で、自分の人生戦略をしっかり立てておく必要があります。そう考えると、良い大学に入ることは、必ずしも「成功」を約束しないことが理解できるはずです。

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