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日本経済新聞電子版に凄いデータを見つけました(図表)。日本株を投資対象とした国内投資信託の過去10年間のリターンを運用会社別に調べたものです。

それによると、

1.日経平均を上回った運用会社は19社中わずか6社だけ
2.大手の運用会社より、独立系や外資系の方が運用成績が良い傾向がある
3.設定本数が多い会社ほど、運用成績が低迷する傾向がある

という結果が見えてきました。

運用会社数でも3分の1しか平均を上回る投資成果をあげていませんが、本数で見るとさらに日経平均に勝てる確率は低くなっています。なぜなら、運用成績の悪い会社ほどたくさんの本数の投資信託を設定・運用する傾向があるからです。平均すると、独立系は4本、外資系が11本なのに対し、国内大手は42本と独立系の10倍です。

しかし、日経平均を上回る運用成績を出している運用会社もファンドの多くは、レオスの「ひふみ投信」、スパークスの「スパークス・M&S・ジャパン・ファンド」といった中小型株に投資する商品となっています。

厳密にはこれらのファンドは日経平均のような大型株を中心に構成されたインデックスではなく、中小型株のインデックスと比較しなければ、フェアとは言えません。

このデータからわかることは、やはりアクティブ運用で市場平均(インデックス)を上回ることは極めて難しいという現実です。プロが銘柄を厳選して投資をしても半分以上は平均に勝てないのですから、個人投資家のような素人が自分で銘柄選択すれば、更に勝ち目がないのは明らかです。

中には高パフォーマンスの優れた投資信託も存在するのかもしれませんが、それを事前に見い出すのは、値上がりする株を見つけるよりも困難な作業だと思います。

株式のような金融商品は、インデックス運用でコストを抑えることが最高の運用方法。これは、私がマネックスグループで仕事をしていた時からの変わらない基本的な考え方です。

今回のような10年という長期の実証データを見て、それでもアクティブ運用をしたいと思う個人投資家は、果たしているのでしょうか。インデックス運用にすべきだということに、これほど説得力のあるデータは無いと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。