SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

日記 1998年10月

 

1998.10.31.(SAT)


<今日の一言>

昨日は電話回線の不良により更新できませんでした。

今日の一日

最後の週末となった。昨日の夜遅かったので起きたのは9時、窓の外は結構激しく雨が降っている。ホテルでコンチネンタルの朝食を食べてから出かける。

今日は先週偶然ムアゲート駅で会った望月さんの家にお邪魔した。ピカデリーラインのアーノス・グローブ駅までTubeで40分ほどで到着。駅まで迎えに来てもらった。この駅も東京で言えば都下の住宅地という感じである。

1991年の留学終了以降日本でも何回か顔を合わせたこともあったが、ほぼ6年ぶりくらいの再会である。会って見るとお互いの最初の一言は「変わってないねえ。」

ビールを飲みながらかおるさんの手料理を食べる。話題はやっぱり留学当時の思い出話と昨今のロンドンの日本の金融機関の状況といったことである。昔の話をしていると当時の情景が目に浮かんでくる。前にあったときには赤ん坊だったひとみちゃんはもう5才。英語で日記を書いている。読んでもらうと発音がやっぱり完全にイギリス人である。

ロンドンに4年以上住んでいると日本のことが知りたくなるらしくいろいろ質問される。おやじ狩りとか援助交際とか流行っているタレントはといった話題である。吉野家の牛丼に新しい種類ができた、というから何のことかと思えば、「吉牛のつゆだく」という華原朋美の話であった。情報源が週刊誌だとこういうインプットになってしまうようだ。

持っていたVaioを見せると小さいのに驚いたらしく、日本に帰ったらパソコンを買うという。デジカメにも興味を持ったらしく、その後はパソコンとインターネットの話で盛り上がる。

6時過ぎに駅まで送っていただき、サウスケンジントンで下車。7時過ぎにジャンの家に行く。ファヒームとアンドレア達がいた。ファヒームの車でバービカンの北の「Browns」という店に行った。まあどんな店かは敢えて書かないが、イギリス人野郎の生活の一端を知ることができる店であった。何となく退廃的な雰囲気がたまらない。

ジャンとアンドレアはハロウィーンのパーティがあるというので誘われたが、ファヒームと私はどちらかといえばパーティ疲れで余り気が進まない。彼らとは別れて二人で食事にした。

Laforeに行くという手もあったがバービカンにあるインド料理店に入った。ファヒームに言わせるとイギリスのインド料理はほとんどがイギリス人向けにアレンジされており、どこで食べても味はほとんど同じだと言う。Lahoreというのは現地とまったく同じパキスタン料理の店なのだという。確かにどこに行ってもメニュが似ているし、水準は高いのだが味は同じである。

2時間近く話しこんでいると、結構お互いのプライベートも話すようになり、何だか東京で友達と酒を飲んでいるような気分になってきた。考え方が似ているせいか言っている事が良く理解できる。彼もかなり合理的な考え方をする人物である。

ホテルまで送ってもらい12時前には寝る。あと2日である。

 

1998.10.30.(FRI)
<今日の一言>

今日の一日

いよいよ最終日である。ミーティングは日本とのコンファレンスコールが午前中にあり、チームのインフォメーションミーティングで挨拶をして後は特にない。

お昼はマークの仕事のお祝いということで、近くのパブにチームで出かける。ピンクのシャンペンを飲んだりして、例によって立ちながら食べて軽く飲む。1時間ほどでオフィスに戻り、プロジェクトの最終チェックをジョンと行う。金曜日の午後ともなると皆週末モードらしく、何となくダレた雰囲気になっている。

ビールばっかり飲んでいたのでプレゼントといってパブから持ってきたらしい、でかいビールのジョッキをもらう。何となく一仕事終わった達成感がある。

夕方になると次々にメンバーが帰っていく。一人一人にお礼を言いながら握手をしてお別れである。夜はまたジャンの家でパーティーをするというので呼んでもらう。マークとファヒームもジョインすることになったが、みな仕事が終わらないので先に一旦ホテルに戻りスーツを脱いでからオフィスに戻る。

8時前にようやくファヒームと会社を出て、彼のフラットまで一緒に行く。彼も着替えてまた愛車の赤のアルファロメオでパットニーからチェルシーへ向かう。ジャンの家には最初の金曜日に会ったドイツ人のクリスティーナが来ていた。その後ルームメートの会社の同僚でスイス人のドミニークやイタリア人の友達やら10人近くになった。

またまたジャンがパスタを作るサーモンのクリームソースであった。蝶々の形をしたパスタにソースをからめて出来上がり。相変わらずパスタの茹で具合はパーフェクトである。2時間ほどしてから、例のクラブ「The Goat In Boots」へ。1時過ぎにタクシーで帰る。

 

1998.10.29.(THU)

今日の一日

相変わらず6時前になると目が覚めてしまうという状態が続いている。今日はほぼ一日プロジェクトの最終作業である。隣の席のポールはゴルフで休み。ほとんど話もせずに一日仕事に没頭した。

お昼はまたまたコリアンレストランに行った。今度はマーク、ファヒーム、ジャン、トム、ルイというメンバーである。本当は金曜日に行こうと言っていたのだが、明日の昼が駄目になったので今日行くことになったのである。

コリアンというとイギリスでは犬を食べるというイメージがあるらしい。昨日行ったときには犬はメニューにあったか、と真剣に聞かれて困った。トムやルイは余り行きたがっていなかったようだが、ファヒームやジャン、マークは興味深々である。同じヨーロッパ人でも反応は違うものである。

私はプルコギ、ルイはチキン、他のメンバーは石焼ビビンバを注文。石焼ビビンバは中華料理のおこげご飯のようなイメージがあるらしくシズリングな料理と言っていた。箸で混ぜようとしているのでスプーンを使うようすすめた。先に料理が来たチキンプレートをルイが食べようとすると、ファヒームが犬の鳴き真似をしてからかう。ルイは本当に食べるを怖がっているようだった。

ビビンバは概ね好評であった。しかし大受けと言うわけではなかった。日本人の感覚からすればロンドンのコリアンはなかなか良いと思うのだが、彼らには日本食の方が馴染みがあるようである。

昨日昼飯を一緒に食べてこれで当分会えないなあと思っていた前の会社の同僚もまた来ていた。何だかここ数日、知り合いの日本人に良く会う。

プロジェクトもいよいよ完成が見えてきた。ミーティングも少なくなり、日本とのやりとりも少なくなった。大詰めになってきているのが実感できる。ビジネスの出張であり、単純に出張が終わるだけなのだが、何となく寂しい気持ちがするのも事実である。かといって日本に帰りたくないわけでもない。何とも複雑な心境である。

ジャンの家に行くことになったが、時間がどんどんズレて結局10時に行くことになった。ちょっと遅すぎる気もしたが、マークと2人で食事をしてから出かけることにした。資料作りで忙しいらしく8時近くまで残業となった。彼の仕事が終わるまでの間、帰国の準備をしたりして時間を過ごす。

8時前にオフィスを出て2人で出かける。天気は良いが随分寒くなった。彼はコートとマフラーであるが、私はコートなしである。正直言ってちょっと寒いがまあ何とかなる。

マークがガイドブックで探してくれたフレンチに行く。実は一カ月前に彼がフィリピンでやってきたプロジェクトが採用されることが決まり、そのお祝いの意味もあったのである。

SOHOにあるLe Palais Du Jardin(136Long Acre、0171−379−5353)に行く。カジュアルなフレンチレストランであるが、雰囲気はパリに近い。入口のカウンターバーでカンパリを飲んで席が用意されるのを待つ。大きな店であるが席はほぼ埋まっている。景気が良いことを感じる。

店の奥にある2階席に案内された。生がきとレバーのメイン料理を選択した。ワインはサンテミリオンの赤である。イギリスでフレンチを食べたのは初めてである。ヨーロッパに長くいたN証券のTさんによればイギリスのフレンチは不味いらしいが、東京から来た身にすればかなりのレベルである。生がきを食べたのは初めてであるが、日本のものより小ぶりで丸いのだが、味は日本と同じフレッシュで美味しい。

仕事の話、プライベートの話、2時間以上話しこんだ。実は最終日にミーティングをしようと言っていたのだが、店を出るときには必要無いね、という話になった。シリアスな仕事からみの話もあったが大半はNYの思い出や彼女の話である。彼はほぼ同い年であるせいか、生活パターンが似ている。

店からジャンに電話する。10時を少し回ったがパーティをやっているという会場へ2人でキャブで行く。店に入るとジャンの友達のアンドレアがいた。チェルシービーチをいうクラブのようなところである。主催者は先日回転寿司の後で行った店で会った通称「プッシーモンスター」氏である。彼にも挨拶し、ジャンもしばらくすると合流し12時過ぎまで店にいた。踊ったり話こんだりして2時間ほどしてから帰る。今日はまだ木曜日である。

為替

今ポンド円の為替は200円前後である。お金の計算をするときはいつも200円だと思いながら円に換算している。このレートだとほとんどのものは非常に高く感じられる。

ちょっとした昼食が8ポンド。200円で計算すると1600円になる。感覚から言うと1ポンド100円から150円位が妥当な感じである。現地のスタッフの給与水準も正確には知らないし単純に比較はできないが1ポンド150円位で計算するのが妥当な感じがする。

イギリス国内にいる人でポンド建ての給料の人は為替のことなど気にしないようである。彼らは1ポンド100円位の感覚で考えないと何も買えなくなってしまうという。円建てで給料をもらっている人や旅行者にとってはこの物価水準は結構つらいものがある。

社内恋愛

イギリスの会社には社内恋愛はあるのだろうか。国会議員がホモ疑惑で辞任する国だから何でもありではないかと思っていた。酒を飲みながら皆に聞いて見ると少なくとも社内結婚は結構あるようである。

私の隣のポールも社内で知り合って結婚したそうだし(本人には確認していないが)、話しているとあの人もそう、といった具合に結構エラい人まで社内結婚だったりする。といっても私の部署にはそんな雰囲気はない。会社の女性のことが話題になることはほとんどない。

社内結婚は以外に多いことがわかったが、社内恋愛とか不倫なんかはどうなのかはまだ聞けていない。基本的には個人の問題として会社は関知しないのであろうか。

おみやげ

美味しいチョコレートを探していると書いたら、Sさんからメールを頂いた。Leonidas というベルギー産のものがお薦めだということである。NYにも支店があるので、おそらくロンドンにもあるのではないかというのでこれを探してみることにする。もう一つのアイディアとしてチャイナタウンでベルギーやオーストリア産のチョコレートを買うという手も教えていただいた。週末にはチャイナタウンに行くことになりそうなのでその時に覗いてみることにしようと思っている。情報ありがとうございました。

 

1998.10.28.(WED)
<今日の一言>

偶然の出会いの多い一日でした。

今日の一日

6時前に目を覚ます。最近はなぜかモーニングコールの前に起きてしまい、それから寝ることができない。例のおばちゃんのいる店でまた朝食を食べる。顔を覚えられたらしく「Good Morning Sir」が「Good Morning Honey」になった。大げさなおばちゃんである。

仕事は終盤に差し掛かっており、結構プレッシャーがかかる。金曜日までに片付けなければならないので後正味3日である(土日に出社すれば別であるが)。説明のためのミーティングといったものはほとんど無くなり英語でやるのと日本との連絡があること以外は東京にいるのと変わらない。

お昼は月曜日に会った前の会社の同期と会社近くのコリアンレストラン(Young Bean、0171−638−9151)で食事。辛いクッパを食べているとそこにどこかで見た事のある日本人が。前の会社の所属部署の副部長をされていた戸塚さんであった。どこかで時間が取れないかとお誘い頂いたが残念ながら今回はもう週末で帰ってしまう。予定が合わずまた今度ということになった。今度といってもいつになることやら。

食事の後、ムアゲートの駅前のコーヒーショップの外の席でエスプレッソを飲んでいるとまたまた見た顔が歩いている。ボストン留学時代によく遊んでいただいたY銀行の望月さんであった。ロンドンに勤務していることをすっかり忘れていたのでびっくりしてしまった。電話番号を教えてもらい後で連絡することにした。何だかやたらと人に会うことの多い昼食であった。要するにロンドンで金融機関に勤務している人のやっていることなんて誰もそんなに変わらないということである。しかも日本人ともなれば行く店も大体同じである。

午後も時間はどんどん過ぎていく。焦っていると時間が早く経っていくようである。夜の予定も入っているので無駄な時間を過ごさないように集中して仕事に没頭する。

夕方一緒にプロジェクトをやっているジョンと飲みに行く。会社の近くの「Balls Brothers Of London」(0171−248−2708、6−8 Cheapside)というワインバーに行った。スペインの赤ワインを頼む。この店は落ち着いた趣のあるなかなか良い店だった。若者が集まるというより大人がグループで静かに語り合うような感じである。

彼はまだ20代半ばであるが、来年結婚するという。若い割にはしっかりした好青年である。これからの仕事のことやら会社の人の噂話をしていると1時間経った。2人で店を出ていつもの「Fine Line」に行く。

先に飲んでいるファヒームとケビンに合流し今度は4人でビールの立ち飲みである。またベルギーの白ビールを飲む。ジョンと彼らは余り会社では面識が無いらしかったが、酒を飲み始めるといつもの調子でしゃべり出す。

それにしても彼らと飲むといつも何もつまみを食べずにひたすら飲むだけである。ワインもチーズも何も無しで、1時間で二人で1本である。そしてまたつまみ無しで立ちながらビール。そろそろ肝臓を痛めそうである。

ジョンは友達が上京してくるので駅まで迎えに行くと言うので帰って行った。残りの3人でこの前も行った、ファヒームお気に入りのLahore Kebab House(0171−488−2551、2 Umberston St.)へ。また前回同様ナンのような香ばしいパンにチキンカレーやほうれん草のカレーをのせて食べる。ヨーグルトをかけて食べるとマイルドになって味が一層引き立つ。相変わらず美味い店である。東京にはこんな味を出せる店はあるのであろうか。この店の味がロンドンの思い出の味になりそうである。

タクシーでホテルに戻ると10時であった。今日も良く寝られそうである。

 

1998.10.27.(TUE)
<今日の一言>

そろそろ帰ってからのことを考え始める時期になりました。

今日の一日

6時に目を覚ます。やや体がだるい。昨日のドライマティーニのせいか、あるいは風邪の具合なのか。体調は咳は出るもののかなり回復している。薬が効いたようである。

午前中、東京とのカンファレンスコールとマーケティング関係の3人とミーティングをすると昼である。午後からは出張中に仕上げるドキュメントの最終チェックをはじめる。

もう1週間で帰国である。そろそろ帰ってからのことを考え始める。出張費用の精算や会社の人へのおみやげ、などやることは結構ある。最近はEメールが発達したせいで、メールでおみやげのリクエストをしてくるちゃっかり者がいたりする。おいしいミントチョコが好き、などと書いてこられると東京に売っていないものを探さなければならないようなプレッシャーを感じる。(どなたかおいしいチョコご存知ないでしょうか?)

天気は相変わらず変わりやすい。最近は昼から午後にかけて雨が降ることが多いようである。今日も朝は比較的暖かく晴れていたのに昼過ぎからぱらぱらと降ってきた。

時間が段々少なくなっていくのを感じる。夜の予定も埋まっていって毎晩飲みに行くことになりそうである。夕方ジャンが寿司を食べたいというのでファヒームとマークの4人でサウスケンジントンのTSU(0171−584−5522)という寿司屋に行くことになった。といっても回転すしである。

ファヒームはツナとサーモンと野菜しか食べられないというので心配であったが、取り敢えず4人で出かける。途中でジャンの友人のイタリア人が2人ジョインして全部で6人になった。

クルクル回っているのは同じだが回っているのは寿司だけではない。ベトナム春巻きやらそばの上にチキンを乗せた国籍不明料理だのいろいろ回っている。彼らは席につくと早速食べ始める。やっぱり自分で見て選んで食べるというのは面白いらしく子供のようにはしゃいでいる。

さすがにNYにいたマークは食べ方を良く知っているが、ジャンは滅茶苦茶である。わさびをつけてしょうゆにどっぷりとつけて食べている。とにかく正統派の寿司を食べたいというので、マグロ、サーモン、白身といった普通の握りを一通り食べさせ、最後にいくらにチャレンジとなった。やはり気持ちが悪いらしく食べるには食べていたがあまり好きでは無いようであった。

味は決して悪くないが、日本の回転すしに比べると値段がべらぼうに高い。一番安い皿でも3ポンド近くする。金色の一番高い皿は4ポンド近い。6皿で飲み物を入れると30ポンドを超えてしまった。

その後近くにあるThe Collection(0171−225−1212)というバーに行って、カクテルを飲みながら話しこむ。ここはかつて教会か何かだった建物をバーに改造したらしく、天井が高くて壁がレンガ造りで西麻布あたりにありそうな店である。とにかくどこの国でも男が集まると話すことは同じである。話題は女の子である。時々というかかなりの部分何を話しているのか分からなかったが何となく雰囲気で笑えるものである。しかしやっぱり日本人より感情表現がストレートで面白い。

ジャンはこの店にも知り合いの友達がいて、抱き合ったりして大騒ぎである。フィンランド、エチオピア、といった国際色豊かな人脈。まさにパーティーアニマルである。10時過ぎにTubeで帰る。何だか知らないが楽しい一日を過ごせた。

ステレオタイプ

イタリア人はいい加減で女好き、ドイツ人は勤勉、イギリス人は暗い、こんな一般化したものの見方をステレオタイプという。

会社にVaioを持っていくと最初のころは皆珍しがって見に来たものである。「日本人がロンドンに来る度に、持ってくるパソコンがどんどん小さくなっていく」という人もいた。ほとんど全員が「ジャパニーズテクノロジー」といって納得している。日本は相変わらずテクノロジーの国だと思われているようである。

オフィスにしばらくいて帰りにビールを飲んだりしていると、イギリス人が暗いといったステレオタイプが間違いであることに気がつく。イギリス人でもとにかく早口でしゃべりまくる陽気な奴から、ビールを飲んでいてもニコニコしながら人の話をずっと聞いているようなまで様々である。そのうちにそれぞれの個性が段々わかってくると、こいつは日本の大学の同級の○○に似てるな、とか会社の○○さんみたいな人だな、と日本人の知り合いに重ね合わせていたりする。人間国籍が違ってもそんなに変わらないものである。

名前

ここはロンドンであるから基本的に会社ではお互いをファーストネームで呼び合う。しかし私は日本人なので名字プラスさん付けでよばれていた。

しかししばらくすると何人かの人から名字プラスさんで呼んだらいいのかそれともファーストネームで呼んだらいいのかと聞かれるようになった。ファーストネームで呼んでくれと言うとわかったとは言うものの納得できないようである。

日本のオフィスではどうしているのか、と聞かれるから日本人同士では名字プラスさん付け、外国人はファーストネームというと余計に混乱するようである。日本とコンファレンスコールをすると日本人同士がさん付けなので彼らもそれに従う方が正しいのだと思っているようだ。

しかし良く考えてみると日本人同士はさん付けで外国人はファーストネームと使い分けるのは彼らからしてみれば日本人同士と彼らの間に溝を感じさせているような気もしてくる。

仲良しのジャンやファヒームは会社では名字プラスさん、プライベートではファーストネームと使い分けて私を呼ぶようになった。これも何だか変な使い分けであるが、彼らなりに考えた末の妥協案なのだろう。

 

1998.10.26.(MON)
<今日の一言>

今日の一日

薬を飲んでぐっすり寝たせいか、気分爽快である。天気も風のない穏やかな初冬の朝の雰囲気で気が滅入らない。いよいよ最後の週になった。

イギリスに行って食事の話ばかり書いているという、同じ会社のNさんからの指摘があったが、引き続き食べ物の話ばかりである。朝食は昨日も行った、バービカンにあるRegis Grillというあのおばちゃんのいる店である。相変わらずパキパキと客をさばいている。

イングリッシュブレックファストというのを初めてトライしてみた。ソーセージにベーコン目玉焼き、そしてスライスした焼きトマト、トーストにミルク入りコーヒーである。ソーセージはイギリスのはぶよぶよしていると聞いていたが、思ったほどではない。しかし味は昔学校の給食で出た魚肉ソーセージに皮だけ本物のソーセージにしたような感じである。ベーコンは日本のに比べると厚い。そして塩辛い。目玉焼きは両面焼きである。トーストにはバターがたっぷり。焼き目はついているがカリッとはいかない。余りの量に残してしまった。いずれにせよこれを毎日食べるとかなり太りそうである。

午前中は資料作成とロンドンで使っているポジション管理システムの説明。そして日本の顧客担当になったマークと今後の連絡体制やポジション管理について打ち合わせである。お昼は私の世話役をしてくれているポールが日本食を食べようと言い出し、またまたNotoに繰り出すがあいにく満席であった。

結局またあのピザエクスプレスに行くことになった。ロンドンに来てもう3回目である。ポール、リチャード、ルイ、ジャン、そしてマークの6人。さんざん食べて帰ってくると2時前。しかしここのピザははっきりいって美味しくない。アメリカの屋台で売っているようなピザである。しかしイタリア人のジャンに聞くとうまくもないが不味くもないという。彼はナポリの出身であるが、イタリアでも地域によってピザの好みにも差があるようである。私には彼がここのピザを普通に食べているのがどうしても信じられない。あのカルボナーラとサーモンマリネを作る味覚とこのピザがつながらないのだ。

話が魚の話になった。日本では毒を持っている魚を食べるのかと聞くのでふぐのことを話した。毒に当たると死ぬのに何で食べるんだ、と聞くから美味しいからだと答えた。するとどんな味だ、と聞く。味は微妙なもの(Subtle)でどちらかといえば歯ごたえ(Texture)を楽しむものだ、というと納得しない。そんな大して食べる価値が無さそうなものに何で毒で死ぬようなリスクを取るのかというのである。しかも値段を聞かれたので高いのは100ポンド以上というとさらに理解できないという話になった。

そのうちに今度は話がふかひれになった。テレビのフィルムで日本の漁師が生きたサメのヒレだけを切り取り生きているまま海に戻しているのを見たがあれはひどいと非難された。ふかひれは美味いという奴もいたが、概ねイギリス人は動物虐待に批判的である。我々日本人は今でもクジラを食べている、実は俺の大好物はクジラの竜田揚げだ、と言おうかと思ったが口をきいてもらえなくなるとまずいので黙っておいた。

夕方、ロンドン到着当初に会った前の会社の同期と飲みに行くことにした。ムアゲート駅で待ち合わせてハイドパークコーナーのThe Lanesborough Hotelにある「The Library Bar」(0171−259−5599)に行く。ここはこじんまりとした高級ホテルでバーは図書館をイメージした造りで天井が高く落ち着ける。今回の旅行で最も高級な雰囲気である。まあフォーシーズンズとパークハイアットを足してこじんまりと凝縮したような雰囲気である。

ビールを飲んでから、ロンドンで一番うまいと言うドライマティーニを試してみた。超ドライにして欲しいとリクエストしたらバカラのようなクリスタルにキーンと冷えたマティーニが運ばれてきた。

一口飲むとキリッとした透明感のある味が広がる。東京でもこれほどの味はなかなか無いのではないかと思うくらいのクオリティである。東京のバーと違って量が多い。しかしあまりのうまさにお代わりしてしまった。これは効いた。雰囲気も味も最高のバーである。帰国前にもう一度来てみたいものである。

ヨーロッパに来て思うのはやはりここはカップル文化の土地柄だということだ。一人旅や相手のいない人にとってこの街は冷たく感じられるのではないだろうか。カップルであればレストランに行っても、バーに行っても、コンサートを楽しんでも十分満足できる場所がある。しかし一人でそう言う場所に行っても恐らくそれほど楽しめないのではないだろうか。

バーの後は食事である。チャイナタウンにタクシーで行き、「Hong Kong Restaurant」(0171−287−0324)でラーメンを食べる。ワンタン入りで温まった。ホテルに戻ると倒れこむように寝てしまった。

ブルームバーグが一番

海外に来て思うのはブルームバーグの使い勝手の良さである。とにかく情報伝達が速い。といってもニュースではなくメールのやりとりであるが。世界どこにいても画面さえ見ていればどんどん通信で情報のやりとりが可能である。

電話であれば電話番号を回し、名を名乗りダイレクトにつながらなければメッセージを残すといった方法になる。大した用事でもないのに電話をするのは何となく気が引けるし、今日暇?といった誘いはなかなかやりにくいものである。そもそも電話番号の場合、番号を知らなければ話にならない。例えばロンドンに来てからロンドンにいる人を思い出して会いたいと思っても電話番号をしらべなければつかまらない。会社名や部署名を正確に覚えていなければ難しいことである。

ブルームバーグには名前の検索機能がある。金融機関に勤務しているマーケット関係者ならほとんどが登録されているので、会社が変わってもアドレスを簡単に検索できる。特にここ最近は日本人と言えども転職者が多く、この機能で人を探せるのは大変助かる。

ブルームバーグの欠点は金融関係者以外には通用しないことである。そしてもう一つは日本語機能の弱さ。結局日本人同士でも英語で書くか、ローマ字で送るかになってしまう。ローマ字で送るのも面白いといえなくもないが、まあ漢字が使えるほうがありがたい。そんな欠点を気にさせないほどこの機械は便利である。

この機械を通信端末として使うなら一人一台にしなければその威力を実感できない。金融機関勤務の人でも端末を何人かで共有している場合がある。そうするといちいちログインをやり直して自分のメールの確認をするということになる。一人一台であればパソコンで仕事をしていてもスクリーンの端にメールが入ってくると送信者の名前が表示される。共有の場合このスピード感は実感できない。

とにかく留学時代の友人とも前の会社の同期ともブルームバーグですべて連絡をとることができた。

 

1998.10.25.(SUN)
<今日の一言>

いよいよ今日から冬時間です。ということで東京との時差は9時間になります。現地の人は間違えたりしないのでしょうか。

今日の一日

朝の9時に目を覚ます。昨日のタクシー待ちで体が冷えたせいか、喉が痛い。いよいよ風邪をひいてしまったか。といっても熱があるわけでもなく、体がだるいというわけではない。部屋でコーヒーを沸かし(お湯を沸かすという技術を金曜深夜に取得した。)、11時過ぎに出かける。といってもまずはオフィスに、である。昨日も会社に行ったがITのテストとやらで電源が何回も切れて、その度毎にパソコンにログインするという状況で仕事にならなかった。今日はじっくりと集中して進めることができた。

お昼も随分回って少しお腹も空いてきた。天気は気温が随分下がってきたが、時々晴れ間のさす良い秋の一日といった感じである。せっかくなので昨日も行ったチェルシーに出かけてみることにする。

バービカンからサークルラインに乗りスローンスクエア駅で降りる。サークルラインとは山手線のようなロンドンの環状線である。、King’s St.を歩くがここは東京で言えば代官山のような雰囲気であろうか。お洒落な店がたくさん並んでいる。といっても大きな店は少なく、チェーン店もあるが、ここにしか無さそうなユニークな店も多い。

まず薬局で風邪薬を買ってその場で水をもらって飲む。体がだるいわけではないのだが早めに手当てをしておくことにする。

駅から10分ほど歩いたところにあるチキンの美味しい店「Rotisserie Jules」(0171−221−3331)に入る。ここはジャンの家から歩いていけるところにあり、彼が安くて美味しいと薦めてくれた店である。丸焼きのチキンが機械で良い具合に焼けて出される。サービスはいたって簡素。まあ一応席までは料理を運んでくれるが。

チキン4分の1ピースとラタテュイユ、シーザーサラダそして赤ワインを久しぶりに飲む。チキンはケンタッキーハーベストのゴールドチキンの方が上であろうか。ただラタテュイユは日本のとは違いズッキーニ、ナス、トマトソースが絶妙で美味しかった。シーザーサラダは野菜にチーズとドレッシングをかけただけ。これはいただけない味だった。

値段を考えればこんなものであろうか。店を出るとあとは街並みを見ながらブラブラする。途中で晴れているのに雨が降ってきた。と思って空を見上げると虹である。

一旦スローンスクエア駅に戻りTubeに乗ってナイツブリッジで下車。ハロッズのある駅である。しかし日曜日は休み。ここからピカデリーまで歩いてみることにする。途中高級ホテル街があったり、両側に公園が見えたりとロンドンののんびりとした由緒ある地域をゆっくり歩くことができた。東京で言えば日比谷公園、それとも新宿御苑であろうか。

途中で一休みしたくなり雰囲気の良さそうなティールームを見つけたので入ってみた。Richoux(172 Piccadilly W1,0171−493−2204)と言う店はガイドブックで見ると結構有名なティールームらしい。ロンドンに支店が4つあり、伝統的なお茶を飲めるとある。しかし出てきたアールグレーはティーバッグだし、ポットのお茶はすぐにぬるくて苦くなってしまう。スコーンも頼んでみたが、ぱっとしない味だった。ただ1人前で4個も出てきて食べきれなかった。ただし1時間以上もいてパソコンやったり手帳を整理したりしていたのに嫌な顔もせずゆっくりくつろがせてくれた。

7時に中華街へ昨日クラブライフを一緒に堪能した2人組の日本人の女の子とチャイナタウンで食事。ウォン・ケイ(41−43 Wardour St.、437−3071)という店に入る。ビールと牡蠣のジンジャーソース、いかのブラックビーンソースだのを数品頼んだが、量が多く食べきれない。チャイナタウンの中でもここは最も安い部類の店ではないだろうか。お酒はカールスバーグの缶ビール。チンタオビールもラオチュウも無い。Tubeでホテルに戻ると10時。早めに寝ることにする。

 

1998.10.24.(SAT)
<今日の一言>

3カ国語話す人はトリリンガル、2カ国語ならバイリンガル、1カ国語だけの人は?ブリティッシュというそうです。

今日の一日

気分がイマイチすぐれない。少し風邪気味のせいか鼻水が出る。バービカンの食堂で朝飯を食べる。ここは前にも一度買った事があるが、美味しくない。でもおじいちゃんとおばあちゃんが夫婦でやっていて、接客担当のおばあちゃんのチャキチャキした応対がなぜか面白くてついまた入ってしまった。今日食べたチキンサンドも相変わらず不味かった。しかし期待通り不味いと何故かうれしくなってしまうから変な魅力のある不思議な店である。客層は学生と工事のおじさん達。ガラは良くないがこういった店が私のお気に入りである。

会社に昼前に入る。誰もいないかと思えば掃除の人がたくさんいてクリーニングしている。火曜日に完成させなければならないプロジェクトの資料を作るのであるが、掃除機の音やらITのシステムメンテナンスで電源が切れたりで全然集中できない。

昨日早退したファヒームの家に電話をすると、声はまだ風邪っぽかったが具合はいいという。2時過ぎに会社に来るというので仕事をしながら待つことにする。

2時前にファヒームはやってきた。まだ少し喉が痛そうで声が枯れている。昼を食べようと言うのでマクドナルドのデリバリーに電話をするが土曜日はやっていない。この辺の店はマクドだろうが何だろうかようはすべて閉まっているのである。仕方が無いのでしばらく仕事をしてからどこかに食べに行くことにする。

4時近くになって、オフィスを出る。彼の車は赤のアルファロメオ。ナンバープレートがFAHIMと自分の名前である。プレミアムを払ってナンバーを取ったとか。かなりの車好きでのようである。チェルシーというロンドンの南西の地区まで行き、路上駐車。チェルシーは外国人の金持ちが住んでいる街のようで東京で言えば広尾とか表参道といったノリであろうか。Conranのようなインテリアやアンティーク、といったセンスの良い高そうな店がたくさんある。エドというハンバーガーショップに入る。六本木のジョニーロケッツのようなプレミアムハンバーガーの店で、アメリカの50年代の内装の店。ホットドッグとシェーキ、オニオンリング、スパイシーポテトを注文。遅い昼食ではあったがすっかり満腹になった。

急に雨が強く降りはじめたのでずぶ濡れになりながら車に戻る。服を乾かすために彼のフラットに行くことになった。パットニーというチェルシーの川向こうにある街に住んでいる。東京で言えば中目黒みたいな感じになるのだろうか。7時ごろまでテレビを見たりしていた。

同じ会社の人事部の女の子が友達と夕方ロンドンに来ると言うので皆で会おうということになった。到着したと電話が来たので彼女達が泊まっているラッセルホテルに行ってピックアップ。ファヒームの友達のバースデイパーティという会場に一緒に行く。今日はタイ、イスラエル、イギリス、日本の混成である。まあパーティといってもPitcher&Pianoというパブで立ち飲み。皆でビールを飲んでしゃべる。

ファヒームが風邪が完治していないので早く帰るというので、我々日本人3人も彼らと別れて店を出る。彼女達が知っていると言うチャリングクロスにあるヴァージンGが経営しているというクラブ「Heaven」に行ってみる。入場料10ポンド、クローク1アイテム1ポンド、飲み物は中で別に注文というシステム。飲み物のカウンターの男性は全員アンダーウエアに上半身裸である。怪しげ。といっても危険な感じはない。

我々が到着した11時過ぎでは人はまだまばら。それが12時を回るとどんどん人が急に増え始め、フロアに人が溢れる。ここはいわゆるゲイの人が多いらしく、上半身裸で男同士で踊っているのが多い。男女比でいえば男性が7割くらいだろうか。といっても日本のディスコのようにナンパしに来るような場所ではないようだ。むしろ男同士の愛を深め合う場所のように見える。盛り上がってくるとお立ち台で抱き合いながらキスしている裸の男のカップルが結構いる。倒錯の世界である。

店を出ると1時過ぎ。帰りのタクシーを駅で待つがこれがまったく来ない。シロタクは声を掛けてくるが無視してようやく30分以上まって車を捕まえる。ホテルに戻ったのは2時を回っていた。凍えた体を温めるためにチャリングクロスのコンビニで買ったカップヌードルをお湯を沸かして食べる。カップヌードルがこれほどありがたい食べ物だと思ったのはこれがはじめてである。

 

1998.10.23.(FRI)
<今日の一言>

日本食比率が高まってきました。別にそんなに恋しいわけではないのですが。

今日の一日

昨晩は9時に寝たのに6時まで寝てもまだ眠い。やはり時差の違いとホテル暮らしにすこし疲労が溜まってきたのであろうか。

会社では相変わらず仕事をしている。周りに日本人がいない以外は東京にいるのと変わらない感じである。昼は一人でNOTO(256−9433)というシティにある日本食店に行ってみた。会社の地下にサンドイッチを買いに行こうとしたら途中で何だか急に味噌ラーメンが食べたくなったからである。

NOTOはカジュアルな日本食レストランでラーメンからカレー、定食といったものがメニュの中心である。味噌ラーメンは麺がちょっと伸びていたし、スープも塩辛かったが、昔食べたNYのどさん子のまずさに比べればはるかにまし。まあこんなもんだろうと納得できる味であった。味噌ラーメンが6ポンド。ちなみにうな丼は7ポンドだった。うな丼が割安な気もしたが、作っているのを見ればレトルトうなぎである。

シティにもう一軒Ramen House Noto(329−8056)と言うのもあり、こちらは味も違うのかもしれない。

食事から戻ってくるとジャンがイタリアンコーヒーを飲みに行こうと誘ってくれた。Costaというフランチャイズのコーヒーショップであるが、働いている人はイタリア系が多いらしい。20分ほど話をしてから仕事に戻る。彼は店員にイタリア語で注文していた。かと思えばウエイトレスの女の子には今度はフランス語でしゃべっている。彼はトリリンガルなのである。聞いてみるとイタリア語とフランス語スペイン語はゆっくり話せばお互いに理解できるという。

週末飲みに行くはずだったファヒームが風邪でダウンして午前中で帰ってしまった。もう一人の仲良しジャンは週末彼女に会うためにジェノバに帰ってしまった。ということで今日もホテルに早めに帰ることにした。

と思ったら、やっぱり会社のチームで飲みに行った。本当にパブが好きである。といってもイギリス風の暗くて天井の高い店ではない。NYにあるような「Fine Line」とかいう明るいワインバーのような店である。

総勢7人で例によって立ちのみである。ポールの大学の先輩とかいうギネスに勤務しているギャリーも参加して馬鹿話をしている。ギネスに勤務しているのにベルギービールを飲んでいた。私もベルギービールを飲むことにする。酸味の利いた飲みやすい味で思わず大ジョッキに3杯飲んでしまった。

店を出ると7時前である。帰り道にあるインド料理店に一人で入りチキンカレーとビリヤーニを食べる。今日は(というか今日もまたというか)随分酔っ払った。

ベッド

ホテルのベッドの寝心地がどうもよくない。マットのスプリングが壊れているのか最初からそうなのかわからないが、とにかく柔らかすぎる。寝ると体が大きく沈みマットに包まれるようになってしまうのである。毎日寝つきが悪いのはそのせいなのだろう。

何とか解決方法は無いかと考え、マットをはずしてベッドの土台に直接シーツを敷いて寝てみたら、これが硬くて丁度良い感じである。マットを壁に立てかけて低くなったベッドで寝てみるとやはり快適であった。

ハウスキーピングの人にマット運び出してもらうようにお願いすることにした。

コミュニケイション

会社では昼食はほとんどの人が地下のデリのようなコーナーでサンドイッチやバナナやりんごを持ってきて机で食べている。外で食べることも余り無い。

夕方もビールを飲むことはあっても妻帯者はほとんど家で食事をするようだし、独身者も毎日外食というわけではないようである。ということで夕食の予定が無い日は皆でビールを飲んだ後一人で食事をする。ホテルの近くの中華を食べることが多い。もう3回も行ってしまった。注文もいつも一緒である。ホットアンドサワースープとチキンのブラックビーンソースである。

いつも注文を取ってくれる店のオーナーの奥さんから遂に顔を覚えられたらしく、注文する前に向こうから「Hot&Sour Soup?」と聞かれてしまった。「Yes!」と答えると笑いながら注文をとってくれた。ホテルにいるというと、ビジネスか、と聞かれる。来週末までいるからまた来るね、と答えておいた。

こんな些細なコミュニケイションでもうれしかったりするものである。

キャッシュショート

現金の手持ちが少ないことを書いたら、Nさんから海外でのキャッシングについてのアドヴァイスを親切に教えていただいた。

私も以前(93−94年)にロンドンにいたことがあり、毎日楽しく日記を読まさせて頂いています。

10月18日の日記に出てくるGolders Green駅の近くのフラットにその頃住んでおり、裏庭をNorthern Lineが地響き(スキ−バッグを引きずるような音を立てて)を立てて通っていたことを覚えています。

さて、10月19日の日記でキャッシュの不足を嘆いておられますがクレジットカ−ドをお持ちなら、キャッシングという手があります。金利は高いのであまりお薦めは出来ず、最後の手段ですが、お持ちのクレジットカード(おそらくVISAかマスター?)の表か裏に”PLUS”という文字が入っていれば、ロンドンの街角にいっぱいあるATM(ATMの表面にPLUSのラベルが貼られているもの)で通常、キャッシュカ−ドで現金を引き出すのと同じように引き出せます。(操作方法はATMが表示する指示に従ってください)(ただ20%くらい金利を取られるのではないでしょうか?)

あるいはVISA,JCBのロンドン事務所に電話すれば何らかのアドバイスを頂けると思います。お持ちのカードがAMEXなら(AMEXは英国ではあまり使い勝手がよくありませんが)、AMEXのLN DESKになります。

ちょっとおせっかいかもしれませんが、ご参考までに

つけくわえると、この種のキャッシングの上限はカ−ドの種類にもよりますが、1ヶ月1000〜1500ポンドが上限のようです。なお、どの銀行のATMでもPLUSの表示さえあれば使用可能です。ロンドンは24時間ATMが使用可能ですが、よく現金切れをおこして”他のATMへ行って下さい”との表示が出ていることがよくあります。

キャッシュについては今週は極力カードで支払い、あと1週間何とか今の残金で生活できそうである。それにしても今回の件は間抜けな話で自分でも情けない失敗だった。万が一現金が必要となればNさんのアドヴァイスにしたがってキャッシングにトライである。

ロンドン情報

出張にきて早2週間ロンドンのことを見たまま思ったまま書いている。やはり昔いらしたかたや最近行かれた方は懐かしく思ったりするようでいろいろ情報をいただいた。せっかくなのでご紹介させていただくことにする。

最初はキャッシングのことを丁寧に教えていただいたNさんである。

10月18日の日記で一戸建や家賃の高さに驚いておられましたが日本人から見ると為替のなせる部分も結構大きいと思います。(1ポンド=130〜150円の超円高の時と現在のように 1ポンド=200円台とは受ける印象が違うと思います)ポンド経済で生きている方々の印象はまた別ではないかと思います。(このあたりは同僚の方に聞いてみれば、また面白いかと)

市の中心部の家賃の高さはどの国も変わらないと思いますが郊外は、それほどでもないと思います。まあ、好景気で家賃が上がっているのは事実なのでフラットシェアリングや夫婦共働きで生活防衛しているのでしょう。(金のない学生などは特にそうです、日本と違って学生は”貧乏”という イメージがあるようです、ある留学生が物乞いに”金をくれないか”と 言われた時に”私は学生なんだけど”と言うと”Sorry”と言って去って行ったという実話があります。)

ロンドン中心部はさておき、中流階級(こういう言い方は適当かどうか?)は郊外に住んでいることが多く、ロンドン市内は40%以上が外国人という調査も出ています。

ロンドンで外国人が住む地域はかなり明確に分かれておりGolders Greenは別名JJタウンと呼ばれユダヤ人と日本人が多く(日本人が多いのは、昔カムデンタウンに日本人学校があったためとか)現在、日本人は日本人学校のあるロンドン西部にも多く住んでいます。

ドイツ人が多い街、イタリア人が多い街、黒人が多い街、インド人が多い街華僑が多い街とある程度住み分け(なのでしょうかね?)がなされています。

郊外(Golders GreenやHamstedあたり)なら、不動産屋の店頭広告を覗いていただければおわかりかと思いますが、1戸建やフラットで10万ポンド程度、アメリカ同様、家に手を加えて高く売る方も結構おられます。

タクシ−(いわゆるブラックキャブ)の運転手の年収が2万ポンド程度夫婦共稼ぎも多く、市内は無理でも郊外ならローンを組んで購入が可能です。

話は変わりますが、そういえばロンドンのタクシ−は日本と異なり長距離を嫌がります。車内の料金表には6マイル以内ヒースロー空港からの往復は12マイル(20マイル?)以内は乗車拒否してはいけないと規定されているようです。(自宅に帰る途中は別のようです)

Golders Greenは私の知っている日本人のほとんどが住んでいる。金融関係者にとっては朝が早いとちょっと遠いと文句を言っている人もいるが、シティまで30分ほどなら悪くはないのではないだろうか。しかし不動産屋さんの広告を見ると東京の郊外と値段はそんなに変わらない感じである。むしろ古い分だけ高いように感じるのだが。

次はKさん。

こんにちわ。LDNにいらっしゃるのですね。私は昨日まで大陸の方にいました。

ところで、LDNにいらっしゃるのであれば、是非、リバプールストリート駅近く(駅に隣接したガレリアの中)の「辰そう」という日本食レストランの寿司カウンターをお試し下さい。LDNの日本食の中では数少ない(唯一?)ミシュランの星持ちです。それよりもなによりも、職人の早乙女さんの握る寿司の出来がすばらしい。早乙女さんは銀座久兵衛で修行をされた方ですが、私は久兵衛の店主よりも彼の方が握りの技術はすばらしいと確信しています。値段は非常に張りますが、英国留学中はしばしばLDNに繰り出して散財したものです。

ロンドンの超一流のすしとはどんなものなのか。お金があれば行ってみたいものである。

 

1998.10.22.(THU)
<今日の一言>

会社のカフェテリアに初めて行ってみました。まさに日本の社員食堂そのものです。

今日の一日

相変わらずの曇り空ではあるが、雨は降っていない。コートを着ている人が随分増えたように思うが、別に無くても寒いと言うほどでもない。こちらではコートを雨よけの為に着ているようである。

仕事は例の如しである。時間が刻々と過ぎていく。最初に心配したような、何もすることのない手持ち無沙汰状態にはならないのは良いことであるが、もう少し余裕も欲しかったりする。

昼は皆で会社のカフェテリアに行く。プレートを持って並んで、好きなメニュを好きなだけ食べる。チキンのハニーソースというのと付け合せの野菜にパン、スープそして青りんごと食べた。チキンの味はなかなか良い。「美味しい」というと皆から怪訝な顔をされた。

昨日の夕食のインパクトが強すぎたせいか、どうもお腹の具合が良くない。午後もミーティングが続くので今日は早く帰ることにした。6時過ぎから5人でパブで軽くビールを一杯だけ飲んで別れる。会社帰りにパブに寄っていくのは日本の女の子が会社の帰りにお茶してかえるのと同じノリなのではないだろうか。途中で参加しても途中で帰っても勝手気ままに参加できるのがいいところである。問題は込んでいるパブでは声が聞き取りにくくただでさえ何はなしているのかわからないのがもっと分からなくなることである。

イギリス式

アメリカに10年前にたかが2年いた時の経験と比べるのは無理があるかもしれないが、当時のアメリカと今のイギリスを比べるといろいろ違いがあって面白い。

まず言葉使いの違いがある。オフィスは1階なのだが、これは日本の2階になる。1階のことはGフロアというのである。そして出口はWayOutという。アメリカならExitであろうか。何かに同意するとき、つい「Sure」と言ってしまうが、イギリスでは「Certainly」と言うことが多い。男の人を「Gentleman」と呼ぶのも良く聞く言葉であるがアメリカではほとんど聞かなかった。地下鉄はTubeだし、タクシーはイエローキャブではなくブラックキャブである。

トイレの形も違う。アメリカはとにかく大きい。そして扉の下はあいていて足が見えるようになっている。これは犯罪防止のためだと言うが、理由は良くわからない。ロンドンではトイレが小さいのに驚く。イギリスのトイレはどちらかといえば日本のトイレに近いであろうか。

食べながら仕事をするのは英米共通だし、今の会社の東京オフィスでも皆コーヒーやらモノを食べながら仕事をしている。しかしロンドンオフィスでは大きな会議になると全員がジャケットを着て出席する。上着を着ると言うのが礼儀になっているのだろうか。足を机にのせてモノを食べながら人と話をするのと上着を着ないで会議にでるのは、ロンドンでは後者の方が失礼ということのようである。

 

1998.10.21.(WED)
<今日の一言>

Loosとはトイレのスラングとは知りませんでした。

今日の一日

昨日のお酒が残っているので少し辛い。窓の外は雨である。何となく暗い気持ちになる。昨日に続いてホテルで朝食をとっていると、小雨というか霧雨になってきた。会社に8時には入る。

8時半から東京とカンファレンスコールである。その後9時からミーティング、資料を作って11時からもう一つミーティングでもうお昼である。

昼はディレクター3人と日本食を食べに行くことにした。ディレクターといっても歳はそんなに変わらない。最初はラーメンを食べるはずだったのが、結局「英国閣」という鉄板焼きの店に行くことになった。ビールと日本酒を飲んで話は盛り上がる。といってもほんの軽く飲んだだけではあるが。イギリス人の日本に対する本当の興味というのが良くわかった。

オフィスに戻るとまた真面目に仕事。ミーティング2つでもう6時である。メールのチェックをしてシティのパブにチームのメンバーで出かける。最近オープンしたというNYスタイルのバーでビールを飲む。その後さらにもう一軒、今度はTAOというチャイニーズスタイルのバーである。この時点でビール2杯とカクテル2杯である。妻帯者は最初のバーだけ付き合ってくれる。カクテル1杯で帰る奴もいたりして、入れ替わり立ち代りで結局10人近くになる。

カクテルはシーブリーズというクランベリーとグレープフルーツジュースにウォッカを入れたもの。ピンクできれいな、口当たりは良いカクテルだが後が怖そうだ。

その後ファヒームというバングラデシュ系のイギリス人の知っているスパイシーなカレーの店に行く。彼はチームで唯一ロンドンで生まれ育った生粋のロンドンっ子である。お洒落で、話好きで陽気な若者。しかしアクチュアリーの資格も持つ努力家でもある。お店はLahoreというシティの東にあるケバブハウス。店に入る前からスパイスのすごい香りが漂っている。食べる前からきっと美味しいに違いないと確信できる店である。

注文は彼が全部してくれた。豆のスープ、ほうれん草のカレー、羊のカレー、チキンカレー、シシケバブといった料理をチャパティのようなパンにつけて食べる。味はどれも申し分無い。確かに辛いのであるが、こくのある辛さとでもいおうか。それぞれ微妙に香りが違っていていくら食べても飽きない。酒は持ち込みなので缶ビールを買っていく。

ポール、トム、ジャン、ファヒームの若手4人と5人で話していると、どこの国でも若者の話していることは同じだなと思う。先週のパーティーで会ったかわいい女の子の話、美味しいお店の話、週末の予定。週末の予定は?と聞かれたので、特に無い、と答えると土曜日の夜友達と食事に行くから一緒に行かないか、とファヒームが誘ってくれる。彼らとはすっかり気の置けない関係になれたような気がした。9時過ぎには店を出たが、皆仕事で疲れているので帰ることにした。私も少し疲れている。

 

1998.10.20.(TUE)
<今日の一言>

またお昼に昨晩と同じピザ屋に行くことになってしまいました。

今日の一日

6時半のモーニングコールで起きるはずが、6時前に目を覚ます。シャワーを浴びて久しぶりにホテルのレストランでコンチネンタルブレックファストを食べる。といってもフルーツといつもの手作りミラノサンドAである。

7時半でももう薄暗く、車はライトをつけて走っている。気温もコートがあっても悪くない位である。ただ相変わらず天気は良い。ということで乾燥しているが天気は快適と言えるであろうか。

Eメールのチェックをしてミーティングを3つするとお昼である。債券チームのヘッドと2人で昨日夜いったピザエクスプレスに行く。結局ピザではなくサラダを食べたが。午後もミーティングが続き、気がつくともう6時である。

夕方、アメリカに留学時代のクラスメートで日本の証券会社のロンドン支店にいるTさんと食事をする。Tさんは留学後ジュネーブに7年いて、今年の7月からロンドンに転勤になったという海外生活9年のベテランである。

ロンドンに来てから初めて日本食を食べる。江戸っ子(50 Red Lion St.、0171−242−3490)で刺身からてんぷらそばまで堪能した。さすがにまだ日本食が恋しいというわけではなかったが、食べればやはり美味しいものである。ロンドンは魚の質がいいらしく、出てくる料理は東京とそんなにクオリティは変わらない。ここはロンドンでもかなり美味しい方だとはいう。

留学当時の話、クラスメートの近況、金融市場の動向、など話は尽きない。お互い会うのは恐らく卒業以来であろうから7年ぶりである。話しているとお互いに変わらないねえ、ということで話が合った。

話は2次会のバーまで続き、気がつくと11時であった。ロンドンの日本人バーに行ったのは初めてであったが、銀座の片隅にあるような静かで良い店であった。

 

1998.10.19.(MON)
<今日の一言>

生活には随分慣れましたがトラブルも増えてきました。

今日の一日

2週間目が始まった。徐々にレクチャー形式のミーティングから実際の仕事に関するミーティングが増え、忙しくなる。午前中に2つ、午後にも2つミーティングである。こうしたミーティングに出ていて感心するのは皆忙しいのに自分の時間を嫌な顔せずに(本当はどう思っているかは別として)割いてくれることである。フレンドリーで一生懸命説明してくれ、こちらのくだらない質問にも答えてくれる。

お昼はロンドンのマネジメントの統括をしているイギリス人と3人でイギリス料理を食べに行く。会社の近くのBalls Brothers(5−6 Carey Lane LondonEC2V 8AE、0171−600−2720)という店でシーフードが有名らしい。

シーザーサラダとロンドン名物ドーバー・ソールを食べる。ドーバーソールとはドーバー海峡で採れた舌平目のムニエルのことである。スコットランドサーモンと並ぶ料理らしくどちらもいける味である。この魚の注文方法にはオン・ザ・ボーンとオフ・ザ・ボーンというのがあると教えてもらう。ようは骨付きか骨を取ってくれるかということなのだが、香りが逃げなくて美味しいと言うのでオン・ザ・ボーンを頼んでみた。食べ終わると骨のさばき方がうまいと誉められた。毎週のようにサバやアジの開きを日本で食べていれば当たり前のことだと思うのだが。フォークとナイフで食べるというのは少し勝手が違うが。

それにしてもイギリス人のマネジメントの巧みさには感服する。東京からやってきた私のような1ファンドマネージャーにもきちんと話を聞く機会を与え(しかも昼食というリラックスした環境で)、東京のオフィスの様子や問題点をヒアリングしている。そして恐らく私自身も彼らにチェックされているのであろう。

日本の金融システムから年金マーケットの将来性、会社の現状まで様々なことが機関銃のように質問された。といってもジョークを交えポイントははずさない。日本の会社が海外のオフィスを同じようにマネジメントできているとは残念ながら思えない。マネジメントとは人の心をつかむことだという大切なことを学んだ。

夕方残業していると、残っていたチームのメンバーと夕飯を食いに行こうと言うことになる。近くにあるピザ・エクスプレスというピザのチェーン店に行く。ビールを飲みながら雑談に興じる。といってもやはり100%ジョークが聞き取れるまでは理解できないのは残念である。10時過ぎにはホテルに戻る。

トラブル・トラブル・トラブル

ようやく生活パターンにも慣れてきた。会社に行っても馴染んだ感じがするし、街を歩いていても違和感が薄れてきた。とはいってもまだロンドンに来て10日足らずである。いろいろとトラブルが発生している。

空気が乾燥しているせいかスキントラブルに悩まされている。ロンドンは思ったより雨が少ない。ここ数日良い天気が続いている。結構天気が良いのでラッキーだとは言われるが、肌には良くないようだ。口の周りがカサカサして赤くなってしまった。乾燥して痒いので薬局に行って薬を買う。治るのかどうかわからないが取り敢えず様子を見ることにした。

そしてデジカメのスマートメディアというフロッピーの形をした画像をPCで読み込むためのディスケットが動かなくなった。デジカメから記憶カードを抜いてフロッピーディスクドライブに入れても読み込めない。カメラの容量が一杯になってしまい、写真が撮れなくなってしまった。

最後にキャッシュの不足である。今回の旅行で最大の忘れ物。それはシティバンクのカードであった。キャッシュはそれなりに持ってきたつもりであるが、予想外にカードの使える店が少なく、キャッシュが無くなりそうでハラハラしている。買い物はできるだけカードにしているが、タクシーや地下鉄、テイクアウトの店などキャッシュオンリーであるからまったく無くなると動けない。

そう言えばこのHPのカウンターもプロバイダーのトラブルでゼロに戻ってしまった。月曜日の夕方で131件になっていた。47000件位にはなっていたとは思うが、正確なアクセス数はわからなくなってしまった。

まだ2週間あるがこれ以上トラブルが発生しないよう祈るばかりである。

 

1998.10.18.(SUN)
<今日の一言>

今日も良い天気でした。日本は台風らしいと聞いてますがロンドンの方が気候は良いのかも知れません。

今日の一日

目を覚ますと9時を回っていた。例によってシャワーを浴びてくつろぐと、釣りの師匠に電話をしてみる。家に招待してくれるというので午後から出かけることにした。

師匠の家はロンドンの郊外にある。Northern Lineという銀座線のような古い車両の地下鉄に乗ってシティから20分ほどであろうか。Golders Greenという駅から歩いて10分ほどである。東京で言えばやはり調布あたりなのであろうか。地下鉄が郊外に入り外に出たところの最初の駅である。駅まで迎えに来てもらい買い物をしてお宅にお邪魔する。単身赴任ではあるが家は馬鹿でかい。3ベッドに20畳以上はあると思われるリビング。全部で150平方メートルはあろうか。りすが来るというイングリッシュガーデンも付いていて快適な環境である。

聞くところによるとロンドンの不動産も2倍くらいに値段が上がっているとか。やっぱりバブルであろうか。一戸建ての値段は東京より高いくらいである。家賃を聞くと日本では借りられないくらいの高いプライスである。

お昼ご飯にレンジで作るインドカレーを作ってもらう。これはかなりの味で気に入った。イギリスのインド料理は定評があるというが、レンジ商品までクオリティは高い。その後、もとヤオハンで今はオリエンタルマーケットとなっているショッピングセンターに連れていってもらう。ボストンにいた頃NYのヤオハンまでわざわざ買い物にいったことを思い出した。といっても当時のNYのヤオハンよりはロンドンの方がずっと充実している。日本人だけではなくアジア人のたまり場になっているようだ。お好み焼きの店まである。何も不自由はない街である。

帰ってワインを飲みながらいろいろご馳走してもらう。まずはスコットランドサーモンとチーズで赤ワインを飲む。サーモンのクオリティは東京より高いのではないだろうか。そしてそれからはイギリス料理をいろいろ試させてもらう。特に美味しかったのはサバの燻製。これは白ワインに合うのではないだろうか。さけのつまみに最高である。そしてキドニーパイ。これは残念ながらレバー臭くてちょっと勘弁であった。最後は日本食ということでサッポロ一番の味噌ラーメンをご馳走になった。といってもこれはオランダ製らしい。

9時過ぎまでお邪魔して電車でホテルに戻る。週末は何だかんだでいろいろ予定があって楽しく過ごすことができた。

 

1998.10.17.(SAT)
<今日の一言>

天気も良く素晴らしい一日でした。

今日の一日

起きると9時を回っていた。踊りすぎたせいか足がハイキングに行った次の日のように痛い。早速準備をして街に出かける。傘は必要なさそうな良い天気である。まずはチャイナタウンに行く。おかゆと麻婆豆腐を食べて少し元気になった。それから街をひたすら歩く。

ファッションの発信地といわれるコベントガーデンやらブランドショップが並ぶボンドストリートやらマークスアンドスペンサーなどショッピングをしようとするが、値段が東京より高いような感じがする。それに店に不慣れなせいや好みが日本人と違うせいか余り買うものがありすぎて困るというより、何も買うものが見つけられなくて悩んでしまう。

1度カフェでエスプレッソを飲んだ以外は4時間ほどずっと歩き通しだった。余り買い物もできずにホテルに戻ると5時。昨日家に呼んでくれたジャンにまた電話をすると彼はオフィスで仕事をしているという。7時にオフィスに行くことにした。

シャワーを浴びてどこかで軽く何かを食べようかと思ったが、土曜日のホテルの回りはやっていない店が多い。シティの中は真っ暗で人は皆無である。オフィスでジャンと会い、彼の車で一旦フラットに戻る。夜の9時ごろから友人の家でパーティーがあるということで一緒に行こうということになる。

ルームメイトのアンドレアと3人でまた白ワインを飲む。昨日も食べたパルメザンチーズ。聞いてみるとイタリア人の友達の母親がイギリスに戻るときに持たせてくれたものだという。日本で言えば田舎の親が味噌を送ってくれるようなものであろうか。さすがにそれだけの味ではある。思わずおかわりするほどたくさん食べてしまった。貴重品なのに悪いことをした。

隣のアパートに住んでいる昨日も来ていたジュリアと4人でピザを食べようということになり、ジャンと2人でイタリア料理店にテイクアウトをしにいく。パーティーに持っていくウォッカも買って、準備完了。部屋に戻ってピザを4人で食べる。ジュリアはカフェドパリというクラブに友達と行くという。我々は車ででかけることにした。

途中待ち合わせしていたイタリア人の女の子を2人ピックアップして5人でパーティー会場へ。同じ会社のファヒームとルイもいた。50人近くが集まる大パーティである。とにかく飲んで食べてしゃべって踊るだけ。イタリア系70%フランス系25%、その他5%(アジア系は私だけ)といった感じでインターナショナルな雰囲気であった。ヨーロッパではABBAがリバイバルヒットしているらしく、ダンシングクイーンがかかると皆大騒ぎである。

12時過ぎたので先にかえることにした。イギリスの若者の生活がわかる週末が続いている。やはりロンドンは旅行する街ではなく住む街である。

 

1998.10.16.(FRI)
<今日の一言>

時差ぼけは完全にとれたようです。

今日の一日

8時半からセミナーの続きである。債券のクレジット市場の分析手法、EMU発足による市場の変化、アセットマネジメントビジネスの展望などがトピックスであった。新しい市場が出来上がると果たしてどんな市場になるのかと予想をすることになるが、問題になるのは今までのデータベースがそのままでは使えなくなってしまうということである。EMU発足後5年経たなければ5年間の統計データというのは作れないのである。

朝までぐっすり寝られたせいか、気分が良い。良い環境で朝から有益な話を聞くことができ非常に満足する。昼を食べて、午後はゴルフをする人もいたが、私は列車でオフィスに戻る。

夕方、会社の近くのパブにメンバーと6人で出かける。仕事とアフター5のけじめがきちんとしているのに感心する。真剣に仕事をしていた人達がビールを飲んでリラックスすると他愛もない話に大騒ぎしている。そして1、2杯軽く飲むと私ともう一人を残して皆さらりと帰っていった。このカジュアルさが心地よい。

残った私ともう一人だけもう一杯ビターを飲む。マークという今週からロンドンオフィスに転勤になってきたイギリス人である。相場の話で盛り上がる。そして彼女の話やら週末の過ごし方など1時間ほど話し込んだ。店を出ると彼は仕事に戻ると言うのでオフィスで別れた。

ホテルに戻り、今度は同僚のジャンの携帯に電話する。彼は良かったら夕食を食べに来ないかと誘ってくれていたのである。8時半に彼のフラットでということになり、タクシーに乗って出かける。渋滞のせいで20分ほど遅刻して家の前に着いたがベルを鳴らしても誰も出てこない。仕方がないのでもう一度電話をしようと思って道を歩いていると反対側から彼が走ってきた。

友達と2人でシェアしているという部屋は2ベッドの快適な環境である。部屋の掃除をしてくれるサービスがあるらしく男2人にしては片付いている。ジャンはイタリア人である。聞くと今の会社に入ってまだ1月だと言う。イタリアの大学で修士課程を修了して米系証券会社のロンドン支店に入りその後今の会社に移ったという。

早速ワインを出してくれる。2人で食事なのかと思ったら、ルームメイトのアンドレアが帰ってきて、近くに住んでいるドイツ人の女の子が2人来て、イタリア人の友達が3人来て、結局8人のパーティになった。サーモンのマリネを前菜に白ワインを飲む。さすがイタリア人、20代の若者が作る味はプロ顔負けである。料理を作りながらもゲストを楽しませる。こんどはパルメジャーナを切ってかじるようにして食べる。こんな食べ方は初めてであるがこれもいける。やはり人生を楽しむことにかけてはイタリア人は天才である。

日独伊という国の組み合わせは気が合うのであろうか。美味しい料理とワインで楽しい時間となった。その後はカルボナーラである。これまたパスタの茹で具合はさすがに絶品である。ベーコンもイタリアの味であった。アイスクリームで食事を〆ると、ドイツ人の女の子たちは帰っていった。

その後は男5人でディスコに入るGoats In A Bootという店であった。日本で言えばクラブということになるのだろうか。中に入るとDJがビートの効いた曲をガンガンかけている。ビールをラッパのみしながらひたすら踊る。日本のディスコとは違い人がどうやって踊っているかなんて誰も気にしていない。ひたすら好きなように踊っている。とにかく人が多く狭い部屋で好き勝手である。隣で踊っていたグループと何だか知らないが一緒に肩を組んで踊ったりしていると急にフロアが明るくなった。どうやら1時で閉店らしい。彼らと別れてタクシーでホテルに着いたのは2時だった。

 

1998.10.15.(THU)
<今日の一言>

郊外のお城のようなホテルでセミナーを受講しました。

今日の一日

朝の8時からミーティングである。7時半過ぎに会社に着くともうほとんどが来て仕事をはじめている。忙しいとはいえ皆本当に良く働くものである。午前中3つのミーティングをこなすともう11時である。東京からのメールを処理して午後からのセミナーに出席するためにロンドン郊外のAscotというところへ電車で行く。Waterloo駅から列車で60分位ということである。Waterloo駅は東京で言えば上野駅であろうか。ユーロスターの発着駅にもなっているらしく多くの人でにぎわっている。

ホームが20近くもあってどこから乗ればいいのかさっぱり見当がつかない。駅員に聞いてようやく列車を見つける。日中は1時間に一本ののどかなディーゼル列車である。

駅からホテルまでは迎えが来ているはずであったが、1時間近く着くのが遅れてしまったので誰もいない。同じセミナーに参加するような人がタクシーに乗ろうとしたので、聞いてみる。2人でタクシーをシェアすることになった。彼もロンドンの投資顧問会社に勤務するイギリス人である。どうもイギリス人というと気難しいというイメージがあるがこちらに来て会って話してみると気さくな人が多い。街で道を聞いたりするときも全般に親切な人が多い。

ホテルは郊外の広大な敷地に立てられたリゾート型の豪華なホテル。Pennyhill Park Hotel and Country Clubといい、5つ星である。ロンドンでステイしているホテルの部屋の5倍はある広い部屋に一人で入れられると正直言ってもったいないという気分である。2時から早速セミナーである。エコノミスト・アナリストの分析が始まる。話題は円高とヘッジファンドの破綻が中心になる。内容もさることながらゲストスピーカーのスピーチのうまさに感心する。厳しい質問を受けてもジョークを交えて巧みにかわし、結局自分のペースに引き込んでしまう。

夕方はディナーを取りながらスピーチを聞く。料理もワインも申し分ない。本当にここがイギリスなのかと思ってしまう。どこかのお城でフランス料理を食べているような錯覚に陥る。セミナーの出席者も大陸ヨーロッパからの参加者が結構いるらしく、インターナショナルな雰囲気であった。10時過ぎにはベッドに入って寝てしまった。

 

1998.10.14.(WED)
<今日の一言>

時差ぼけも随分解消されつつあります。

今日の一日

朝の4時までぐっすりと寝ることができた。東京では5時半起きであるからほぼ時差ぼけは解消といって良いだろうか。起きるとまず窓から空を見る。7時近くにならないと明るくはならないが、雨が降っていないと取り敢えずうれしくなる。テレビの天気予報では雨が降ると言っているが。朝食は会社に行く途中にあるコーヒーショップでベーグルにクリームチーズを塗ってもらった。これもまずまずである。

会社も3日目に入り随分慣れてきた。チームメンバーの名前と顔も一致するようになって、落ち着いて仕事に専念できる。午前中は東京の夕方になる。ということで東京との連絡の時間となる。相変わらず東京は忙しそうである。

東京からのデータにトラブルが発生し、東京から来ているということで私が調べることになってしまった。データをチェックして新しい数字を作ってロンドンの担当者にメールを送って解決したが、ミーティングが一つキャンセルになり、2時間も時間をとってしまった。これでもうお昼である。

ほとんどの人はサンドイッチを買ってきて席で食べながら仕事をしている。中にはジムに行ったりしている人もいるようである。サンドイッチは気分ではないので、駅の近くまで歩いてみた。日本でも滅多に入らないマクドナルドを発見し、入ってみた。

日本と同様、込んではいるが、照明が暗く看板も控えめである。値段は全体に高く、ヴァリューセットのようなものでも600円以上はする。普段は食べたいとも思わないジャンクフードであるが、こういう時には懐かしい味に感じたりする。でも味はやっぱり日本のとは少し違うようである。食べているうちに外には霧雨が降ってきた。天気予報の通りである。とにかく天気はころころ良く変わる。

午後は2つのミーティングを行い、メモを作ったり、プロジェクトの構成を作ったりと日本と変わらない仕事のパターンになる。自分宛の電話がかかってこないので仕事は格段にはかどる。他の人も9月末の数字を作ったり報告書関係で忙しいようで、黙々と仕事をしている。とはいっても近くで何をしているのか見ていると、説明してくれたりする。メリハリが利いているというか、ハードワークなのにフレンドリーで協力的な雰囲気なのである。個人主義を強調するとチームワークが無くなる。チームワークを強調すると馴れ合いになりがちである。この2つがバランスしている要因は何なのだろうか。結局は個人の能力とモラールということなのだろうか。

7時過ぎにオフィスを出る。ご飯が食べたくなりホテルの近くのチャイニーズのテイクアウトを買ってホテルの部屋でギネスオリジナル(黒)と食べる。このチャイニーズはなかなかの味である。しかしテイクアウトも値段は日本やアメリカに比べて高いような気がする。ご飯ものを食べるのは5日ぶりである。ただのチャーハンでも美味しく感じてしまう。この店のホットアンドサワースープはまたお世話になりそうである。

インフォメーションテクノロジー

3日目に入り、入口で提示するIDカードも作ってもらい、社内メールのアカウントも作ってもらった。インフラは一通り揃った。インターネットも何だか良くわからないが取り敢えずはHPの更新もメールの読み込みもできるようになった。

それにしてもコンピュータネットワークの威力というのはすごいものがある。私の勤務する会社ではパソコンも電話も東京とロンドンのオフィスで同じものを使っている。恐らく世界共通にしているのであろう。パソコンはパスワードさえあればどこの机に座ってもアクセスできメールのチェックなどどこでも同じオフィス環境が得られるわけである。同じ機械と同じソフトだからいちいち人に使い方を聞いたりする必要もない。電話機などは呼び出し音まで東京とそっくり同じである。

せっかくネットワーキングされていても規格が違っていたら、こうはいかない。特に短期で出張に来たりする場合は尚更である。こういった環境の整備のためには情報管理部門に明確な戦略があり、それを実施できるだけの権限があることが必要なのではないだろうか。システムを会社の中で傍流のように捕らえる会社はネットワーキングのパワーでハンディを負うことになるのであろう。

インフォメーションテクノロジー(2)

一方でインターネットの方はトラブル続きである。引き続きたくさんの方からいろいろアドバイスを送っていただいているが、返事を書くことができない。

ブラウズとFTPには問題は無いのであるが、メール機能が不安定である。今までネットスケープで読めなかったメールが今度はエクスプローラーで読めなくなった。ところが今度はネットスケープは読めるようになった。ところがネットスケープで読んだメールに返信をしようとするとエラーメッセージが出てうまくいかないときが発生するようになった。しかしうまく送れたりするときもあって理由が良くわからない。SMTPという送信用の機能に問題があるのだろうか。ウィンドウズ98はネットスケープと相性が悪いとも聞くが、結局良くわからないまま、何回もトライして諦めたりする。

Vaioに問題があるのか、海外のせいなのか、ソフトの相性か、設定の間違えか、、、今は恐る恐る通信をやっている。

ということで頂いたメールは読ませているのですが、相変わらず返事が出せないことが多く申し訳なく思っています。

 

1998.10.13.(TUE)
<今日の一言>

釣りの師匠のと久しぶりの再会を果たしました。

今日の一日

夜中に目を覚ます。時計を見ると2時過ぎである。東京時間では10時。もう一度寝ようとするが、もう目が冴えて寝られない。結局3時間ベッドでごろごろして起きることにした。

ホテルの朝食のパンにはさすがに飽きてきた。7時にホテルを出てオフィスに早めに到着する。途中のカフェでサンドイッチを食べようとしたが、どのパンも同じようでどうにも食べる気がしない。結局朝飯は抜いてしまった。

お昼もオフィス街をぶらぶら歩くが、サンドイッチ屋さんしかない。ここでは誰もが昼は毎日サンドイッチを食べているのであろうか。仕方が無いのでツナサンドを買って机で食べる。海外で生活する場合、どこか一軒行き付けの店や、好きな食べ物ができたりすると急に親近感が沸いたりするものである。ロンドンに来て4日目、まだその域には達していないようである。

夕食ははじめてイギリス料理を食べることになった。サボイ劇場の隣にある「シンプソンズ」(100Strand、0171−836−9112)でローストビーフを味わった。この店はガイドブックにも載っているいわゆる有名店らしく、観光客も多かったが、イギリス人の年配者も多く伝統的な店であるようだ。創立1828年の老舗である。内装も高い天井に豪華な装飾が施され、シャンデリアとオーク材の格調ある雰囲気は一見の価値がある。店員は以外にフレンドリーでサービスも悪くない。

イギリスビールを飲んで、ロブスターのスープを頼む。これは言ってみれば「三笠会館」の名物魚貝のスープのこくを少し無くしたような味である。と言っても味は上品でなかなか良い。またまたイギリスは不味いという概念が打ち破られる。

そしてメインはローストビーフ。テーブルに運ばれてくるワゴンの上で客の好みを聞きながら切り分ける。ホースラディッシュと野菜の付け合せそしてグレービーソースをかければ出来上がりである。一人前で肉は200グラム近くあるだろうか。かなりのボリュームであった。狂牛病が問題になった国であるが、そんなことなど言っていられない。イギリス人も気にしない人は問題と思っていないようである。

前菜とメイン、これだけでもうお腹がいっぱいである。隣のイギリス人の食べているデザートも美味しそうだったが、大きさも半端ではなかったので頼むのはやめておいた。

ローストビーフはもしかしたら贅沢な国産肉を使って日本の家で食べるほうが美味しいかもしれない。英国牛と日本の肉なら少なくとも日本人であれば後者が好きだからである。しかし伝統的な雰囲気で味わうはじめてのイギリス料理も悪くは無かった。

やっぱり人間の幸福は、自分の期待と実際の現実の差で測られるのである。

ロンドン

話には聞いていたが、ロンドンの食事と天気は余り良くない。食事は他国の料理を食べれば結構いける味もあるが天気はどうしようもない。まだ4日しかいないのででかいことは言えないが、どんよりとして暗いというのが第一印象である。

そして東京よりは確実に寒い。コートを着ている人が半分くらいはいる。それに雨である。しかも変わりやすい天気で朝雨が降っていたかと思えば、昼には晴れたりする。つまり予想が立たないのである。日が短くなり、この天気ではやっぱり気分は滅入るだろう。夜になると人気が無くなり暗い照明でいかにもヨーロッパの風情になる。ネオンの輝く繁華街がまぶしい日本と比べたら、どっちが不景気なのかわからない。

といっても景気がいいことを示すのがタクシーのつかまりにくさである。とにかく夕方はタクシーがたくさん走っているのに空車がほとんど無い。そしてワインバーに群がる人。これはどこかで見た光景。そう1988年くらいの日本のバブルの状況である。

踊り場

英語を習ったり、スポーツをしたりするとき、どんなに練習しても実力が伸びないときがある。踊り場というのか、上達しないのを気にせずに続ければある時、急に視界が開けたりするものである。

ロンドンオフィスに来て2日目。午前中までは何だか、落ち着かない感じであった。メンバーも仕事に忙しく、コミュニケイションが取れないもどかしさがあった。それが午後のアナリストミーティングが終わると、雰囲気が変わった。チームメンバーの多くが参加するミーティングでディスカッションに参加すると、お互いに打ち解けた気分になってきたから不思議である。

なんと言うか踊り場を一つ超えた気分である。とはいえやはり英国人のディスカッションは強烈である。自分の議論をとことんまで主張する。そして終わるとカラッとしているから切り替えが早い。日本人のようなミーティングでやりあうと口もきかない、というようなことはない。議論は議論として徹底的にできるところが良いところである。まあこれからも踊り場の上にまた次の踊り場がありそうである。

 

1998.10.12.(MON)
<今日の一言>

出社初日

結局3時に目を覚ます。その後またうとうとしていると、6時半になった。起きて準備をはじめる。例によって朝食はホテルで。パンにハムとチーズをはさむとドトールコーヒーのミラノサンドAのような味でなかなかいける。ただしコーヒーはアメリカのダンキンドーナツ並みの不味さではある。少し肌寒かったが会社まで歩いてみる。前日に下見をしていたので迷わずあっさりと15分程度歩いて到着。

オフィスは5週間前に建てたばかりのきれいなビル。1階(日本の2階)に広々としたフロアが広がる。まずは自己紹介。トイレの位置やらコーヒーメーカーの使い方だの聞いていると、なぜかいきなり火災の避難訓練が始まった。ビルの外に避難して練習は終わり。そして午前中は全体の運用方針のミーティングに出席してもうお昼である。

オフィス近くのサンドイッチ店に入る。債券運用のヘッドと今週からNYからロンドンに転勤してきた為替担当者の3人で食べる。やはり話題は円の動きやら日本経済の見通しといったこと。ここでは自分の考えをしっかりと言えなければ相手にされない。しかもロジックを持って、、、。

ちなみにスペシャルサンドイッチというのを注文したが、マクドナルドのポテトLサイズを上回る大量のフライドポテトにベーコンとチーズとチキンがはさまれた大きなパンがやってきた。サンドイッチもポテトも半分食べるのが精一杯であった。炭酸水も炭酸が抜けた中途半端な味。やっとこれぞイギリスの食事という気分に浸れた。

午後はインターネットやら社内の通信システムの接続にかかりきりで二時間経ってしまった。東京のサーバーにはアクセスできるようになったが、メール機能に問題があるらしく苦労する。送られてきたメールは読めるようになったが今度は送信機能が働かない。通信に関しては、M社の方から、Shiraさん、釣りの師匠までいろいろメールをいただいたが、返事を送ることができない。取り敢えずこの場を借りてお礼申し上げます。M社のUさんのアドバイスによればコーリングカードの問題もうまくやれば解決できそうである。

メールの送信はエクスプローラーの中でアウトルックを使ってメールを送ろうとするとエラーが発生するという事態である。午前中に送れたのに、次にもう一度アクセスすると急に送れなくなったりする。何だかきつねにつままれたような気分である。

夕方、前の会社の同僚に電話していっしょに夕食を食べる。彼もまた会社を1月前に辞めて米系証券会社のロンドンオフィスで働いている。お互いのオフィスは10分程度しか離れていない。

彼が気に入っているというスペイン料理のLos Barriles(8a Lamb St.、0171-375-3136)という店に行く。昔市場だったという広々とした場所にポツンとある庶民的な店である。魚貝類のつまみを何品か注文したがどれもうまい。イカのフライは新鮮でやわらかいし、魚貝以外のチキンやマッシュルームの詰め物などもいける味である。

ワインを飲みながら近況報告やら、相場の話やらで盛り上がる。1月前に子供が生まれたという幸せそうな顔を見ていると、人間丸くなるもんだなあという感慨がある。しかし妻子持ちでロンドンで転職という大きなリスクを取り、最近のマーケットの混乱の中で前向きに生きようとしている彼の姿は昔と変わらない。

10時過ぎにタクシーで帰る。疲れていたせいかすぐに眠りにつくことができた。初日はこうしてふけていった。

 

1998.10.11.(SUN)
<今日の一言>

まだイギリス料理は食べていません。

日曜日の過ごし方

5時には目を覚ましてしまった。やはり時差ぼけであろうか。外を見ると暗闇の中雨が降っている。まだ夜明けまでかなり時間がありそうである。ホテルの部屋は乾燥しているせいかのどが痛い。シャワーを浴びて朝になるのを待つことにする。

7時近くになってようやく夜が明けてきた。雨も一応やんだようである。早速街をあてもなく歩いてみるが、周囲は住宅地のようで人通りもなく、店も雑貨店のような店以外はクローズである。さすがに気候は東京より寒い。ジャケットを着て丁度いい位である。

朝食をホテルでとる。バイキング形式でコンチネンタルブレックファストである。フルーツとパン、ハム、チーズとコーヒー。イギリスの食事は不味いというのが定評であるが、このホテルの食事はいける。まあ「イギリスでおいしいものを食べるには朝食を3回食べればいい」というサマセットモームの言葉もあるくらいで朝食だけで判断してはいけないか。宿泊客の団体のヨーロッパ人で大混雑。だだっ広いダイニングにBGMには10年前のライオネルリッチーがかかっている。やっぱりホリデイインのノリである。

観光する気にも余りならず、かといって部屋にいても面白くない。まずは明日から働くオフィスを探してみることにした。曇り空の中地図と写真を頼りに歩く。15分ほどでシティに到着。休日だけに人通りはほとんど無い。しかしロンドンの金融の中心という割には小さなビルが立ち並んでいるだけでウォール街や大手町の雰囲気とは違う。私の勤める会社の本社は意外とすんなりと見つかった。今年完成したばかりのビルで白亜のモダンな作りである。イギリスの伝統的な会社というイメージとは少し違っていた。

ふらふらと部屋に戻り、荷物をまとめると今度は地下鉄で出かけることにした。天気も日が差してきて段々暖かくなってきた。長袖のダンガリーシャツで十分である。ホテルの最寄駅はOLD Station。歩いて5分強である。一日券(2.5ポンド)を買って地下鉄に乗る。まずはピカデリーの方へ行ってみた。

ところが電車に乗っている内にホテルの部屋のシャワーの蛇口を開けっ放しにしているのではないかとふと不安になってきた。部屋の乾燥防止のためにお湯を張っていたのだ。中華街の近くの公衆電話からホテルのハウスキーピングに電話して何とか事無きを得た。それでも心配になって一旦ホテルへ戻る。

昼過ぎにまた出かける。今度はBank Stationで乗り換えCentaral Lineで再び、中華街へ向かう。お昼には何となくラーメンが食べたくなった。といっても日本食は食べても後悔しそうである。中華街のど真ん中にあるAroma Chinese Restaurantで中華そばと青菜の炒め物を食べる。ビールはチンタオである。「チンタオ、ハーフパイント?」と中国訛りのおばちゃんに聞かれるとロンドンのチャイナタウンならではと思ってしまう。ラーメンは中華街でよくあるビーフンのような細くて硬い麺である。食事の後は街を散策してホテルに戻る。午後3時過ぎ。日本時間で夜の11時ということで時差ぼけのせいか体がだるい。

随分歩いたようである。喉が乾いてしかたがない。夕方またスーパーで買ってきたギネスビールを飲んだ。これからが寝てはいけない時間帯である。ここで昼寝をすると夜中は寝られなくなってリズムがめちゃくちゃになってしまう。

何とか6時まで我慢して夕食を取り、酒を飲んで一気に寝るというプランにする。6時過ぎになると外も暗くなる。ホテルと駅の間で発見したインド料理のRegency Tandooriという店に行ってみた。チキンのカレーを食べてビールを飲むと眠気が増してきた。8時過ぎには予定通りベッドに入る。

 

1998.10.10.(SAT)
<今日の一言>

ロンドン到着

12時間のフライトでロンドンに到着。日本から昼過ぎ(13:45)に出るとロンドンの同日夕方(18:00)に到着となる。飛行機の中ではほとんど寝られなかった。「発想の大転換」(東洋経済新報社、ウィリアム・グロース)を読み終わり、うとうとしかかったら丁度到着である。時差ぼけ解消の為にはホテルに到着してまたすぐに寝られれば直りそうな気がする。

ヒースローに着いたときはもう薄暗くなっていた。ターミナルから出口までは異常に長い道のりであったが荷物もすんなり出てきて手続きは非常にスムーズであった。

空港からタクシーに乗ろうと思ったが、隣にヒースローエクスプレスという電車がありパディントン駅まで高速で走っているということなのでそれに乗ってみた。まだ開通したばかりらしく人は少ない。成田エクスプレスのような車体であるが予約は必要ない。ブリティッシュエアの到着した4番ターミナルから20分、10ポンド。これは早くて便利である。

パディントン駅に着くとタクシーに乗り換えこれから23日も宿泊する、ニューバービカンホテル(0171−251−1565)に到着。ロンドンタクシーは品が良いと聞いていたが私が乗った運転手は荒っぽい運転で無愛想なNYのタクシーのような車であった。とはいえホテル名を言っただけできちんと連れていってくれるのはロンドンならではある。

チェックインすると8時を少し回っていた。ホテルはホリデイインのような中規模ホテルでまあ悪くは無い。部屋は狭いがリフォームされたばかりらしく小奇麗である。荷物をほどくと早速パソコンをつないでみる。コネクタは簡単につながり、電源も確保できた。しかしコーリングカードのナンバーにつなごうとするとどうしてもうまくいかない。電話をするとオペレーターが先方で出てしまい、通信ができないのである。MCIもJTBカードもKDDカードもすべて同じであった。(どなたか教えてくださいませんか)仕方がないのでホテルから国際電話とすることにした。

 

1998.10.9.(FRI)
<今日の一言>

Vaio

今日の日記からいよいよVaioによる更新をはじめた。ロンドン出発は明日ではあるが、FTPを使って見たり、実際にうまくいくのかチェックをしようと思い敢えて試してみた。

長年親しんだキーボード配列というのは体が覚えているらしく、アルファベットを打っている時は気にならないが変換やコピーといった短縮キー操作をしようとすると一瞬戸惑ってしまうことがある。ALTの場所が少し右にずれていて小さいのである。

モバイルギアのキーボードとも少し違う。タッチもVaioの方がソフトで浅い感じがする。これも慣れの問題であろうが、モバイルギアの深いタッチの法が安心感がある。ともあれこのマシンがしばらくは唯一のネットへの窓口ということになる。

後はロンドンからの通信事情であるがロンドン在住の私の釣りの師匠であるOさんによればプラグと電圧さえ合わせれば問題ないとのこと。まあホテルで使うときはコーリングカードを使うことになるだろうが、接続さえできれば問題無さそうだ。

基本的にはこのページ、ロンドンでも毎日更新する予定ではある。更新されていなければ接続に苦労しているんだな、と思っていただければ幸いである。

 

1998.10.8.(THU)
<今日の一言>

出張

土曜日からロンドンに出張である。11月の頭までであるから約3週間。海外でオフィスに通うというのは初めての経験であり、どんな風になるのか楽しみではある。しかしやるべき仕事は山積しており、正直言って余り楽しい出張とは言えない。

準備をしなければいけないのだが、パッキングはまだ何もしていない。恐らく出発日の朝に慌ただしくすることになるのであろう。スーツも2〜3着は持っていかねばならないし、ネクタイやらYシャツやら結構荷物は増えそうである。

しかし資料は大半をEメールで送ることができてこれは荷物を減らすのに効果がある。パソコンもVaioを持っていくが、現地で活躍してくれるのだろうか。

ロンドンという街に余り興奮していないのも不思議である。週末に到着しても何をしようとか、どこのレストランに行こうとか余り興味が湧かない。ロンドンは食事がまずい、と勝手に決め付けてしまっている。せいぜいパブで黒ビールでも飲んでみようかといった程度である。

それ以外は釣りの師匠に会ったり、前の会社の同期の人間にあったりといった予定しか今のところはない。どうしても観光したり、ナイトライフを楽しもうと言った気になれないのである。海外に行くのにこんな気分は初めてである。

 

1998.10.7.(WED)
<今日の一言>

円高・ドル安

7日に120円台に再度突入した円は、ロンドンで124円、NYでは118円まで急伸した。生命保険のヘッジ売り、輸出企業の為替予約、など要因は色々言われているが、ヘッジファンドを始めとするグローバルキャリートレードのポジション解消もまだ続いているようである。

一時的な円高は予想していたが、ここまで急激な動きは正直言って予想を超えている。外貨預金と外国債券の評価は含みが吹っ飛んでしまった。取り敢えずは完敗である。

短期間の相場の動きだけを見て判断するのは危険だが、今回気になるのは米国ドルの動きである。ドルは欧州通貨に対しても下落している。株式も東京マーケットは急反発したのに欧米市場は下げている。米国金利も上昇した。つまりアメリカはトリプル安になっている。

経常赤字をファイナンスできる国としての魅力がアメリカの強みであったが、このパワーに陰りが出てきたという事なのだろうか。以前からアメリカの経常赤字に対する懸念をドル安の要因として挙げる人がいたが、アメリカに投資先としての魅力がある限りこのリスク要因は顕在化しないと考えていた。

円高ではなくドルの下落というのが本格化するのであれば、もう一つ世界経済混乱に拍車がかかる。その時に避難先となるのはどこなのであろうか。円高になって輸出企業にどの程度影響が出るのだろうか。日本経済にも明らかにマイナスのインパクトである。

テクニカルにもサポートラインを切ってしまった。一方向に動きやすい為替の特性からして当面ドル高への回帰は望めなくなってしまった。もう一度仕切り直しである。

 

1998.10.6.(TUE)
<今日の一言>

暑いのか寒いのか、はっきりして欲しい天気です。

Thanks

モバイルで携帯電話が接続できないと書いたが、会社でサポートセンターにでも電話しようとモバイルと携帯、それに接続用のコードを持って行った。たまたま思い出して同期で会社のIT(インフォメーションテクノロジー)にいるUgoUgo君に相談したら、色々調べてくれた。設定を色々かえたりしてみてもどうしてもつながらない。

最後はプロバイダーのHPまで探してくれて、サーバーのDNSアドレスというのが変更になっていたのが理由だと判明した。新しいDNSアドレスを入力すると嘘のように簡単につながった。何とも情けない話であるが、パソコンのトラブルなんてそんなものが多い。

一方ネットスケープコミュニケーターでメールが読めない理由についてはJさん(いつもコメントありがとうございます)からメールを頂いた。

ところで、ネットスケープのメール機能は、自宅のPCのネットスケープをバージョンアップしたら解決すると思います(たぶん)。

私も同じようなトラブルがありました。

とのことである。とすれば自宅のバージョン2.01を卒業しなければVaioのコミュニケーターは使えないという事になるのであろうか。こんなことは当たり前であるがマニュアルには絶対書いてない。知らないことを教えてくれる親切な方がいらっしゃるのは本当にありがたいことである。

これで一応すべてのトラブルは解決した。Vaioはエクスプローラーで対応する。モバイルは通信可能になった。会社のブルーンバーグメールも重宝していたが、あのローマ字通信で高校生のポケベル気分を味わうのももうすぐ無くなるのかもしれない。といっても速報性ではあれも捨て難い。目の前で画面を見ながら仕事をしているのでメールの到着がすぐ分るからである。

 

1998.10.5.(MON)
<今日の一言>

ようやく秋らしく涼しい気候になってきました。衣替えをしようと思ってます。

VAIO

正直言ってパソコンのテクニカルな知識についてはまったく自信がない。いつもソフトが壊れたらどうしようかとハラハラしながらパソコンを使っているし、新しいソフトを入れる時など本当にドキドキしてしまう。だから家で使っているソフトは未だにウィンドウズ95だし、通信ソフトはネットスケープのバージョン2.01である。2年前からまったく進歩していない。

今回VAIOーC1を購入してようやく操作方法には慣れてきた。ソフトのインストールは殆どされているし、秀丸とFTPはコピーして使えるようにしたので取り敢えずは問題ない。これでバイオからHPを更新することができるようになった。

ただどうしても判らないことがいくつかある。メイル機能の設定である。自宅のネットスケープで送受信したメールがバイオのネットスケープコミュニケーターでは読み取れないのである。どこかに設定の間違いがあるのであろうか。仕方が無いのでもう一つ入っているインターネットエクスプローラーを使うことにした。こちらはメールを自宅と共有できる。

もう一つの問題はモバイルギアと携帯電話の接続である。やはりバイオは通勤で毎日持ち歩くには少し重い。普段ワープロ機能とメール位しか使わないなら、通常はモバイル、特別な外出や出張にバイオと使い分けようと思っている。という訳で携帯の接続もトライしているのだが、通信ができるところまではスムーズなのであるが、何故か接続されてから切断されてしまう。設定に何か問題があるのであろうか。

恐らくどちらも非常に些細な間違えであり、サポートセンターに相談すれば解決するものとは思うが、新しいことを始めるのはやはりトラブルがつきもの。逆に問題解決を楽しむくらいの気持ちでチャレンジした方が精神衛生上良いようだ。

 

1998.10.4.(SUN)
<今日の一言>

久しぶりに休日をゆっくりと過ごせそうです。

久しぶりに新宿の紀伊国屋に出かけた。紀伊国屋は新宿に2店舗あるが、本を買いに行くのはいつも高島屋の隣の新しい方である。こちらの方が広くてきれいで空いている。

「1000ドルから本気でやるアメリカ株式投資」(NTT出版、荒井拓也)、「発想の大転換」(東洋経済新報社、ウィリアム・グロース)の2冊を購入した。

「1000ドルから〜」はBenkeiUSAという米国株式とミューチューアルファンド投資の為の会社を設立した著者が日本の個人投資家の為に、インターネットトレードでアメリカの株式を手数料などを安くして買うための具体的方法を解説している。更に株式相場の見方や、個別株式の選択、他の有名投資家の投資方法なども紹介している。本の厚さの割に内容はぎっしりと詰まっている。お買い得本ではないだろうか。

ただし個人的には語り口がやや砕け過ぎで、人を小馬鹿にしたように感じられるのが何となく気になった。内容はあくまでも真面目ではあるのだが。

「発想の大転換」は株のピーターリンチと並び称せられた(私は初めて聞いたが)債券のウィリアム・グロースが書いた債券投資の本。といってもデュレーションがどうこうとかコンベキシティが、といった堅い話は出てこないようである。ピムコという債券投資では世界的に有名な会社の債券運用のヘッドであった著者の20年の経験には耳を傾ける価値があるのではないだろうか。まだ読んでいないので責任は持てないが。

多くの投資家がリスクに対して臆病になっている今こそこういった本を読んで個人投資のタイミングを待つのがいいのではないかと思った次第である。

 

1998.10.3.(SAT)
<今日の一言>

買い物、歯医者、美容室、と忙しい一日です。

モノの値段

モノの値段が相変わらず下がっている。スーツを買いに行くと以前は8万円以上していたP・スチュアートやBeamsでも6万円台に価格レンジが下がって来ている。ファストフードはもっと激烈である。マクドナルドの半額キャンペーンで影響を受けたのはハンバーガーショップだけではない。隣のコンビニの弁当も、牛丼店も客を奪われているのである。吉野屋も松屋もたまりかねたのか遂に牛丼の100円引きセールを始めた。

それに引き換え交通機関の料金というのは相変わらずの高止まりである。地下鉄も私鉄もバスも京王線が料金を引き下げた位で後は変らない。

タクシーの初乗りが660円で100円引きの牛丼が300円。この価格差にどうも違和感がある。勿論タクシーが人件費のかかる贅沢な乗り物だというのは理解したとしても、ワンメーターで2食食べられると思えば割高感を感じる。そう言いながら仕方なく乗ってしまうのも事実なのであるが。

国債の10年債が1%を割れる利回りになっているということは、市場はデフレを予想しているということである。今後更に商品の値段が下がってくということになれば、公共料金との価格差は広がっていくことになる。この価格の違和感が修正されるのはいつのことになるのだろうか。

 

1998.10.2.(FRI)
<今日の一言>

大同生命

大同生命の生命保険が健康体割引というのを始めるらしい。健康な人の保険料を割引き、さらにたばこを吸わなければ割引率をアップするという内容である。

健康体という判断は客観的にどうするのかといえば、血圧、BMI(ボディマスインデックス)という一種の肥満度、尿検査、といった条件をクリアすることが必要なようである。

たばこを吸わないというのはどうやって判断するのであろうか。申告制であれば嘘をつく人が出てきそうだし、検査にすると本人はたばこを吸わないのに間接喫煙で陽性反応が出ることもあるのではないだろうか。

いずれにしても生命保険の世界でもこういったリスク細分型の保険が広がりつつあるのは消費者にとっては歓迎すべきことではないだろうか。今回の大同生命は「すいません」という商品を既に発売している生保に比べ経営状態は遥かに良い。窮地に追い込まれて発売するのではなく、積極的な市場開拓を目指した商品として注目できるのではないだろうか。

 

1998.10.1.(THU)
<今日の一言>

第一勧業朝日JPモルガン投信投資顧問

第一勧業銀行グループとJPモルガンが資産運用業務で提携することになった、と日経新聞の一面で報じていた。いぶし銀の金融機関同士の協力関係という感じで派手さにはイマイチ欠けるが、私が興味を持ったのは新しくできる資産運用会社の名前である。

やはり今までの経緯からして名前をさらに積み重ね第一勧業朝日JPモルガン投信投資顧問とするのが筋ではないだろうか。第一勧業銀行自体そういう伝統を持って名前を変えずにきている。太陽神戸三井がさくらになり、協和埼玉があさひになってもひたすら合併前の名称を守ってきた。

名前を守るというのはそれはそれで一つの見識であるが、電話で自分の会社をどういうのかだけは考えておいたほうがいいのではと他人事ながら心配になる。

無愛想

七厘で炭をおこし自分で焼いて食べる店がある。名前は無愛想という。カウンターとテーブル席があり自分の目の前に運ばれてくる肉や魚貝類を好きなように焼くのである。

すべての材料に下味がついているので焼いたらそのまま食べてもいい。たこはすりごまをつけると絶品。はらみもオリジナルのタレがいい味を出している。そもそもこういった料理は材料の新鮮さが前提である。その点この店は安心して注文することができる。

無愛想という名前の由来は
「美味しい料理と酒があれば店は無愛想な方がいい」
という思いから来ているらしい。


しかし私の知る限り今の所この店は全然無愛想ではない。マスターは人なつっこいおしゃべりな人だった。でもきっともっと有名になれば味にこだわるおやじの風貌になり、店の名前通り無愛想な店になってしまうのであろう。だからなんだか勿体をつけるようで申し訳ないがこの店は余り人には教えたくないのである。

年齢差カップル

ローソンの森高や焼酎の原田知世といったCMの影響であろうか。最近電車の中でよく見かけるのは年齢差のあるカップルである。先日終電間近の電車に男が40代で女が20代のカップルがいた。最初は親子かと思うが手を握り合ったりしてどうも様子が違ったりする。

タブーへの抵抗感が無くなったということだろうか。年齢・家柄・学歴・離婚暦・勤務先・国籍といった概念の垣根が少しずつ下がってきているのであろうか。私が知っている例でも会社の妻子持ちの役員が20代の女性と恋に落ちて、財産も家族も全てを捨ててその女性を選んだというのがある。年齢差は40近い。

この話を会社のアシスタントの女性などにすると
「気持ち悪い」
という反応が返ってくるが、その20代の女性も最初は気持ち悪いと言っていたそうであるから人の心はわからない。


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