■ 空間の神は「人」に宿る
飲食店の店舗プロデュースをしている女性の方に会う機会があった。レインボー・ロール・スシ(東京都港区麻布十番1−10−3 モンテプラザ2階、03−5572−7688)を担当し、来月には表参道にオーストラリア料理のお店「シドニーブルー」をオープンする予定で準備に忙しいという。
店舗プロデュースというと、「空間の神はディテールに宿る」なる著作を出し一世を風靡した人を思い出すが、彼女の話を聞いていると神が宿るのは「ディテール」にではなく「人」に、であるようだ。
店舗のクオリティを決めるのは人である。接客をする店員のクオリティに一番腐心するという。単に広告で人材を募集するだけでは本当に必要な人は集まらない。実際に様々なお店に行って、この人は、と思う人はアプローチして一本釣りして、自分のイメージに合う人を全体の3割くらい集められれば成功するらしい。
しかし、一本釣りするといっても飲食店の場合、お店に入って席に着いて注文をしてからでないとどんな人が働いているかはわからない。何軒もお店を回り、欲しい人材を見つけるのには、時間がかかる。入ったお店に採用したいような人がいないこともある。
店舗デザインやメニュといったハードは目の肥えた東京の客には差別化が難しい。目新しいデザインやメニュもしばらくすると飽きられてしまう。しかし、人は別である。何となく感じが良い、とかお店に行くと楽しい、気分が良い、といった曖昧な部分は接客が決める。つまりは癒される店、になること。そこを押さえれば人気を持続できるのである。
飲食店といっても客が求めているのは料理やお酒だけではなく、店に行くことによって得られる癒される感覚、である。それを決めるのは充実したハードの上にトッピングされた人というソフトなのである。
<最近の一言> 勤務先のビルに入っている「トニー・タナカ・スタジオ」で髪を短く切ったら、吉本の芸人のようだと言われてしまいました。