SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2002/06/02 (日)

「チャイナハウス」と「オイシックス」

前から気になっていた、「チャイナハウス」(渋谷区幡ヶ谷1-3-1、03-5388-8178、17:30〜23:00 月休)に行く機会があった。京王新線の駅構内の商店街にあるのに、立地からは想像もできない料理を出す店との評判であった。新宿から2つ目の幡ヶ谷駅を降りて、マクドナルドを通りぬけるとお店が見えてくる。駅ビルの寂れた雰囲気の中、店に入ると確かに雰囲気が一気に中国になる。

料理はイノシシの肉団子、空心菜と自家製ベーコンの炒め、黄韮の炒め、シンプルなチャーハン、ユリの花の炒め物、など見たことのないものばかり。どれも期待を裏切らない。

この店は20人も入ると満席であるが、調理人と接客担当の2人で切り盛りして違和感無く回っている。なぜかというと、注文を取らず、店が作った料理を順番に出していく、おまかせ方式だからである。調理人がテーブルの料理の進み具合を見ながら料理を勝手に作っていく。客は出てくる料理を順番に食べるのであるが、どれも見たことの無いようなものばかり、しかも美味しいので喜んで食べている。

この方式であれば、注文をいちいち聞いてから料理する必要がなく、まとめて調理できるので時間が節約できるし、材料にも無駄がない。そしてそれによるメリットをお客に還元し、リーズナブルな値段で提供している。吟味された材料をきっちりと調理して出てくる意外性のある品々におまかせでも裏切られないという信頼関係があってはじめて成立するシステムであろう。

おまかせ方式といえば、週末にオイシックスの宅配の食材を食べてみた。アジの開き、たまご、アスパラ、キャベツ、トマト、きゅうり、きのこなどが入ったお試しセットで2千円である。土曜日の午前中の配達指定で、10時頃届けられた。

アジの開きは甘味のある繊細な身が素晴らしく、トマトやきゅうりはとにかく甘くてみずみずしい。たまごも黄身にコクがあってご飯にかけるだけで感動的な食事になりそうである。食材のレベルはかなり高い。

このおまかせセットが気に入ったら今度は自分で好きなものを注文できるわけであるが、オイシックスでは、たぶん注文をインターネットで受けてから、まとめて契約している生産者に発注し、それをデリバリーするという流れになっているのであろう。この方法であれば普通のスーパーのように仕入れたものが古くなったり、賞味期限を過ぎて捨ててしまう、といったことが減らせるのではないだろうか。

オイシックスのウリは品質である。安全であるということと美味しいということ、2つのニーズをとらえてビジネスを展開していこうとしているわけであるが、店を持たない、廃棄ロスが少ない、ということを価格に反映させられれば、更に消費者に受け入れられるのではないだろうか。品質をウリにしているだけならナチュラルハウスをオンライン版ビジネスということになる。

セブンイレブンが伸びたのは、過去のデータを綿密に分析し、顧客の行動を予測することで機会ロスや廃棄ロスを減らし、顧客満足度を高めてきた。しかしそれは所詮、見込み生産の域を出ない。

「チャイナハウス」と「オイシックス」を見ていると、見込み生産を極めるのではなく、提供者からニーズを作り出し、効率的に提供する、という更に一歩進んだ顧客サービスの可能性を感じるのである。

<最近の一言> インド人と仕事をしているおかげで、インド料理を食べる機会が増えました。銀座「ラージ・マハール」、六本木「モティ」。彼らが紹介してくれるお店、料理ともさすがにどれも絶品です。


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