SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2002/06/09 (日)

さわかみファンドはなぜ売れる?

さわかみ投信という会社がある。澤上さんという人が日本に今までなかった個人投資家向けの本格的な長期運用のファンドを作ろうとはじめた会社である。

新たなビジネスということで、投信を設定するときには色々苦労があったと聞くが、現在は3万人以上の投資家から資金を集め、残高も350億円以上と順調に展開している。

やっていることに、とにかく筋が通っている。投信は1本しか設定しない。たくさん設定しても意味がないからだ、という。「安く買って高くなるまでずーっと持つ」という運用スタンスでTOPIXなどのインデックスを上回る実績をあげてきた。解約する人が極めて少ない、というのも今までの投信ビジネスの常識とは異なっている。しかしよく考えれば、さわかみ投信のやっていることが当たり前で、変わり映えのしない新ファンドを乱発し、回転売買で手数料を稼いでいた今までの投資信託ビジネスの方がおかしかったのだ。

さわかみファンドにも批判はある。よく言われるのは2つあって1つは、運用を担当している澤上さんに万一の事態があったら他の人が運用できるのかというもの。もう一つの批判は銘柄が分散されていて結局インデックスファンドとあまり変わらないのではないか、という意見である。

澤上さんの万一の事態というのはともかく、銘柄の分散について言えば、組入れ銘柄は確かに多い。100銘柄以上が入っている。アクティブファンド(ファンドマネージャーが投資銘柄を選ぶファンド)としてはかなり多い。

投信業界では最近、エンハンスドインデックスという運用方法が注目されている。エンハンスドインデックスとはインデックスファンド(日経平均やTOPIXといった指数に連動した動きをするファンド)に追加して何らかのリスクを取り、インデックス+αのリターンを追求する運用方法である。インデックスをさらにエンハンス(高めた)したという意味である。

この運用方法を耳にしたとき、さわかみファンドを思い出した。さわかみファンドはアクティブファンドという事になってはいるが、組入れ銘柄数が多く、リスクは抑えられている。インデックスに近くなっているわけである。銘柄数を増やした結果、アクティブファンドではなく、エンハンスドインデックスに近い運用になっているように思った。プラスαのリターンはシステマティックな方法ではなく運用担当者の銘柄選択が実現しようとしている訳である。

ファンドマネージャーが銘柄を選択するアクティブファンドは最近販売が低迷しているが、インデックスファンドは好調であるという。そのような中、さわかみファンドがアクティブファンドなのに宣伝もせず販売を伸ばしている。澤上さんの頑固な運用ポリシーが支持されていることはもちろんであるが、その運用方法が実は純粋なアクティブファンドとは異なるところにあるのではないかと思った。

投資信託は預貯金中心であった日本の個人金融資産の新しい運用対象になる商品であると信じている。さわかみファンドの成功が今まで個人投資家を食いものにしてきた投信市場を改革し、投信市場全体の拡大の起爆剤になれば、と思っている。

<最近の一言> ゴールデンウィークにはじめた部屋の大改造がまだ続いています。考えれば考えるほど、作業は進まず、部屋は余計に散らかった状態になってしまいました。


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