世の中にこんな旨いものがあったのか?(秋元康著, 扶桑社)を読んだ。かつておニャン子クラブでブームを作り、美空ひばりの「川の流れのように」を作詞した意外な面もある著者であるが、この本はグルメ本ではなく、秋元康を好きな人が読むエッセイである。
紹介されているお店は電話番号などの連絡先が掲載できない店が多い。そして紹介されている料理も通常のメニュにはない特別料理が多かったりする。つまりグルメガイドとしてはあまり使えないのである。そして全体に脂っこい料理が多い。餃子なんか3つも紹介されている。
しかも店のチョイスも必ずしも同意できなかったりする。全部の店を知っている訳ではないが、たまたま自分が行ったことのある店の文章を読むと、書いてあることに同意できない部分があったりする。店のチョイスにも一言言いたくなるのである。
それにもかかわらず、しかも秋元ファンでもないのに、不愉快にならないのは、なぜか。素直に美味しいと思うものを選んでいる子供のような無邪気さか。それとも、あの独特の秋元ワールドの文体であろうか。それとも体重20kg増加によって出合った美味しいもの、という哀しさだろうか。
きっと、グルメではなく食いしん坊、と言い切る素人感覚を認めた謙虚さに自分と同じ目線を感じこのエッセイを受け入れてしまうのだろう。秋元さんはいい人に違いない、と勝手に思った。
<最近の一言> サッカーの日本−チュニジア戦の夜渋谷を歩いていると、センター街がインディーズライブの客席のような興奮の坩堝状態になっていました。実は日本にはサッカーファンがたくさんいたんですね。