SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2002/07/21 (日)

曖昧な味覚

最近、またお会いしたことのない方からメールを頂く機会が増えた。「天使の誘惑」が買える都内のお店を教えてくれたり、恋愛観についての考えを書いてくれたり。自分が書いたものに対して、反応があるというのは素直にうれしいもの。でも何故か音楽について反応して書いてくれる人はいない。どうしてなのか。また今回も食べ物の話である。

20日は渋谷でCD(That's The Way Of The World  Alive In '75、EARTH WIND & FIRE)を買い、自宅まで炎天下を汗だくになって歩いた。これは結構バテた。少し風邪気味の体にはこたえたようだ。

そして夕方、久しぶりに下北沢に行ってお好み焼きを食べた。1998年の12月に初めて行って感動した「広キ」(キは七が3つ、世田谷区北沢2−14−14)である。広島風お好み焼きの上にレタスの千切りを乗せ、上からレモンを絞るさっぱりとした味は健在だった。ネギポンという刻んだネギにポン酢をかけただけのつまみやタコのネギポン酢かけ、などもいける味で、昔を思い出した。

が、食べ終わった後の気分が、何となく物足りない。お好み焼きのキャベツとでんぷんの味が単調で飽きてしまうのかもしれないが、満腹感の割りに満足感がついて来ない感覚であった。決して美味しくない訳ではないのだが。

日曜日のお昼には恵比寿「ぢゃぶ屋」(渋谷区恵比寿1−7−3、5420−0647)で(冷やし)つけそばカレー(850円、大盛りは150円増し)を食べてみた。女性客を意識しているようでカウンターだけのこぎれいな店内はラーメンのお店というよりバーにも見えなくない。和歌山ラーメンのまっち棒が母体らしい。(といっても、まっち棒は食べたことはないが。)

つけそばカレーであるが、麺は平麺でしっかり歯ごたえがあり、素晴らしい。つけ汁もたっぷりと具が入っていてカレーがきれいに伸ばされている。暖かいおつゆに冷たい麺という取り合わせである。食べ終わるとスープ割りにしてもう一度楽しめる。スープもこってりとあっさりが用意されていてこの辺も工夫している。

カレー好きなのでこのつけそばカレーにはかなり期待したのであるが、残念ながらこれも何か物足りない。麺もつけ汁もそれぞれが丁寧にちゃんと出来ているのに、コンビネーションになると一体感がないのである。カレーがもっと麺に絡みカレーの辛さと香りが強い方が良い。そのためには麺がもっと表面のザラザラした縮れ麺の方が良いのでは、そしてスパイスも強くした方が、などと勝手に思った。

2つの店とも今回は何だかぱっとしなかったのだが、考えてみればこの蒸し暑くて体調の悪い中、何を食べてもそんなに満足できないのではないかと思った。お好み焼きにしてもラーメンにしても食べる時の環境や体調で味の感じ方が変わってくる。

味覚とは主観的で曖昧なものである。それなのに一度店で食べただけで味に評価をし、ああしろこうしろ、と指図するのは傲慢であろう。グルメ本の味の評価を信用しないのも同じ理由である。「広キ」も「ぢゃぶ屋」も店に入ると一生懸命仕事をしている店員の熱意が伝わってきた。近いうちにもう一度行って同じものを注文したらどう感じるのか比較してみたい。

<最近の一言> 健康診断の結果「異常なし」となりました。あまりの完璧な内容にふと検査方法に疑問を感じたりします。


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