SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2003/06/22 (日)

おばあちゃんの家

やばい映画を見てしまった。やばい、というのは涙が止まらないので明るくなっても泣いているのを見られて恥ずかしいという意味でやばいのである。

きっかけはサンプラザ中野さんの
このメールのコラムだった。「この予告編が素晴らしかった。俺は泣いた。予告編で泣いたのは初めてである。鼻などすすったら恥ずかしいぞ、と思ったら横の人が鼻をすすった。何人かすすっていた。」というのを見つけて観に行ったのである。

1時間半のシンプルな映画。作品としての完成度は必ずしも高くない。でも、そんなことに関係なく後半になると何だか涙が止まらないのである。会場でも周りの客が男女問わずみんな泣いている。後半になると暗闇の中ですすり泣きの大合唱である。

口のきけない田舎のおばあちゃんと都会からやってきた孫との短い生活。そんな韓国の映画がどうしてみんなの心に入り込むのであろうか。それは映画を自分の少年時代と重ね合わせるからではないだろうか。

私も映画の中の韓国の田舎の情景を見ながら、自分の祖母が住んでいた山梨県の山や川の思い出を重ねていた。主人公のおばあちゃんが自分のおばあちゃんに見えた。誰でも子供の頃、祖母に色々世話を焼かれてうるさいな、と思った記憶があるだろう。そんな経験を思い出して今ごろになって反省する。

映画館を出た後も自分の幼少時代を考えた。もう自分には祖母がいないことを思い出す。そしてまたちょっと涙ぐんでしまう。後をひく映画である。

東京では岩波ホールで今週の金曜日までの上映である。上映終了間近なのにもかかわらず客席はほぼ埋まっていた。

神保町からの帰り道、お盆には田舎に帰ってお墓参りをしよう、と思った。


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