SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2003/11/06 (木)

「何でもあり」

世界で最も成功した社会主義は日本だ、とはよく言われるジョークであるが、共産党が今も支配する中国はどうなのだろう。

3月に上海に行き、今回また行って見て半年間の変化を感じたのは街にホームレスが増えたことと、高級車を見ることが多くなったことだ。

外人向けのバーが並ぶ旧租界地区には半年前にも小銭をせがむホームレスの子供たちがたくさんいた。店から出てくる酔客に紙コップを差し出し後ろからずっとついてくる。深夜近くに睡眠も取らずに親に命令されるまま働かされる幼い子供を見るとついお金を渡したくなるのが人情であるが、決して渡してはならないと目を合わせないよう無視しつづけた。

今回も同じ場所に子供たちはいたが、さらに驚いたのは繁華街の歩道で見かけた障害者のホームレスの子供たちだった。不自由な体を動かしながら紙コップを差し出す姿にショックを受けた。

一方で落ち着いた住宅街に行くと、BMWの新型の7シリーズを洗車している姿を見かけた。上海で見る車はほとんどがVW社製のタクシーだが、今回はBMW、ボルボ、ベンツのような高級自家用車もちらほら走っていた。

街には車があふれ、道の渋滞はますます激しくなっている感じがした。人気のあるレストランは予約をしないと夕食時は満席で入れない。タクシーは空車が減って、客が降りてくるタクシーに次の客が殺到する。そんな豊かであわただしい生活をする人の横で、ゴミ箱をあさっている人、住宅地で落ちている金属部品を拾っている親子もいた。ガスも使えない古びた平屋の集合住宅の横で高層マンションの工事が大規模に進む。

共産党が支配する究極の「資本主義」。成長と共に見えてきた社会のひずみはこれからどう解決していくのだろうか。すべてを混在させてしまうそんな中国には「何でもあり」という言葉が一番しっくりする。


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