■ 物理学者の株式投資
証券会社の営業マンの言うままに株を買って損をした物理学者が、持ち前の探究心でテクニカル分析とパソコンによるネット株取引をマスターし、MM法という投資手法を編み出した。これが著者の増田氏が株式投資をはじめて本まで書いてしまうようになったいきさつである。
この本の面白いのは超伝導を研究していた国立大学の博士が、60歳になってから株式投資を始めた。しかも取引手法はテクニカル分析を活用した短期のトレーディングであるということだ。
国立大学の理系の学者、60歳、と聞いただけで株式投資なんかやっても失敗するに決まっている、と思う。しかも取引手法が短期のトレードというと一層不安になってくる。そしてチャート分析によるテクニカル手法を使っているのである。
長期投資より短期取引の方がリスクが小さい、と増田氏は言う。短期でロスカットをきちんとすれば失敗してもその金額は知れているからだという。逆に長期投資をしても例えば雪印のような企業だったら長期の苦労が水の泡になるリスクがあるというのである。
テクニカル分析についても企業分析よりもマスターしやすくプロとのハンディが小さいという見解である。
長期投資で企業の価値を考えるのが一番安全な投資を思っていた私にとってはユニークな着眼点に見えて仕方ない。
お会いして是非話を聞いてみたいと思う。