■ バカの壁と世界に一つだけの花
昨年1番売れたCDは「世界に一つだけの花」、一番売れた本は「バカの壁」だった。去年のイラク戦争がこの2つをヒットさせたとの解釈がある。
「バカの壁」はイスラム文化圏とキリスト文化圏の相互理解ができないのは「バカの壁」があるからだというわかりやすい説明として。そして「世界に一つだけの花」は戦争を仕掛けた何でも1番にならないと気がすまない国に対するアンチテーゼとして。
しかし「バカの壁」の使われ方を見ていると、話が合わない人、議論がかみ合わない場合を「バカの壁」と名付けることによって安易に処理してしまっているように思えることがある。話し合いを粘り強く続けるより、分かり合えないのは仕方ない、と諦めてしまう。そして分かり合える人だけで付き合うしかない、という達観である。
「世界に一つだけの花」にはこんな歌詞がある。
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NO.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly One
(作詞・作曲・編曲 槙原敬之)
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各人の個性があるから、一元的な価値観の競争は視野の狭い考えだ、というメッセージなのかもしれないが、一方でここにも競争はやめてわかる人たちだけの世界にこもってしまう傾向が感じられる。
去年のヒット作から読み取れる時代の流れは、戦争に対する思いではなく、自分の理解できる世界以外は「わからない」「関係ない」という無関心主義ではないか、と思う。
理解できる気持ちの良いことだけを賛美し、理解できないことはわからない、興味がない、で処理してしまう安易な考え方が増えている、という結論は安易な結論だろうか。