■ 効率的市場仮説のパラドックス
効率的市場仮説というのがある。これは例えば株式市場で何らかのニュースや情報を使って投資タイミングを考えても、そのニュースは既に価格に織り込まれているからそのような投資をしても市場平均より高いリターンは実現できない、という考え方である。
この仮説を信じるなら、株式投資をする時はトヨタを買うか、ソニーを買うか、といったことを考えずに市場の平均であるインデックス(日経平均のようなもの)に投資した方が良い、という結論になる。
「天才数学者、株にハマる」(ダイヤモンド社)を読んでいる。書いてあることは結構面白いであるが、残念ながら文章がとっても読みにくい。話にまとまりがない散文調だからだというのもあるが、最大の難点はグラフや表が1つも無いことだろう。リスク、統計、確率論、CAPMといったことを文章だけで説明するのは無理がある。
著者は「効率的市場仮説のパラドックス」を説明している。これはこの仮説は市場参加者の全員が信じていないから成り立つものであり、全員が信じてインデックス投資を始めたら成り立たなくなってしまうというパラドックスが存在するという主張である。
ファンドマネージャーが存在していたり、銘柄情報を提供する雑誌が売れているのは市場は非効率だと思う人がいるからであり、だからこの仮説は現状成り立っている、ということになる。
現実に(無意識にかもしれないが)市場は非効率だと思っている人は多い。だから銘柄推奨ビジネスの需要があって彼らは利益を得ている。しかし果たして誰の意見が真っ当なのだろうか。
占い師になった方が良いと思うような怪しげな株式評論家やアナリストといった人たちが銘柄推奨を行い人気を競う。彼らの客観的な評価を行う仕組みが現れても良いのでは無いか、と思う。