■ Yahooとみずほ
来年就職する大学3年生の就職活動がピークを迎えている。最近は就職難で完全な買い手市場になっている。学生はメールでエントリーシートと呼ばれる質問用紙を送り、セミナーに参加して面接、という涙ぐましい努力をしている。私が就職活動した80年代後半とは様変わりである。
80年代後半のバブル直前の頃就職活動は楽だった。大学のOBに気に入られれば内定が出た時代だ。人気があったのは金融であった。理科系の学生も証券や銀行にどんどん入社した。中でも興銀、日本生命、長銀、三菱銀行などが「一流」とみなされていた記憶がある。その後の企業の栄枯盛衰は当時誰にも予想できなかった。
最近は例えばYahooとみずほフィナンシャルグループに内定するとほとんどがYahooに行きたがるという。しかし田舎にいる親に相談するとYahooを知らない。事業内容を説明してもオークションだの、ポータルといった概念は理解できない。そんな親に銀行よりYahooが良い、ということを説得するのが大変らしい。
しかし学生の選択が正しいとは限らない。学生はどうしても成長志向になる。新しい業態や伸び盛りの会社に行きたがる傾向がある。しかし選択した会社が本当にこれからも成長するかは確実ではない。さらに成長企業にはやりがいや達成感が得られる仕事があるかもしれないが、一方で人材育成や研修といったサポートは一般に弱い。
伝統のあるしっかりとした企業で充実した研修を受け、スキルを身に付ける。そして、自分の好きなフィールドを探す。それが社内になければ得られるところに飛び出していく。それが現実的で最も合理的な仕事の選択であると思っている。