SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2004/03/05 (金)

食の安全とリスク分散

食料自給率は高い方が安全保障上望ましい、というのが世間の常識である。

週刊ダイヤモンドに野口悠紀雄教授が書いているのはそれと反対の「食料自給率は低い方が良い」という意見だ。一見適当に書いているのかと思ったが、分散投資という観点からの考えだ。

投資理論によれば、すべての卵を1つの籠に入れてはいけない、という分散投資の基本的考えがある。また経済学では比較優位という考えもある。簡単に言うと各国が自分の得意な分野に集中し貿易を行う方が、それぞれの国が自給自足を目指すより効率性が高いという理論である。

安全保障上の議論からは分散投資の考え方を使えば、食料は自給にこだわらず、輸入先を分散する方がリスクが少ないということになる。自由貿易が続くという前提ではあるが。

例えば国内でBSEや鳥インフルエンザが蔓延するような最悪の事態になった場合、国内自給だけで食料を調達しているのは逆にリスクということになる。

食料、特に米の話になると日本人は感情的になる。食料も国内生産農家の保護なのか食料の安全のためなのかわからないような議論が多い。

世間の常識はいつも疑う、という姿勢を持つことは難しいが重要である。


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