■ 新卒採用の目利き能力
大学3年生の就職活動が本格化している。私が学生だった頃は4年生の夏に内定が出た記憶があるが、今はそんな頃には主要企業の採用は終わっているらしい。
就職活動のスタイルも企業と学生の力関係を反映してすっかり変わってしまった。バブル直前の1980年代後半の就職活動はアバウトなものであった。大学のゼミの先輩のオフィスに行ってご飯をご馳走になり、何人かの人に会わせてもらう。気に入られたら人事部面接で内定が出る、という方法だった。入社してから採用する側に回ってわかったが、評価の基準は「しっかりしている」「バランスがいい」といった曖昧な基準だった。
最近の就職活動はメールでまずエントリーシートというものを送るのが一般的だ。志望理由、今までの苦労した体験、といった数百字のエッセイを書かせ、次に英語のテスト、会社説明会、面接というプロセスに入っていく。大量の書き物とメールのやり取りを辛抱強く続ける根性が不可欠の能力である。
随分形式的にはしっかりした方法で選抜するようになったが、果たしてそれで前より優秀な学生を選ぶことができるのであろうか。
そもそも優秀な学生とはどんな人なのだろうか。それは会社の中でどう仕事をするかによって変わるのではないかと思う。日本電産の永守社長の言葉ではないが、能力にはせいぜい5倍位しか差が無い。しかしやる気には100倍の差がある。
ということは本当にその会社の仕事をしたい、という熱意ある人を採用して、責任を持って自由にやらせれば優秀な社員になるのではないかと思う。好きこそものの上手なれ、である。就職活動を見ているとそんな簡単なこともわかっていない企業は相変わらず多い。