■ 未来年表
修羅場のマネー哲学―1億5000万円の借金を9年間で完済した男(木戸次郎、幻冬舎アウトロー文庫)を読んだ。
前半部分は過去の借金とその返済の歴史を書いただけで投資の参考にはならない。文章も稚拙である。ただ、私のような1980年代後半のバブルを経験した世代の人たちにはバブルとそれが崩壊した1990年代という時代背景を感じることができる本である。後からは「異常だった」「おかしいと思った」と言うのは新聞記事と同じで誰でも言える簡単なことであるが、実際にその中にいたらどうなっていたか、もう一度考える機会を提供してくれる。
実はこの本が面白いのは文庫版のあとがき、の部分である。著者は2004年に日本の日経平均は16000円をつけるといっている。IT、新エネルギー、カジノの3つがテーマになるというのである。そして2006年に日経平均は25000円から27000円のピークを迎え2008年から年金問題をテーマに下落に突入すると予想する。
当たる当たらないはもちろんわからないが、この予想を著者が作った未来年表を元に考えたと書いている。
将来は現在の延長にあると考えては変化をチャンスにすることはできない。最悪の事態を想定しながら最善を望むというスタンスが未来の変化を味方につけるのである。
世の中の見方を考えるヒントとして文庫版あとがきだけでも533円の価値はある本だ。