SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2004/03/18 (木)

0.6寸法師

投資信託の良し悪しを評価する1つの要素は過去の運用実績である。長期のトラックレコードによって定量分析が可能になる。これは自分の都合の良い時期だけを取り出すのではなく、運用していた全期間を対象にしなければ透明性は確保されない。

「一寸法師」という愛称の投資信託があった。カリスマファンドマネージャーが小型株に投資するということで話題を呼んだ商品である。

3年間クローズド期間がある(流動性がなく売れない)、手数料4%、信託報酬2.6%、信託財産留保額1.0%という強気の条件であった。しかし設定後の運用成績はパッとせず4割以上下げた時期もあった。一寸法師が0.6寸法師になってしまった訳である。

そしてこの元カリスマファンドマネージャーが運用担当者としてこの度運用を開始するのが鞍馬天狗という愛称のファンドである。

この運用会社のホームページには「透明な経営」が謳われている。そこには2800億円の資金を集め、200%を超える運用リターンをあげたことは誇らしげに書いてあっても、一寸法師のパフォーマンスには一切触れられていない。

一寸法師はチーム運用であったから、との言い訳が聞こえてきそうであるが、果たして成績が良くてもトラックレコードは掲載しなかったのだろうか。

ファンドの実績はマーケット環境との相対的な評価もあり、絶対リターンだけで断定するのは危険である。しかし少なくとも上手くいかなかった時のデータも開示をしてこそ「大きな流れを作り出す」新しい運用会社と言えるのではないだろうか。


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