SHINOBY'S WORLD SHINCE: SEPTEMBER 30, 1996




エッセイ

2004/04/27 (火)

相対的な評価

元調査員に内情を暴露されたグルメガイド「ミシュラン」が、取材態勢はフランスだけで21人、全欧州では70人の調査員がいると公表した。調査対象の店は平均18カ月に1回、有力店では年に10〜12回訪れ、様々な料理で水準をチェックする体制になっているらしい。

料理やお酒は一瞬の芸術である。芸術の中でも絵画であれば美術品として形が残るし、音楽も録音されればライブにはかなわないとしても音は残して繰り返し聴くことができる。しかし料理やお酒は違う。

料理であれば作り手の調子、味わう人の体調、雰囲気、同席する人、お酒のマッチング、そして食べるタイミングによって感動は大きく異なる。

ワインなどでは抜栓してからしばらくしてからの方が状態が良かったりする。いわゆる「開いている」状態になるのに時間がかかるのである。場合によっては開けてから3日目4日目が最高の状態になるものもある。

つまり味覚は完全に同じ条件での比較ができない宿命にある。1年前に食べたフレンチとまったく同じものを今日注文してもそれは厳密には別物であるからだ。

だから味覚を点数で評価することにはそもそも無理があるのである。ましてやそれを一人でやって一貫した評価を続けられるとはとても思えない。

グルメ本やワインの評価本などは1点の差に一喜一憂するものではなく、極めて主観的で曖昧なものだという前提で利用すべきである。


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