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「成城石井」というスーパーをご存知でしょうか。東京では駅ビルの中に出店が増えてきており、チーズや生ハムといった高級食材を取り扱っているお店というイメージがあります。この不思議な名前のスーパーの正体を解き明かしたのが、上阪徹さんの書いた最新刊です。

書籍の中でなるほどと思ったのは成城石井が大切にしている4つの基本が「挨拶」「クリンリネス」「欠品防止」「鮮度管理」だということです。奇をてらったブランド戦略を取るのではなく、スーパーの基本を徹底して、お客様に気持ち良く買い物をしてもらう。そして購入した後に後悔しないような商品をそろえる。また、特に郊外店の場合、成城石井だけで買い物が完結できることが重要です。例えば、惣菜だけではなく、野菜や果物も買えなければ、別の店にわざわざ行かなければならないので不便です。一通りの商品が常に揃っていることが重要なのです。

また、お店に行ってみるとわかりますが、成城石井ではレジの梱包はお客さんではなく店員が会計をしながらやってくれます。この時の品物を袋に入れていく技術が凄いのです。どの食材が下に来るか。素材が痛まないように工夫し、また持ち帰る時に形が崩れないようにレジ袋に「収納」していく。店員の研修が徹底して行われていることがわかります。

成城石井のライバルといえば、紀伊国屋や自由が丘ガーデンなどを思い浮かべます。しかし、品ぞろえのバリエーションという点では、成城石井はこれらの高級スーパーとは大きく異なります。何でもバランス良く売っている便利なお店。だから、成城石井の商品の中には普通のスーパーでも売っているものもたくさんあります。

成城石井というお店を、高級スーパーと考えるのは大きな間違えです。確かにダイエーやイオンのような大規模スーパーからすれば、品揃えは少し高めのラインアップになっています。しかし、夫婦と子供2人の4人家族といった育ちざかりを抱えたファミリー層ではなく、独身者やカップル2人組みのような、「美味しいものを少しだけ」という人たちにとっては、ワンストップで完結できる便利なスーパーと言えます。

私の家から一番近い成城石井は車で5分ほど走った目黒区八雲にあります。徒歩圏にはダイエー碑文谷店があるのですが、大規模スーパーなのに肝心なものがまったく売られていません。ファミリー層しか相手にしていないからです。ひと気の無いダイエーの上層階に成城石井を誘致して欲しいと思っているのは私だけでしょうか。

<参考図書>

「成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?」 上阪徹著

<業務連絡>
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