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とあるメガバンクに行くと、店内に外貨預金のキャンペーンを見つけました。米ドルで金利10%、豪ドルなら金利12%という「高金利」外貨預金。窓口限定の商品です。まだ、こんな子どもだましをやっているのかと呆れました。

このブログをお読みの方なら、すぐにわかると思いますが、「買ってはいけない」典型的な金融商品です。10%、12%というの金利は最初の1か月だけ。為替手数料も合わせて計算すれば、極めて高コストの外貨運用になるからです。

米ドルで10万ドル(約1200万円)以上なら10%というケースで試算してみましょう。

市場の為替レートが1米ドル=120円とすると、外貨を買う時は121円、売る時は119円になります(為替手数料1円)。わかりやすくするために、外貨預金を1,210万円する場合、ドルは、丁度10万ドルになります。

これを1か月10%(税引き後7.969%)で運用すると、税引き後の利息は

100,000 × 7.969% × 1/12 = 665 米ドル

です(年間金利10%を12で割って、1ドル未満を切り上げました)。これを元本100,000米ドルと合わせて、1米ドル=119円で円に戻すと、

1197万9,135円になります。この時点で、約12万円の「元本割れ」になります。

では1年保有するとどうなるでしょうか。通常の米ドルの通常の外貨定期預金金利は、1年定期でも0.31%です。1か月目は10%で運用できても、2か月目以降は通常の定期で運用なら、為替レートが動かなければ、1年後もやはり「元本割れ」になります。

この「超短期・超高金利外貨預金」れは、投資初心者が良く引っかかる、高コストの「カモ商品」です。金利10%といっても1か月だけなら、実質は1%以下。高い為替の手数料に比べてメリットというほどのものではありません。外貨投資は、金利よりもむしろ為替手数料に注意しなければならないのです。

きちんと説明をして販売しているはずですから、合法的な金融商品ではありますが、資産運用の中上級者は決して手を出さない商品です。外貨運用をするなら、もっと低コストで同じリスクで高いリターンが期待できる商品が存在するからです。

この宣伝の横には、投資信託と円の高金利定期預金のパッケージ販売のキャンペーンも出ていました。こちらも円の定期預金の高金利優遇期間は最初の3か月だけです。

店内で待っているお客様を見回すと投資相談に来ているのは、シニアの人ばかり。お年寄りにこんな商品を販売して、手数料を稼ぐ金融機関。「なんだかなあ~」と、重い気持ちになりました。金融機関に高い手数料を支払っている資産運用の「情報弱者」にならないためには、メールマガジンやセミナーで勉強し、情報武装するようにしなければいけません。

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