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1月20日の日本経済新聞朝刊の記事によれば、国際通貨基金(IMF)が世界経済の2016年の成長率を昨年10月の3.6%の予想から3.4%と0.2%下方修正しました(図表も同紙から)。

2016年のエリア別の予想を見るとアメリカは2.6%、新興国は4.3%、中国が6.3%という中で、日本は1.0%と最低です。

2017年の日本は4月に予定されている消費税の増税の影響を織り込んだため、0.3%とこちらも最低水準に留まります。これはロシアの1.0%を下回る予測です。日本の場合、国内の構造的な問題が原因ですから、成長率の改善には大きな改革が必要です。

もし自分が日本人でないとしたら、このIMFのデータを見て日本に投資したいと思うでしょうか?

もちろん、日本国内でも成長性には地域差があります。例えば、東京23区をはじめとする都心部は人口流入や設備投資によって高い成長を維持しており、人口も増加しています。不動産投資については、低成長の日本の中でもエリア戦略を立てることができます。

しかし、日本国内全体を見て有望な成長エリアが見つからなくなれば、海外から日本への投資は限定され、投資額には限界が出てきます。逆に、国内に有望な投資先が見つからなければ、国内にある投資資金は為替リスクを取ってでも海外に出ていくことになります。

邦銀がアジアの銀行へ出資を積極化させたり、保険会社が海外の保険会社を買収したり、メーカーが海外企業にM&Aをかけたりといったニュースが次々報道されていますが、これらの調達資金は円売り外貨買いによって準備されることになりますから、長期の円安要因になります。

市場がリスクオフと呼ばれるリスク回避モードになると、低金利で円を調達して外貨投資を行っている資金が、円に戻ってくるため円高になります。年初からの円高も、原油安・株安によって投資家が円キャリーのポジションを解消したことが大きな要因です。このような投資的な資金は、短期の変動要因になりますが、長期的には元に戻る資金ですから影響は中立的と考えて良いでしょう。

将来の為替の予想をするのは、地震の予測と同じように難しいことだと思います。忘れてはならないことは、目先の投機的なお金の流れだけではなく、長期的な世界経済の構造変化も考えること。そこから、5年後、10年後に向けてどのような通貨配分をすべきかが見えてくると思います。

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※内藤忍、株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。