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田園調布で開催された相続税対策セミナーに参加してきました。会場はシニアの皆さまで立ち見が出るほどの大盛況。関心の高さを実感しました。

私もお客様からのニーズが増えてきたことに対応して「特別なパーソナルコンサルティング」を実施しますが、相続で失敗する理由の1つは、正確な知識と豊富な経験を持った税理士が少ないことです。

税理士さんといっても、相続税に関する実務経験には人によってかなりの差があります。知識が無い場合はせっかくの節税機会を逃してしまいますし、知識があって理屈が通っても、税務署の担当者に認めてもらえなければ、意味がないのです。

例えば、相続税対策として、生前に子供の名義口座に毎年110万円を振り込んで生前贈与している人がいます。年間110万円までは贈与税の基礎控除があるからです。しかし、単に子ども名義の口座に振り込むだけでは、税務署からは否認される可能性が高いのです。理屈では贈与になると主張しても、税務署には税務署のロジックがあり、それを経験として知らないと後から大変なことになります。

また、相続はやり方を間違えると、家族関係を崩壊させる、厄介なものでもあります。家族全員が感情的にならないように、しっかりと準備をしておかないと、後から後悔することになりかねません。

さらに、相続税のことを考える余り、間違えた金融商品や、不動産などに投資してしまう例も多いようです。税務の知識だけではなく、資産運用の知識も組み合わせないと、最終的に何をやっていたのか良く分からなくなってしまいます。

相続対策で大切なのは、「セカンドオピニオン」「サードオピニオン」を取って、最終的な決断をすることではないかと思います。

今回参加したセミナーも、税理士の先生の相続税対策のお話と、その後に不動産会社の方が紹介した投資用不動産のお話が、必ずしもベストなソリューションとは思えませんでした。それを判断できるようになるには、別の意見も聞いてみて経験値を高めるしかありません。

資産を次世代に送るのは、簡単なようで、深い知識と情報収集が必須であることを痛感する2時間でした。

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