総務省が7月1日に発表した住民基本台帳に基づく、2015年1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人の人口は1億2616万3576人で、1年前と比べて約27万人の減少となりました。人口は6年連続の減少で、年間減少幅は調査を始めた1968年以降で最大。また、出生数は79年の調査開始以降で最少の100万3554人です(日経新聞より)。
都道府県別のデータを見ると、人口が増えているのは、東京、沖縄、埼玉、神奈川、愛知、千葉の6都県だけ。残りの41道府県はすべて人口減少になりました。その中でも増加率、増加数とも東京が圧倒的で、埼玉、神奈川、千葉も含めた関東への人口流入傾向が顕著になっています。
さらにミクロに見ると、すべての町村のうち88%で人口が減少。市区では77%が減少しています。
もはや、人口が増えている場所の方が圧倒的に少ないのです。
一極集中も問題ですが、もっと深刻なのが高齢化です。14歳以下の年少人口は1631万18人で、人口に占める割合は12.93%に過ぎません。その一方で、65歳以上の老年人口は3268万764人で25.90%となり、年少人口の2倍を初めて超えました。15~64歳の生産年齢人口は7717万2787人で、61.17%となります。年少人口が減っているので、これからも生産年齢人口の比率は下がり、老年人口の比率は上がっていくことになります。
人口動態というのは、短期的に劇的な変化は望めません。子供が生まれ、成長し、成人してまた次の世代が生まれるというように、サイクルには長い時間がかかります。生まれてくる子供の数が減れば、それは数十年後に彼らの子供の数も減ることを意味します。
日本人の人口減少傾向に歯止めをかけることは難しいと思います。将来、原宿は今の巣鴨のような街になるでしょう。高齢者が増えれば、エスカレーターで転倒する人も増え、電車の乗降にも今まで以上に時間がかかることになります。人が住む場所と住まない場所の色分けが明確化して、郊外の住宅から都心に移り住む傾向が加速します。社会保障費用はさらに増加し、国の財政は悪化します。そんな、人口減少と高齢化を前提とした、社会のデザインが必要になってきます。
週明けの日本では、ギリシャの国民投票の結果が大きな話題になっています。経済規模や、置かれている環境は随分異なりますが、日本もいずれ財政問題がテーマとしてクローズアップされてくるはずです。対岸の火事ではなく、自分たちの未来をイメージするための出来事として捉えるべきではないでしょうか。
預金の引き出し制限がかけられ、ギリシャ国内が混乱する中、自分の資産を守ることができたのはどんな人なのか?そこに、国が危機に陥った時に、どのように対応すべきかの貴重なヒントが隠されています。
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