仕事でもプライベートでも、うまくいかない時に考えるべきことは、一緒にやっている人との「ベクトル合わせ」ができているかどうかです。
例えば、本を執筆する時は、編集者の方や出版社のマーケティングをする人たちとのコラボレーションが発生しますが、メンバー全員が読者に評価してもらえる良い本を作りたいという同じ方向にならないと、「売れる本」はできません。
良くあるケースが、著者は良い本を作りたいと思っているのに、編集者はとにかく早く納期を間に合わせたいというケース。あるいは、営業が過激なタイトルを付けようとするケースです。内容を二の次にしてとにかく完成させて、自分のノルマを果たそうとする編集者とはベクトルがずれています。タイトルで誤解されるような本を提案するのも同じです。
そんな人たちと一緒に仕事をしても、残念ながら成果は出ないのです。
6月に出版した「初めての人のための資産運用ガイド」(写真)が最速で売れているのは、編集者の本に対する想いと、営業の人たちの良い本を届けたいという熱意が、著者と完全にベクトル合わせできたからだと思っています。
出版に限らず、社外の人たちとアライアンスを組んでたくさんの仕事をしていますが、いずれの場合も常に意識するのはベクトル合わせが最優先です。
例えば、SHINOBY`S BAR 銀座であれば、店長、料理人、サポートメンバー、そしてオーナーがお客様に満足できる空間を提供したいという理念で同じ方向を向いていないと繁盛店にはなりません。良い点は残し、改善すべき点は変えていくという無限のサイクルを一緒にやれる人たちが集まらないと、良い結果は生まれません。
あるいは、来年3月に3回目の開催が決まった「世界の資産運用フェア」も、3社で協力して進めていますが、共通する理念は個人投資家に最高の投資商品を幅広くわかりやすく提供するということです。それを実現するためのベクトル合わせの仕組みがワークしているから、今まで気持ち良く仕事ができてきたのだと思います。
ビジネスであれば収益が上がらなければ続けられなくなってしまいますが、収益の源泉になるのは理念です。考えていること、理想としていること、そういったビジョンやミッションのベクトルを一致させないと結果は出ないということです。
この「ベクトル合わせ」は、プライベートでも極めて重要です。ビジネスでは得意だと思っているベクトル合わせですが、プライベートになるとからっきし弱くなってしまう理由は、自分でもよくわかりません。
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