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ビジネスパーソンの情報誌「日経ビジネスアソシエ」で内藤忍の資産デザイン教室という連載コラムを持っています。はじめてから丁度1年になりますが、2年目も連載が続くことになりました。資産運用のアドバイスをしている専門家はたくさんいますが、多くの人に欠けている視点があると思っています。

1つは、不動産をはじめとする実物資産の組み入れです。マネー誌などを見ると、資産配分例として円グラフで具体例が表示されていることがありますが、ほとんどの場合、投資信託や株式を主体とした金融商品だけのポートフォリオです。不動産をはじめとする実物資産と金融資産を組み合わせたポートフォリオを見かけることはほとんどありません。

2つの資産を比較した上で、金融資産だけのポートフォリオという結論なのであれば、それは1つの見識と言えますが、最初から金融資産ありきでポートフォリオを構成するのは、自らの投資の可能性に枠をはめてしまっていることになります。

そしてもう1つ気になることは、資産配分にばかり目がいって、ライアビリティ(借入)という視点が欠けていることです。

資産運用はお金持ちがやることだと勘違いしている人がいますが、それは間違っています。資産運用は「お金持ちになりたい人がやること」なのです。

今資産が十分に無いという場合、借入を使ってレバレッジをかけることができます。金融資産でも信用取引やFXを使えばレバレッジがかけられますが、レバレッジのリスクを最もコントロールしやすいのが国内の不動産です。

資産運用とは資産を運用するアセットサイドだけではなく、その資金をどのように調達するのかというライアビリティサイドの工夫が重要です。これは、企業経営でどんなビジネスをするかという事業プランだけではなく、その事業に必要な資金をどのように調達するのかという資金計画が必要なのと同じことです。

明日開催の5ヵ国不動産投資セミナーにも講師として登場するA氏は、都心の中古ワンルーム販売では日本一の実績を誇りますが、彼の強みは物件の選定だけではなく、投資家の資金調達について幅広い金融機関の最新情報を提供できるところにあります。多くのクライアントの資金計画のアドバイスをしているうちに、自然に金融機関との付き合いが深まり、情報が集まる仕組みになっているのです。

数百名の投資家の中には、借入を上手に活用して、リスクをコントロールしながら、急速に資産を増やしている人がたくさんいます。

私自身の資産運用も株式投資の個別銘柄から始まり、長期分散インデックス投資から、実物資産を組み入れたハイブリッド投資、そして借入も視野にいれた「ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)投資」にまで広がってきました。これからもメールマガジンやセミナー、書籍を通じて皆様に、情報提供していこうと思います。

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