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博報堂生活総合研究所から 「シルバー30年変化」というレポートが発表されました。1986年から30年間にわたり、10年毎に60歳~74歳を対象に、ほぼ同じ質問項目で調査を続けてきた興味深い内容です。これを見るとシニアのライフスタイルは、これからも大きく変わっていくことが想像できます。

まず、明らかなことはシニアとはもはや引退して「終わった人」では無くなったということです。

「あなたの気持ちは何歳くらいだと思いますか」という質問の平均回答は53歳(!)で、実年齢マイナス14歳という結果になっています。同様の質問で、自分の健康年齢は実年齢マイナス7歳で、周囲からは実年齢マイナス5歳で見られていると回答しています。体力・気力の充実が感じられます。

しかし、それに伴い経済的な制約を感じる人も増えています。2016年では47%の人が「先の見通しは暗い」としていますが、これは1986年から15%も増えています。1か月のお小遣いも1986年 28,830円 → 1996年 33,450円 → 2006年 31,620円 → 2016年 26,820円と1986年よりも低くなっています。

このような環境下、欲しいものは「幸せ」という人が31%から16%に30年間で15%も減っているのに、「お金」という人は28%から41%に13%も増えています。

シニア世代が欲しいものは、本音では「幸せ」より「お金」なのです。

寿命が延びて、老後も20年、30年というスパンで、アクティブに活動したいのに、年金からの収入だけでは、経済的自由が得られないことに不満を感じている姿が見えてきます。

これから医学の進歩と共に寿命はさらに延び、健康で人生を楽しめる時間がさらに長くなります。70歳、80歳になっても元気に働き、趣味や新しいことにチャレンジするようなシニアが当たり前になってきます。そのベースを作るのに必須なのが「お金」なのです。

早い時期から資産形成をしっかりと準備し、シニアになった時に備えておかないと、リタイアギリギリになって慌てても時間が無くなっていてもう間に合いません。イソップ物語の「アリとキリギリス」ではありませんが、お金とどのように付き合うかは、高齢化によってシニアのライフスタイルが変われば、さらに重要になってきます。

人生の目標を立てて、誰でも実践できる資産運用を行うことで、「シニアになって後悔しないお金との付き合い方」をセミナーや書籍で提案してきました。今回の調査結果を見て、自分のやっている仕事の意義と責任の重さを再認識した次第です。これからも後悔の無い人生のつくり方を伝えていきたいと思います。

(写真は先週の資産デザイン研究所メール「グルメ設計塾」でご紹介した銀座の中華です)

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