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SHINOBY`S BAR 銀座の近くにあるアンティークコインのギャラリーにお邪魔してきました。ズラリと並んだ本物の金貨。まぶしい光に目がクラクラしますが、裏面に書いてある価格を見るともっとクラクラしてきます。

このような「実物」に対する投資は、金融資産や不動産への投資とは着目点が大きく異なります。期待リターン、利回りといった「収益性」の概念が無く、需要と供給から決まる「希少性」がカギになるのです。供給が限定されていて、需要が高まることが予想される資産を保有する。そして需給関係から価格が上昇するのを待つという投資戦略になります。

同じ実物でも、金(ゴールド)やプラチナといった貴金属への投資は需要と供給の見通しを立てるのが難しい資産です。市場に供給される量が未確定で、価格が上昇すれば供給が増えて上値を抑えることもあり得ます。それとは対照的に、ワイン(現物)、現代アート、アンティークコインといった投資対象は供給が制限されているという特徴があります。

例えば、フランスの高級ワインであれば、銘柄とビンテージで生産本数は決まっていて、消費と共に減っていくことになります。古いビンテージのワインが再び作られることは無いのです。フランスの高級ワインは需要が高まっても、ぶどうを生産する畑が指定されていますから、ワインの生産は増やせません。供給が増えなければ、需要によって価格が決まってきます。

現代アートも1人の作家の作品数には限界があります。人気作家になれば作品にコレクターが殺到して需給バランスから価格が急上昇することもあり得ます。ゴーギャンやセザンヌの作品が300億円を超えるような高値で取引されているのは、1点しか供給が無い傑作にコレクターが殺到し、需給が極めて逼迫しているからです。

アンティークコインにも似たような性質があると言えます。コインには発行年次と発行枚数がデータとして残っていますから、供給は限定されています。古くて発行枚数の少ないものには希少性が出てきます。さらに、人気のあるコインはコレクターからの需要が高まり価格に反映される可能性が出てきます。

一方で、アンティークコインのリスクとしては、偽物の可能性、価格の不透明性、アンティークコイン自体の人気が無くなることなどが考えられます。ギャラリーの代表を務める方のお話では、購入されるお客様は医者、経営者などの富裕層が多いものの、まだ「怪しい投資対象」と思っている人も多いそうです。

先入観で決めつける前に、何でも「人体実験」しなければ気が済まない私。アンティークコインも早速はじめてみようと思います。専門家の方を招いてのセミナーも、いずれ資産デザイン研究所メールでご案内したいと思っています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。