「お菓子総選挙2016」というテレビ番組で、カルビーの「じゃがりこサラダ味」が「日本人に愛されるお菓子」1位に選ばれ、さらに同社の商品が上位10位に5つもランクインしたそうです。それをきっかけにカルビーの会長兼CEOの松本晃氏の経営方法にネット上で注目が集まったという記事を読みました。
事業をしていく上で最も悩ましいのが人の問題です。優秀な人材を確保したいと思う一方で、給与の支払いというのは経営者にとっては原資を稼がなければならず、頭の痛い問題になることが多いのです。しかし、その給料を支払い、働く人たちの待遇を改善していくことこそが、実は会社にとっては一番大切な投資というのが、松本氏の経営理念です。
現実に世の中の会社を見わたすと、人件費を減らすことによって、会社に貢献しない人材を生み出してしまい、会社の成長を阻害するという悪循環に陥っている企業が珍しくないのです。
人件費や一緒に働く人たちの待遇をどうするかというのは「ベクトル合わせ」の問題と言えます。会社が成長して利益を出しているのに、それに対して貢献してくれた人材に対しては惜しみなく投資をしていく。そうしなければ会社とそこで働く人たちとのベクトルがずれてしまい、最大の能力を発揮できる環境を生み出せないのです。
確かに、スタートアップや業績低迷期になるとコストカットが必要になり、人件費を抑制するというのが最も簡単に収益を改善させることができる方法かもしれません。しかし、短期的に収支が改善しても、長期的にはそれ以上のものを失ってしまうことを忘れてはいけません。
人を大事にしない限り、会社は最終的に絶対うまくいかないということです。
個人的には従業員という「雇う-雇われる」という対立する関係から一歩踏み出して、一緒に仕事を通じて社会に価値を生み出していく同志という感覚で仕事をしていくことが、経営で成果を出すために求められていると感じています。私が関わっている仕事でも、優秀な人材への「投資」は惜しまず、成長を続けていける体制を常に意識したいと思います。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。