日本経済新聞によると、2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数が史上最低の86万4千人となったそうです(図表も同紙から)。

前年と比べると5.92%減と急減し、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回りました。しかも、出生数から死亡数を差し引いた人口の自然減は51万2千人と初めて50万人を超えています。50万人というのは鳥取県の人口(約55万5千人)に匹敵する数字です。つまり、この1年で鳥取県全体の人たちと同じくらいの日本人がいなくなったということです。

人口減少は歯止めがかかるどころか、益々加速しています。このまま放置しておくと、人口減少が加速して政府の予想よりも少子高齢化が進みます。人口減少と高齢化で、経済成長率は低下し、そのうちにマイナス成長が恒常化するリスクも高まってきました。

私は子供がいないので、人口減少の原因を作っている者として、心苦しいのですが、出生率を上げるためには、子育ての時間的経済的な負担を引き下げるような制度や政策が必須ではないでしょうか。

子供を育てようとすると、フレキシブルに仕事ができる環境が必要です。急に熱を出して病院に行ったり、怪我をして治療したりと子供には不測の事態が頻繁に発生します。仕事の時間が拘束されていると、そのような急な事態に対応することができません。

また、学校の送り迎えや塾に通ったり、先生との面接したりと時間を取られることが多いのです。

そして、子育ては時間だけではなく、お金もかかります。

家族が増えれば広い部屋が必要になりますし、食費もかかります。そして何より学費の高騰によって、教育にお金がかかるのです。

このような子育ての負担を減らす施策が取られなければ、今後も出生率が上がることは期待できないでしょう。

消費税引き上げへの対応といった目先の経済対策のようなことより、抜本的な少子化対策を優先することが今の日本には必要だと思います。

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