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日本経済新聞電子版によれば東京23区の賃貸物件の契約形態で定期借家の比率が高まり、昨年初めて1割に達したそうです。
日本国内の不動産賃貸には定期借家契約と普通賃貸借契約の2つがあり、ほとんどの物件は普通賃貸借契約になっています。定期借家契約は借地借家法の改正によって2000年に生まれた契約形態です。
普通賃貸借契約は借り手の権利が強く、家賃の更新の際も賃貸人から一方的に家賃の引上げをすることができません。賃借人は契約上は家賃の引上げと退去を拒否することができ、同じ家賃で住み続けることができるのです。
これに対して定期借家契約であれば契約期間を設定して期間満了後に退去するか、新たな条件で再契約することになります。賃貸人が自由に価格を上げやすくなります。
ちなみに東京23区では高額物件の賃貸はほとんどが定期借家契約になっており、一般の物件とは対照的です。
借り手からすれば定期借家契約は数年後に家賃を引き上げられて退去を迫られるリスクがあるため敬遠されがちです。そのため普通賃貸借契約よりも家賃が低く設定される傾向があります。
ここにきて定期借家契約の比率が高まっているのは不動産オーナーが将来のインフレを見込んで家賃の引上げが行いやすい契約に切り替える動きが出ているからだと思います。
不動産業界の専門家の中には定期借家契約の比率が高まることによって家賃の引上げが頻発し社会問題になりかねないという懸念を表明している人もいます。
確かに家賃が極端に引き上げられてしまえば引っ越しをせざるを得なくなり、賃借人にとって家賃の安い不便な場所に住まざるを得なくなるデメリットがあります。
一方でかなり前から普通賃貸借契約を結んで同じ家賃で契約更新を続け、周辺相場に比べて極端に安い家賃で住み続けている賃借人がいるのも事実です。普通賃貸借契約は借り手を過剰に保護している側面もあるのです。
不動産の賃料もモノの値段と一緒で基本的には需給によるマーケットメカニズムによって決められるのが基本だと思います。その上で家賃の高騰によって住環境が悪化していくということであれば、地方自治体による家賃補助などの仕組みを導入して一定の条件を満たす人への経済的サポートを行っていくのが筋ではないでしょうか?
家賃が上がったというとすぐに「値上げした大家=弱者をいじめる悪者」のような反応をされるのは、資本主義社会を否定する統制経済社会のようで気持ちの良いものではありません。
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