ビジネス誌の取材で、健康法について話をする機会がありました(写真は取材原稿のゲラです)。
40歳の時に、胆石で2週間ほど広尾の日赤病院に入院し、内視鏡手術を受けました。幸い、大事には至らなかったのですが、それまでの乱れた食事と生活習慣を立て直すために、運動を始めました。それが、今も毎日続いているトレーニングです。
毎朝やっている腕立て伏せを40回×3セットというシンプルなもので、時間もジムに行くのに比べたら比較にならないくらい短いものですが、自分なりに工夫して短時間で最大の効果が出るようにしています。そのやり方も詳しく取材してもらいましたので、記事を是非見て頂ければと思います。
健康法について、私が強調したいのは、どうやって続けるのかという「仕組み」の作り方です。
せっかく一念発起して運動を始めたのに、いつしかやめてしまったという人は多いと思います。その理由は、続ける仕組みができていないからだと思います。
私が、続けるために取り入れた仕組みは2つ。「無理をしない」と「記録する」です。
以前は腕立て伏せ以外にもスクワットや腹筋をしたりして30分近くの時間を毎朝かけてトレーニングしていました。しかし、忙しくなって時間が無くなると、そのすべてのメニューを毎日こなすことに大きなストレスを感じるようになったのです。そこで、必要なものだけをやるようにして、後は時間がある時にやるという方法に切り替えました。無理をして続けようとするより、無理のない範囲で毎日続ける方が、結局良い結果になると思ったからです。
腕立て伏せも最初から120回やっていた訳では無く、数年かけて30回から60回、80回、90回・・・と回数を増やしていきました。これも無理のない範囲で、少しずつです。こうやって負荷をかけ過ぎずに、続けることを優先したのが毎日続けられた理由の1つだと思います。
そしてもう1つが、手帳に記録することです。私の手帳には毎日の体重やトレーニングの内容が小さくメモされています。過去何年にもわたって、何をしてどんな体調だったのかが記録されているのです。トレーニングをやめてしまうと、この毎日続けていた習慣が途切れてしまう。小学生の頃、夏休みのラジオ体操に毎朝行ってスタンプをもらっているうちに、皆勤賞を目指したくなってくる。そんな気持ちに似ています。記録する習慣によって、途中で挫折しそうになる弱い心をサポートすることができるのです。
海外に行くと、時差があってトレーニングする時間が取れず、空港のラウンジや、ホテルのロビーで深夜便で到着してから、腕立て伏せすることもあります。なぜ、そこまでして?と不思議に思われることも多いのですが、実はそんな小さなインセンティブが続けるモチベーションになっているのです。
20代、30代に仕事やプライベートで無理な生活や不摂生な生活をしていると、40代以降になってそれがダメージとなって戻ってきます。ストイックに生きるのではなく、ストレスなくナチュラルに生活できるようにするためには、毎日の工夫が必要。そのためのヒントになれば幸いです。
取材記事は日経ビジネスアソシエの9月発売号に掲載されます。
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