141024Maduro

読みながら、思わず笑ってしまうファッション雑誌を発見しました。やんちゃジジイのための「マデュロ(Maduro)」です。創刊号の33ページの登場人物の説明を読んでいるとホイチョイプロダクションの名作「見栄講座」を思い出しました。

やんちゃジジイ、略して「やんジー」とは、バブル世代と呼ばれる、現在の50代60代の人たち。全力で遊びもお洒落もこなしてきたバブル世代です。

やんジーの中学時代の同級生は、すでに「枯れジー」になり新橋の赤ちょうちん系になってしまいました。やんジーの遊び相手は「チャラジー」。チャラジーの定義は、”オヤジ”で成長が止まったチャラいジジイということです。

やんジーの奥さんは「魔ダム」。昔はキレイだったが、時の流れにさらされて残ったものはしたたかさと図々しさという設定。そして、やんジーのガールフレンドは「姫-ナ」と呼ばれる、同世代の草食系男子に飽き足らない女子。

私も、年齢的には、ターゲット世代の最年少になりますから、やんジーなのでしょうか?

やんジーの人生哲学は「金は残すな!自分で使え」です。創刊号では「やんちゃジジイの煩悩108」ということで、ファッション、車、時計といった男性ファッション雑誌のお約束のアイテムが、これでもかというくらいに紹介されています。

バブル時代の消費生活を経験し、未だにお金を使うことに熱心な50代から60代にかけての世代は、マーケットとしては今後有望なセグメントです。20代、30代がお酒も飲まず、車も乗らず、家も買わずといった縮小均衡になっているのとは対照的な行動パターンです。

今まで、このような定年前後のシニア世代は、サライを読んでいるような「枯れジー」ばかりで、静かに年金生活を送るというのが、ステレオタイプな見方でした。しかし、現実にはこんなやんジーがたくさんいたのです。ところが、彼らのニーズにフィットしたメディアは存在しなかったのです。

興味深いのは、この雑誌の出版元がセブン&アイ出版だということです。セブンイレブンとマデュロ。一見何の接点も無いような組み合わせですが、セブン&アイの壮大な野望がこの雑誌に隠れていると感じるのは考えすぎでしょうか。