フィリピンのマニラに昨日深夜に到着しました。日本からは5時間足らず。先週のバンコクよりさらに身近に感じる距離です。空港からホテルにメータータクシーで向かいました。
新興国に視察に来る時、経済成長率や人口動態といった数字も重要ですが、現地でいつも気にしているのは、ローカルの人たちの「豊かさへの欲望」です。今日より明日を豊かにしたいという強い気持ちこそが、成長のための最も大きなエンジンだと思うからです。
政府の規制や政治体制によって、人々のやる気がスポイルされてしまっているような国では、サービスを良くしようという工夫もありませんし、成長へのエネルギーが感じられません。これは、数値化できない肌感覚のようなものですが、マクロのデータ以上に、投資判断では大切だと思っています。
マニラのタクシーに乗ると、運転手が話しかけてきました。片言の英語なので聞き取りにくかったのですが、メータータクシーなのに、メーターなしで固定料金で、ホテルまで行かないかという誘いです。ホテルまでのタクシー代がどのくらいなのかわかりませんが、深夜ということもあり、値切りもせず固定価格でお願いすることにしてみました。
すると、メーターを倒さず、そのまま運転を始めました。日本では「エントツ」と呼ばれる、客を乗せてメーターを使わない方法。どうやら運転手のお小遣い稼ぎのようです。
さらに、翌日の早朝にまた空港に向かうというと、ホテルの前で待っているから自分のタクシーを使えと盛んに言ってきます。人の良さそうなドライバーだったので、朝の5時に迎えに来てもらうようにお願いしました。果たして本当に迎えに来てくれるかわかりませんが、何とも営業熱心です。
1人のドライバーだけでは判断できませんが、現地のタクシー運転手の行動を見ていると、豊かさへの欲望に溢れていることが感じられます。
これとは対照的に、以前行った別の国では、トゥクトゥク(バイクタクシー)のやる気のない運転手がホテルの前に座っていて、こちらから価格交渉しても応じる気配がありませんでした。現状のそれなりの生活に満足してしまっている。そんな風に見えたものです。経済成長が期待できると言われている国でしたが、投資タイミングではないと判断しました。
今日は、これからセブ島で、早稲田フロンティアマインドの福村さんの案内で、物件視察に出かけます。物件だけではなく、フィリピンの人たちの「欲望」の強さもしっかり確認してみようと思っています。
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