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毎週対談記事をアップしている「ENRiCH(エンリッチ)」というサイトに登場いただいた、株式会社お金のデザインの廣瀬社長(写真)。同社は海外ETFを使った資産運用のアドバイスを行っていますが、このようなサービスは「ロボアドバイザー」と呼ばれています。

ロボアドバイザーとは、ネットを使って、リスク許容度や運用目的などから個人の資産運用方針を決定し、リスク分散されたポートフォリオを自動で提供してくれるサービスということになります。海外では、Wealthfront、Motif Investing、Personal Capital、Betterment、Future Advisor、Nutmegといった会社が競争を始めている分野ですが、日本ではまだお金のデザインくらいしかサービスはありません。

ロボアドバイザーの最大のメリットは「ベストな金融商品の組み合わせを極めて低コストで提供してくれる」ことです。お金のデザインの場合、世界にある数千本の海外ETFから投資目的にフィットする商品を選択し、その配分比率まで教えてくれるのです。

ロボットが、資産運用のアドバイスをしてくれる。夢のような話です。では、既存のファイナンシャルプランナーは、ロボットに仕事を奪われ、必要なくなってしまうのでしょうか?

その答えはイエスでもあり、ノーでもあると思います。

投資信託や株式などの金融商品を組み合わせたポートフォリオアドバイスを行っているだけの資産運用アドバイスは、低コスト・高品質のロボアドバイザーにリプレイスされる可能性があります。大量の過去データからリスクとリターンを最適化し、瞬時にポートフォリオを提示してくれるロボアドバイザーに、人間が太刀打ちはできません。

一方で、人間にはできて、ロボットにはできないこともあります。

例えば、将来の資金計画など個々人の事情に応じた細かいチューニングは、人間が対応しないと満足できる結果は得られません。一般的な資産運用アドバイスにはロボアドバイザーは圧倒的な力を発揮しますが、アルゴリズムでは割り切れない対応は人間が担当するしかないのです。

また、金融資産以外の資産配分のアドバイスは、ロボアドバイザーには出来ないと思います。不動産やワイン投資といった実物資産を組み入れたハイブリッドな投資は、個別の物件や銘柄を丁寧に比較して、組み合わせていくオーダーメイドの作業になります。

ロボアドバイザーの高度な資産アドバイスは、ロボットと同じことしかやっていない資産運用アドバイザーは駆逐してしまいます。しかし、ロボアドバイザーを使いこなすファイナンシャルプランナーの存在価値は、むしろ高めてくれることになると思っています。

このような新しい金融のテクノロジーを使ったサービスはファイナンシャルテクノロジーを省略して「FINTECH(フィンテック)」と呼ばれ、金融とITの融合分野として注目されています。今週のイギリスの経済誌「The Economist」では、このような新しい金融の流れをスペシャルレポートとして分析・紹介しています。

テクノロジーが金融の世界に入り込んでくると、人間にしかできない仕事を高いレベルでこなせる人になることが益々重要になってきます。

資産デザイン研究所はお金のデザインのような新しいサービスを積極的に活用し、さらに高品質の資産運用サービスを提供して参ります。

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